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魔法を解く時  作者: 望遠鏡
前編
6/11

早速帰りに、二人に瀬戸くんも一緒に昼食を共にしていいか聞いてみた。

「いや~、そんなねぇ?」

「二人で食べなって!」

まぁ、何と言うか。この返答を予想しなかった訳では無いけれど。

「だからね?何度も言うけど」

とまた同じことを言おうとすると二人に遮られてししまった。

「大丈夫!瀬戸くんからちゃんと聞いてるから!」

「ごめん~、でも私も静江も瀬戸くんの味方だからさぁ」

瀬戸くん、貴方何言ったんですか?よく分からないけど、きっと私にとって良くないことだよね?

っていうかいつの間に。

こういうのは少し困ってしまう。

「でも瀬戸くんって言えばさぁ、今日三条さん瀬戸くん探しに教室来たんだよね」

「あ、そういえばそうだね」

急に三条さんの話に変わった。まあこういうことはよくあることだ。最近、特に三条さんのことに関してはこういうことも多い。

でもこの話には驚いた。

「えっ、そうなの?昨日も瀬戸くん探しに来てたけど……」

瀬戸くんはあの時大丈夫って言ってたけど、大丈夫じゃないんじゃ……。

二日続けて来るってことは結構重要な話なのでは?

「これはもしかすると……凪、危ういよ!もっと頑張らないと!」

「えっ」

「そうだね~、三条さんじゃ流石に分が悪いよ」

「えっ、何?分が悪いって何が?」

二人は溜め息をついて、本人がこれじゃあね~、と言った。

意味が分からない。説明してくれてもいいのに。

でも二人は結局その意味を教えてはくれなかった。


次の日、瀬戸くんに昨日も昼に三条さんが瀬戸くんを探しに来ていたことを伝えておいた。

瀬戸くんは少し顔をしかめて、

「うん。わざわざ教えてくれてありがとう」

とだけ言った。

一昨日からちょくちょく思ってたんだけど、もしかして瀬戸くんって三条さんのこと、好きじゃないのだろうか?

だから昨日も一昨日も避けてたりして…………なんて、考え過ぎかな。

でももしこれが本当だとしたら何故なんだろうとふと思ってしまう。昨日瀬戸くんに聞いても三条さんを褒める言葉しか言っていなかったし、何よりあんなに良さそうな子だ。それなのに、どうして?

そこまで考えて、私は三条さんが誰からも好かれるべき人だと無意識的に考えていたのに気付いた。

万人受けする人なんていない。どんなに聖人君子だってそれは同じだろう。

そんなことはとっくに分かっていたのに、何故そんなことを思ってしまったのだろうか?

そういえば私は三条さんの悪口を聞いたことが無い。有名であればある程、賞賛が大きければ大きい程そういった影も大きいのが普通なのに。あれ程人気な生徒会役員でさえ影では悪口を言われることもある。

いや、考え過ぎかな。うん。

もしかして、瀬戸くんにとって三条さんは相性が悪いのかも。生理的に合わないとか、そういうこともあるよね。

と結論付けて私は考えるのをやめた。

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