表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村人ABCが世界を救う!?  作者: 春夏秋冬月歌
モブキャラ達の物語の始まり《プロローグ》
6/13

村の現実

走り続ける俺だが、村には柄の悪い連中がウロウロしてるだけで、村人らしい村人が見つからない。柄の悪い連中は重装備な為、物々交換したらいいものが手に入りそうとも少し思ったが、相手にもして貰えないだろうという思考でかき消した。

「諦めずに走るか」

二人は村人が見つかっただろうか?あんなにドヤって出てきたのに、俺全然だわ。

俺は仕方なく、もっと危なさそうな裏路地へ向かった。もしかしたら、裏路地に村人が隠れているんじゃないって期待をして。

しかし、そんな期待は簡単に裏切られる。

「うわっ、くさっ…」

裏路地に入ってすぐに、鼻に突き刺さるような鉄の臭いが充満していた。何となくわかりつつも、俺は進み続けた。ここで足を止めてはいけないと、そんな気がした。

しかし、後でそれを後悔することになる。目の前にしたのは想像以上に無惨な光景。

俺は絶句した。そこに広がっていたのは、無数の死体。そこには顔見知りの姿もあった。死体は新しいものから、腐りきって個人を認識出来ないものまで様々だった。

これが今の俺達の村の現実。いや、この世界の現実なのかも知れない。

「魔王サタン、ぜってぇ許さねぇ」

今までは勇者に対する憧れが強く、まだ見ぬ人々に出会うことにワクワクしていた自分がいた。けど、そんな浮かれてる場合じゃない。一刻も早く魔王を追放しなければ。さもないと、これ以上の人が死に、そのうち世界が滅びる。俺の心には、魔王に対する憎しみと復讐心が募った。

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

その時、奧のほうから女の子らしい悲鳴が聞こえてきた。また、誰か殺された?いや、まだ助かるかも知れない。俺の足は勝手に悲鳴のほうに走り出していた。もしかしたら、助けられるかも知れない。俺の頭には相手が強さとかそういうものはまるで考えていなかった。ただ、一人でも多くの人を救いたかった。

だから俺は走っている。あの死体の山を見たくせに、あの死体の山の一部になるかも知れないのに…。でも、俺にとってはそんなことどうでもよかった。もしもそれで女の子だけでも助けれることが出来るなら、それはそれでありだと思ってしまうようなやつであるから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ