表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法を解く時  作者: 望遠鏡
前編
1/11

「凪ー、今日のお昼三条さん誘おうと思うんだけど。どう?いい?」

「三条さんめっちゃ可愛いし優しいし超いいよねー。凪も会ってみれば絶対気に入ると思う!」

「えっ」

私の席に来るなり静江と菜々が唐突にそんなことを言うから驚いてしまった。

元々私は静江と菜々と三人でいつも仲良くやっている。お昼を食べるのも大抵三人だ。だからこういうことは初めてで、少し驚いた。

でも最近二人は三条さんの話ばっかりしていたからよく考えてみればそうおかしい話ではないのかもしれない。

三条さんといえば凄い美少女だし、優しいと評判になっている。進学校として有名な一宮学園(この学校)の編入試験にパス出来るほど頭も良いらしい。これは人気者にもなるよねぇ。

いいよーと軽く返事をしようとして口を開くが、それを遮るように隣の席から声がした。

「ごめんね、でも安西さんは今日俺とお昼食べる約束してるんだ」

隣の席にいるのは瀬戸暁くん。

ニッコリと笑うその笑顔がキラキラしい。流石女子に王子様と呼ばれているだけのことはある。

でも、約束なんてしてないんだけど?

「あっ、そうだったのー?やだーもう凪ったら!早く言いなさいよー」

「ごめんごめん、それなら仕方ないねー」

二人は何を誤解したのか打って変わってにまにまと笑う。だから違うんだって。

「えっ、ちょ、ちょっと違うってぇ……」

何て困ってる内に二人はお邪魔と言わんばかりに手を振って行ってしまった。二人共行動が早すぎる。

それもこれも瀬戸くんのせいだ、と隣を見ると瀬戸くんは困った顔をしていた。何故。

「ごめん、つい」

「ついって何よ~、お昼一人になっちゃったじゃん」

「そっか、じゃあ一緒に食べようよ。どうせ二人にはそう言っちゃったんだし」

非難がましく言った筈なのに瀬戸くんはどこか飄々とした顔付きだ。絶対悪いって思ってないな、これ。

「そっか、まあそうだね。じゃあよろしく」

といっても今更だったし諦め心地で返事を返す。すると瀬戸くんは少しだけ目を張った後、一層綺麗に笑った。

笑顔がとても眩しい。

爽やかというか何て言うか、表すなら正統派って感じだ。これはモテるよ、グラグラきちゃうよ。

「ありがとう」

こっちこそ思いがけなくいいもの見せて貰い、ついお礼を言いたい気分になった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ