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現実にもスキルがあったなら。  作者: 高一の勇者
第一章:始まりの非日常
20/88

TFSP日本支部

先に言っておきますがTFSPの人達は完璧じゃないので色んなミスをします。


というかTFSP事体が割と新しい組織なのでノウハウもあまりありません。


・・・という保険の設定を念頭に置いて、お読みください。言い訳するなら仁美の出番を僅かにでも入れたかったんです。

その後、俺らはそのままTFSP日本支部の建物へと移動することになった。後藤さんがどっかに連絡したら俺ら全員余裕で乗れるような大きさの車が迎えに来て、それに乗って移動している。あ、幹部も拘束された状態で積まれてる。

そして今は後藤さんから細かい説明を受けている所だ。しかし正直話を聞くのに飽きてきた。あ、そうだライマ。


『新しく解放したスキルの確認ですね?』


お、分かってんじゃん、さっすがライマ。じゃあよろしく。


『はい、新しく解放したスキルの名称は⋯⋯『装甲・脚』です。『装甲・腕』の脚バージョンですね』


お、脚も来たか。この感じだと『装甲・胴』『装甲・頭』とかもありそうだな。全部揃うと『全身装甲』みたいな。


『スキルが統合されたりすることは、ありえそうですね』


確かに。『自爆』も統合されるのかな?⋯⋯ろくなもんにならなさそう。


「さて次は⋯⋯そろそろ、お互いの超能力の詳細について話そうか」


そんなことを考えていたら後藤さんの話が重要な所へ移ったのでそちらに意識を戻す。


「名前だけだとおおまかにしか能力が分かりませんしね」

「オレは凄い分かりやすいっすよ?ほら、『サイコキネシス』って名前だし」

「それでもちゃんと詳しく話してもらうぞ。想像と少し違うところがあるかもしれん」


まあその通りだな。上田のサイコキネシスが視界の中にあるものにしか使えないところとか。


「もちろん、三人にも分かっている点は細かく聞かせて貰いたい。それと今のうちにコードネームとして超能力名を決めておくといい」


俺達のスキルに関しても軽い説明しただけだしな。コードネームも確かに必須だ。


「では私から説明していくぞ。私の『イリュージョンハンド』は2つの見えない手を出現させることが出来、また、自分の手で触ったものをある程度の重さまでなら見えない手を含む別の手から複製することができる。だから基本的にナイフを複製して投擲する、といった戦い方になるな。それと、あんまり複製しすぎると体力を消費するな」


大体確認した通りだな。『禁忌パンドラ』は流石に知らんみたいだが。


「その見えない手ってどのくらい自由に動かせるんですか?」

「ふむ、見せてやろう」


理恵がそんな質問をすると、後藤さんはニヤリと笑い鞘に入れた状態のナイフを取り出し空中に放り投げる。すると空中の何も無い所でナイフが静止し、その後回転したり上下に移動したり水平移動したりした。


「「おおー!」」

「こういうことする時は本当に楽しそうよね」

「フッ、まあな」


後藤さんなんかかっけぇ。俺にはあんな風にナイフを扱うなんて無理だぜ。


『いえ、武装術があれば可能ですよ』


⋯⋯なんか台無しなような気が⋯⋯


「さて、私の能力はこんなものだ。次は、」

「はいはーい!オレがやるっす!」

「うっさいわね、アンタなんて見えてるものを動かせるで終わりじゃない」

「ちょ、先に言わないで欲しいっす!!それに動かせる重さにも限りがあるっすよ!!言うならそこまで言ってくださいっす!!」


うん、今回ばかりは雨宮に同意。うるさい。文にしたら「!」が沢山ありそう。


「はいはい。もうそれで終わりでいいでしょ?次は私、私の『ボルテックス』は体に雷を纏ったり、一定範囲まで放電したり出来るわ。それに、身体能力もかなり上がるわね」

「俺が目で追えないレベルに速かったな。あのドロップキックとか気づいて3秒で到達するとかどんな速度だよ」


あ、そういえばライマの索敵の範囲って半径何メートル?


『150メートルです。平均秒速50メートルで突っ込んで来ていたということですね』


⋯⋯よく無事だったなあの下っ端。本当に手加減してたの?


「⋯⋯避けたアンタもアンタでしょ。折角だし今すぐ超能力について話しなさい」

「はいよー。俺の⋯⋯『サーチャー』は半径150メートルを索敵出来て、あと、動体視力がめっさ上がってる。そんだけ」

「なんつーか⋯⋯地味っすね。」

「地味かもしれないが、使える能力だな。雨宮のドロップキックを避けれたのは索敵のおかげか」

「そうだな。」

「そうか⋯⋯む?つい流してしまったが、雨宮、大葉に攻撃したのか?」

「⋯⋯情報にない超能力者が2人争ってたから纏めてぶっ飛ばそうとしたのよ。その片方がコイツって訳。」

「全くいつもお前は⋯⋯しっかり確認してから動け!お前なら不意打ちなどしなくても負けることなど無いだろう!⋯⋯いや待て。今2人と言ったか?」

「「あ」」


さっき思い出したのに、下っ端放置しっぱなしで忘れてた。つーかその話してなかったの?


『私は会話内容を念のため記憶しておきましたが、TFSPの活動内容の話をしていましたね。今回の件は後で上に報告する時に詳しく話してもらうとも言っていました』


oh⋯⋯流石ライマ、有能。しかし話してなかったか、今どうしてるか知らないけど敵のアジトに戻られるとかしたら面倒だな⋯⋯そうだ、仁美!


『ん?なんだ?』


下っ端のことでちょっと頼みたいことがある!


『下っ端?ああ、このガードレール男のことか?』


⋯⋯ガードレール男とはなんぞ?


『いや、ライマからこいつとお前が戦闘になったと聞いてな。お前らが廃工場から去った後念のため探してみたらな。ガードレールに挟まって気絶していた』


おお⋯⋯仁美も有能。とりあえずそいつは俺が雨宮と戦闘したところ辺りに置いといて!


『ふむ、分かった⋯⋯む?気がついたようだ。どうする?』


フルフェイス状態ならスキル自由に使って構わん。再度気絶させといて。


『了解した!』


よしこれでOK。おっと、こっちのことも忘れちゃいかん。

ちなみにこの間5秒。


「ええと、後藤さん。実はそのもう一人ってのはウロボロスのメンバーらしいんだが⋯⋯廃工場の方が気にかかってて放置してそのまま忘れちまってた⋯⋯」

「ドロップキック一発で退場してたから忘れてたわ⋯⋯」

「雨宮⋯⋯もういい、とりあえず引き返すぞ、放置する訳にはいかん。すまんが、廃工場へと戻ってくれ!」

「了解でーす。いつも大変ですねぇ〜」


あ、何気に運転手さん初めて喋った。何処か気怠そうな雰囲気を出している女性だ。もちろんスキル持ち。


――――――――――――

運転手さん

『危険察知』

あらゆる危険を察知することが出来る。危険が迫っている方向、原因、また、危険度なども大まかに分かる。

――――――――――――


結構有用なスキルだな。



――――――――――――



そんで俺らは廃工場へ引き返し、先程俺と雨宮が戦闘した所へとやって来た。途中で索敵に下っ端らしき存在が引っ掛かったことも伝えておく。仁美には⋯⋯今回は引っ込んで貰おうか。


「そろそろ反応あるところに着くぞー」

「分かった⋯⋯あいつか?」


そこにはケツだけ上に上がった状態でうつ伏せに倒れてる下っ端がいた。仁美よ、何故その格好で置いた?


「コイツで合ってるわよね?」

「ああ。てかお前は分からないのかよ?」

「一瞬見えたか見えなかったかくらいだったもの」

「そうかい。とりあえず拘束して連れていこう」


後藤さんが持ってきた拘束具で拘束し、車へと運んで行った。途中雨宮が「こんな所に吹っ飛ばしたっけ?」とか言ってたが、まあ大丈夫だろ。



――――――――――――



そんな事があったが結局今はまた車で移動中である。


「とりあえず、さっきの超能力紹介の続きをしようぜ。海斗、お前から言え」

「何で隆二が仕切ってんだ⋯⋯俺の能力は、白いエネルギーの玉みたいなのを指から打ち出すことが出来る。威力、スピード、軌道は調節可能だ。名前は⋯⋯『バレット』にしとくよ」

「それで幹部の男を倒したのか?」

「はい。といっても、理恵がいなかったら負けてただろうけど⋯⋯」

「ふむ?」

「そういえば中澤さんの超能力はバリア張るやつって言ってたっすよね?それで守って柏木さんが攻撃したって感じっすかね?」

「そうだよ、私の超能力は味方には影響がないんだ。だから幹部の攻撃だけ防いで海斗の攻撃だけ通して攻撃したんだ。名前は単純に『シールド』でいいかなー」

「へー⋯⋯便利ね。強度はどのくらいなの?」

「面積に反比例した強度になるよ。だから相手の攻撃を読んで最小限の大きさで防御した方がいいんだよねー」

「なるほど。2人で戦うのに相性がいい超能力を持っているんだな」

「相性いい超能力持ってる男女⋯⋯はっ、まさかカップルっすか!?」


うん。そう思うよね。それに対するこいつら反応がこちら。


「か、かか、カップル!?そ、そんな、私が海斗とカップルだなんて⋯⋯」

「い、いきなり隆二みたいなこと言わないでくれ!俺と理恵はまだ付き合ってない!」


あれ、俺が言った時はそんなに取り乱さなかったのに⋯⋯あ、俺の場合は昔っからからかってたからか?


あと海斗。『まだ』って願望漏れてっぞ。幸い後藤さん以外気づいてないみたいだけど。後藤さんめっちゃ青春真っ只中の若者を見守る目をしてるよ。


「ほほう?その反応は怪しいっすね⋯⋯大葉さんはどう思うっすか?」

「さっさと付き合っちまえよ馬鹿野郎って感じ」


これは俺の偽らざる本音だ。早うくっついてしまえ。見ててイライラする。こいつらここまで距離近くなったのは最近だが元々かなり距離近かったからな。いつか付き合うだろと中一の頃思ってたのに未だにくっつかない。


高一の間に付き合わなかったら海斗のこと『ヘタレ』って呼んでやる⋯⋯とか考えてたら雨宮が口を開いた。


「とりあえずこれで全員自己紹介終わったわね」

「そうだね」

「そうですね」

「そうっすね」

「そうだな」

「⋯⋯そうかな?」


上から順に

理恵

海斗

上田

後藤さん

俺。

いやさ。一人忘れてない?てかなんでTFSPの人たちが忘れてんの?


「何よ?他に誰かいるわけ?」

「⋯⋯運転手さんは?」

「「「あっ」」」

「あははー、毎回忘れますよね〜⋯⋯大葉君でしたっけ、気づいてくれてありがとうございますね〜」


なんか毎回の事らしい。可哀想な人だな。


「す、すまん坂口」

「あはははーいいですよ別にー、慣れてますから〜。んじゃま、自己紹介だけしときますかねー」


坂口と呼ばれた女性は振り返ることなくそう言い、


「私の名前は坂口美弥さかぐちみや、超能力は『アラーム』って言って自分に迫ってくる危機をある程度感知できます〜。大葉君と同じ地味系ですね〜」


⋯⋯何か親近感持たれてる?


「毎回彼女には何かと助けられている。ドライバーとしてはかなり頼りになる」

「その割には忘れられてましたけどー⋯⋯」

「すまん。」

「ごめん。」

「サーセン。」

「前回も同じこと言われましたよ〜」


⋯⋯不憫だなおい。普通こういうキャラはちっとは存在感ある筈なんだが。


「まあ毎度の事なのでそれは置いといて、そろそろ着きますよ〜」


直後謎の違和感を感じた。何か似たような違和感を感じたことがある気がするんだが⋯⋯


『それはウロボロスの幹部が使っていた結界に侵入した時に感じた違和感でしょう。最も、結界を張っている人物は別人のようですが』


ああ、万が一にも一般人が入らないようにしてんのか。


「あのビルですか?」

「ああ。そうだ」


海斗が窓から見えたビルを指差しながら聞くと、後藤さんがそれを肯定した。そのビルはそれなりの高さで、また、周りにあまり建物がなくぽつんと建っていた。まあ周りに建物置くわけにはいかないだろうしな。

そしてさらに五分程するとそのビルに着いた。


「到着しましたよ〜」


俺らは車から降り、そのビルを見上げる。近くで見ると思ったより高いそのビルを見上げる。

そうしていると後藤さんが先頭に立ち、こちらにやや芝居がかった仕草で手を広げ振り返り、


「ようこそ、我らが拠点TFSP日本支部へ!」


と言った。

・・・何?後藤さんかっこつけるの好きなの?


「後藤、毎回新人入る度にその恥ずかしいのいらないから」

「正直そんなかっこよくないっす」

「それより早く入りましょうよ~」

「えっ⋯⋯」


そう言われ固まった後藤さんの横をTFSP組が通り過ぎていく。救いを求めるようにこちらを見てくる後藤さん。


「ええと、正直そんなに⋯⋯」

「なんかわざとらしすぎてちょっと⋯⋯」


やはり固まる後藤さんの横を海斗と理恵が通っていく。


「⋯⋯⋯⋯」


こちらを無言で見てくる⋯⋯こっち見んな。いや、まじでその目は止めて?そんな期待と不安が入り混じった目はやめて?助けて、ライえもん!


『ライえもんってなんですか⋯⋯?そうですね、アドバイスしてあげればいいのでは?』


ふむ、アドバイス⋯⋯ああ、さっき理恵も言ってたな。


「わざとらしくかっこつけずに、車の中でのナイフ術みたいな感じにやるといいと思うぞ?」


俺はそう言って後藤さんの横を通り過ぎた。


「⋯⋯善処しよう」


後藤さんは小さく呟くとようやく動き出した。

⋯⋯ん?なんか忘れてるような⋯⋯あ。


「後藤さん。幹部と下っ端忘れてる」

「あっ⋯⋯片方、頼めるか?」

「おーけー」


そんな感じで、なんか色々とグダグダだが俺はTFSP日本支部へとやって来たのだった。まる。




⋯⋯最後おかしくなったの多分後藤さんのせいだよな。




スキル一覧です。


名持ち(ネームド)スキル

賢神ライマ

覇王バハムート

極ノ旗(バラキエル)


属性系スキル

閃雷2

蒼炎2


現象系スキル

装甲・腕2

装甲・脚←NEW!

錬成

聖光2

念話

分体2 特殊強化


身体強化系スキル

心眼2

武装術2


身体変化系スキル

性別反転2

竜化2


ネタ系スキル

自爆Lv1、3、4、MAX



追記:08/12 09:24に誤字を修正しました。

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