表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現実にもスキルがあったなら。  作者: 高一の勇者
第一章:始まりの非日常
13/88

秘密結社ウロボロス

ローファンタジー部門にて週間ランキングも一位達成しました!


これはいつもこの作品を読んでくださる皆様方のお陰です。


これからもどうかこの作品をよろしくお願いします。


また、テスト期間に入ったため執筆が止まります。今回からストック分の更新になりますので、しばらくしたら更新が止まります。申し訳ありませんが、何卒ご了承ください。

「さて、お前らを狙ってる奴について話してもらうぞ」


俺の部屋に戻り、早速聞く。確か前聞いた限りではウロボロスとか言ってた気がする。


「ああ、俺らを狙っているのは秘密結社ウロボロスとかいう組織らしい」

「ウロボロスて⋯⋯恥ずかしくないのかねぇ?」


聞き間違いじゃなかった。つーか海斗、真顔で話すな。吹くから。


「本人達は誇らしげに名乗ってたぞ?」

「私は真顔でそう名乗られると吹きそうになるんだよねぇ」


やっぱり理恵も吹きそうになるか。前回あの幹部のおっさんが「ウロボロスの幹部としての〜」とか言った時もちょっと吹きそうになってたし。


「まあ恥ずかしいかどうかは置いといてこれまで何回ほど襲われたん?」

「確か⋯⋯10回程じゃなかったか?」

「11回だったはずだよ。そこまで10連勝だったから調子に乗っちゃったんだよね⋯⋯」

「ああ、そうだったな、クソッ⋯⋯」


悔しそうな雰囲気を漂わせる2人。いやまあ原因は知ってるけどちゃんと聞いとかないと。


「そういえば負けそうになったって言ってたな。一体何があったんだ?」

「ああ、言ってなかったな。前回、俺らはウロボロスの幹部と戦ったんだ。結果は惨敗。俺の『バレット』は撃ち落とされ理恵の『バリア』は砕かれた⋯⋯」

「なるほどな⋯⋯それで?今ここにいるからには何とかして勝ったか助けてもらったかしたんだろ?」

「そうだよ⋯⋯助けてもらったんだよ!俺らは!!」

「うおう!?」


海斗は悔しそうに叫ぶ。あの、なんなんですかこのマンガでよくある『何も⋯⋯!出来なかった⋯⋯!』みたいな雰囲気は。あ、その通りか。


「そのとき俺らは急に現れた罅の入ったフルフェイスヘルメットを被った人に助けられたんだ。その人はその幹部を圧倒して倒した後、俺らに『慢心するなよ』って言って去っていったんだ⋯⋯」


やめてぇぇ!俺の黒歴史を掘り返さないでー!


「私達は言われた通り慢心してたんだよ。大抵の攻撃は防げる、こちらからいくらでも攻撃できる、だから何にだって勝てると勘違いしてたんだ」


くそっ、真面目に受け取られているな。注意してくれて嬉しいのか、傷口抉られてダメージを受ければいいのか分からねぇ。


『そんなに恥ずかしいなら言わなければ良かったのでは?』


分かってるっつの!言ってしまったから後悔してるの!


「次会ったらお礼を言いたいな⋯⋯」

「そ、それはともかく、そのウロボロスは何でお前らを狙ってるわけ?」

「ああ、悪い、話が逸れたな」


よっし、話を逸らすことに成功した。このままそっちの方向へ会話を続けよう。


「ウロボロスの目的なんだが、どうも⋯⋯世界征服らしい。その為に超能力者を集めているそうだ」

「せ、世界征服って⋯⋯頭大丈夫なのか?」

「実際できないこともないんじゃないか?超能力はかなり強力だ。通常の兵器では太刀打ちできない能力はかなり多いからな」


あいつら本気で世界征服とか考えてるのか⋯⋯本当にマンガとかゲームみたいだなおい。

だが確かにできないことはないだろう。既に俺だって地球破壊できる程のスキルを持ってるわけだし。こうなっては止めない訳にはいかないだろう。もとより2人を狙っているんだ、タダで済ますつもりは無い。 だがその前に2人には聞いておかなければならないことがある。


「そんで、お前らはどうするつもりだ?」

「え⋯⋯どうって言われても⋯⋯」

「そのままそのウロボロスと戦い続けるつもりか、それとも降伏するのかだよ。」

「な⋯⋯戦うに決まってるだろ!?」

「前回負けそうになったのに⋯⋯か?」

「っ!」


そう、こいつらは正義感から戦っているわけだが正直言ってそんなに強くない。俺のスキルのうち『閃雷』か『蒼炎』でもあれば恐らく二人がかりでも相手に出来る。名前付き(ネームド)スキル持ちなら大抵はまともな戦いにもならないだろう。

そんな相手がそれなりにいるであろう組織に2人だけで戦って勝てるわけがない。少なくとも今のままでは。だから聞いておきたいのだ。

このまま戦い続けるのか、戦うのをやめ降伏するのかを。


「降伏してウロボロスの仲間になれば少なくとも身の安全は確保されるだろ。超能力者は貴重な筈だから手荒な真似はされないはずだ」

「でも、相手は世界征服を企んでるんだぞ!?そんな相手に手を貸せるわけがない!」

「お前がさっき言ったばかりだが、世界征服を実行出来るだけの力がウロボロスにはあるんだろ?それなら抗うより自分の力を条件に周りの人間の安全を約束したりした方がいいかもしれないぞ?」

「隆二、お前はいいのか!?悪事の手伝いなんかしてもいいって言うのかよ!」


海斗が俺の言い様に対して立ち上がり糾弾して来た。理恵は空気が悪くなってきたことでオロオロしている。だがこちらは一歩も引くつもりはない。


「俺は悪だの何だのより、お前らの生死の方が大事なんだ。正義感なんかよりも命を優先して貰いたいんだ」

「そんな、だからって⋯⋯」

「既に前回負けかけてるんだ、これ以上危険なことはして欲しくない。だから聞いたんだ、お前らはどうするつもりだ?ってな」

「隆二⋯⋯」

「隆二君⋯⋯」


この2人はずっと前から一緒にいた。絶対に死んで欲しくない。だからこそ2人がこれからどうするのか。それを聞いておきたかった。


「俺は⋯⋯⋯⋯」


海斗は俯き拳を握り締めている。少し言い過ぎたか?⋯⋯まあ、正直どちらでも構わないんだけど。


『彼らの決断台無しじゃないですか』


まあ二人が死ぬようなことには絶対する気がないからな。二人が諦めたら、かなーり恥ずかしいが、俺のスキルを話して、頑張って俺がウロボロス潰して世界に平和を取り戻そうと思う。


『マスターといえどもスキルを持った多くの人間には勝てる保証はありませんよ?』


ああ。そうだろうな。だから二人が戦うことを決めたなら多少は楽になるだろうとも思う。


『⋯⋯結局、どちらが良いのですか?お二人には危険な目にあって欲しくないのでしょう?』


そうなんだが⋯⋯あー、正直な所、まだ俺はどう対応していくべきか決めかねているんだ。


俺のことを、全て話して二人を危険に晒さず一人でいるべきか。

俺のことを、隠して二人を危険に晒して共にあるべきなのか。


極端な話だとは思うが⋯⋯俺はどちらかになるのではないかと、そう思うんだ。


『マスター⋯⋯』


俺はまだ、選べない。だから、二人の選択に俺の選択も一緒に任せてみることにしたのさ。





⋯⋯あと、二人が戦うことになっても、危なくなったらフルフェイス仁美に助けて貰うから問題無いね。


『シリアス感がぶち壊しになりましたね。そして仁美さんが不憫です⋯⋯』


俺の力だ。誰にも文句は言わさん!


『さっきもそんなこと言ってませんでしたか?⋯⋯ですが、確かに仁美さんがいればお2人の安全は確保されたと言っていいでしょう』


だろ?という訳で頼んだぞ仁美!


『いきなりそれだけ言われても分からん、ちゃんと説明しろ!⋯⋯ああ、そういうことか。まあいいだろう、その時が来たら任せておけ』


ライマが説明してくれたらしい。あざす。というか普通に請け負ってくれたな。


『フルフェイスヘルメットを持って巡回し始めた時点で覚悟を決めた』


さいですか。おっと、2人のことを忘れてた。意識を現実に戻すと海斗と理恵が互いに見つめあっていた。⋯⋯何この状況。


『マスターが意識を離している間に2人で話し合っていました。内容は『悩む主人公をヒロインが背中を押してあげた』感じです。既に結論は出ているようです』


わかりやすい説明どうも。そんじゃあ最終確認と行くか。


「返事は決まったか?」


その声に2人はこちらを向く。その顔は何かを決意した顔だった。


「ああ、俺達は、ウロボロスと戦う」

「⋯⋯本当にそれでいいんだな?」

「ああ。今勝てないなら強くなればいい。俺はやっぱり悪人は許せない」

「⋯⋯そうか⋯⋯昔っから変わらねぇな」


本当に変わってない。海斗は昔から正義感が強い。悩むことはあっても、最終的にはやっぱり変わらなかった。本当に主人公みたいな奴だ。

⋯⋯まあ、お陰でコイツの知らない所で俺が色々するハメになったりしたんだが。一度イジメを止めた時とか海斗にイジメが行かないように身代わりになったりしたしなぁ⋯⋯途中で主犯格ぶちのめしてイジメを止めたが。


『彼の後処理をよくやらされてるのですか?』


ほかにやってくれる人いなかったもので⋯⋯っと、思考が逸れた。取り敢えず2人の覚悟は決まったようだし、スキルを隠してサポートする方向で行きますか。


「よし、お前らの覚悟はよく分かった!なら俺も最大限協力しよう!」

「いや、別に隆二まで⋯⋯」

「お前らが覚悟を決めたからってお前らを死なせるつもりはねぇ。だから全力でサポートしてやる!異論は認めん!」

「隆二⋯⋯本当にありがとう⋯⋯」


⋯⋯今思うことじゃねえと思うがこいつすぐ反論引っ込めない?いやまあ、いいんだけどさ?


「隆二君⋯⋯本当にいいの?私達と違って戦いに向いてる能力持ってる訳じゃないのに」

「あくまでサポートだ、お前らの戦い方について考えたり、索敵で怪しい動きをする奴は発見するくらいは出来るだろ?そういうことだけだから大丈夫だ」

「そうかもしれないけど⋯⋯気を付けてね?」

「おう、心配してくれてありがとよ」


理恵の方は海斗よりは慎重派みたいだな。これなら大丈夫かな?

まあいいや、取り敢えずこんな所で話を終わらせるか。仁美、カモン。


『何故わざわざ私を呼ぶんだ⋯⋯』


物語とかだったらここで第三者が話を終わらせる方が自然じゃないか?


『必ずしもそうとは限らないし現実だと不自然だろうに』


とか言いつつ結局来てくれる仁美さんマジツンデレ。


『いい加減に黙れ』


そしてドアがノックされ、仁美が声を掛けた。


「そろそろ8時になるが帰らなくてもいいのか?あんまり遅いと親御さんも心配するぞ?」

「あっ、もうそんな時間か。2人とも、今日はもう帰ったらどうだ?」

「そうだな、話の続きはまた今度しよう」


そして2人は帰って行った。帰り際に仁美に挨拶をしたのだが


「鈴木さん、今日は晩御飯ありがとうございましたー!」

「またいつかお願いしまーす!」


と晩御飯のことを言っていて、思わず苦笑いした。そんな訳でウロボロスに関しての相談は終わった。




⋯⋯さて。この選択が俺たちの未来をどんな形にするのか。俺は、幸せな未来が来ることを願いつつ、布団を被った。

今回も変化ありませんがスキル一覧です。


賢神ライマ

閃雷2

聖光2

心眼2

蒼炎2

自爆LvMAX

竜化2

装甲・腕2

自爆Lv3

分体2 特殊強化

自爆Lv1

覇王バハムート

性別反転

念話

自爆Lv4


※追記:07/26 19:43 に誤字を修正しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ