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主人公は疎開する

全七回予定。第五回。

季節は流れ、春。

〈彼〉は三年生になった。

三年生の生活は特に面白いこともなく、受験へ向かっているのだった。

しかし、その夏。

大戦が勃発し、世界は混沌としていた。

主な参加国は七つ。

中央国家同盟（ちゅうおうこっかどうめい）

今回の戦争を仕掛けた四国の同盟。

独煉聖国（どくれんせいこく）大統領安堂（あんどう）パウル

奴隷制度に支えられる王国。戦場にも奴隷兵を送り込む。

オースドグリー帝国（ていこく）皇帝フランケン・ヨーテリア

獣人族が支配する国。前皇帝が暗殺され戦争のきっかけとなる。

那須楚（なすそ）帝国（ていこく）皇帝フェルメト十四世

長い歴史を持つ帝国。人外の力をもつ兵がいるらしい。

青賀現王国（せいがげんおうこく）国王フェルド・ナンド

他種族との交流が盛んな国。

商会連合（しょうかいれんごう）

ローズシリア帝国を中心とする、経済連合。

ローズシリア帝国（ていこく）皇帝弐戸羅（にこら）　壱星（いっせい）

最大の国土と軍事力をほこる国。内部で革命の兆しがある。

グレネイラ帝国（ていこく）国王ジョージ・チェンバレン

島国が集まって構成されている帝国。まだ秘密がある。

仏堂煌天共和国（ぶつどうこうてんきょうわこく）国王ジョゼフ・フォックス

百年の前の戦争で活躍した国。現在は衰退気味。

これにより、〈学生たち〉は疎開することになり、バラバラになった。

三年後。長期化すると思われていたこの戦争は、新たな局面を迎える。

大日輪帝国（だいにちりんていこく）、米臨冠合衆国（べいりんかんがっしゅうこく）、城華人国（じょうかじんこく）などが、商会連合（しょうかいれんごう）に参加。

グレネイラ帝国（ていこく）の秘密部隊。

仏堂煌天共和国（ぶつどうこうてんきょうわこく）の新兵器投入。

翌年には。

ローズシリア帝国（ていこく）で革命がおこり、新政権が樹立される。

オースドグリー帝国（ていこく）、那須楚（なすそ）帝国（ていこく）、青賀現王国（せいがげんおうこく）の降伏、解体。

そして、独煉聖国（どくれんせいこく）の革命、降伏。をもって戦争は終結した。

数年後、ある人によって疎開した〈生徒たち数人〉が集められた。その中に〈彼〉もいる。

いずれ来るであろう二度目の大戦に備えてーー