モブキャラ、勇者を目指す
初めて小説になろうよに投稿させていただきました。僕の作品では、初ファンタジーで、普段ゲームとかをやらないので、正直よくわからないところも多々あるかも知れないです。ですが、僕なりに一生懸命書かせていただきます。よろしくお願いいたしますorz
ХХХ年、この世界は魔王サタンに呪われ各国々が機能を停止し、魔王が全てを統一していた。人々は飢えに苦しみ、死んでいく。そして、魔王に反発したもの、魔王の気に入らないものは即死刑。そうして俺も両親を失った。こんな世界を変えるのに魔王を倒す勇者が必要だ。そう、俺の夢は勇者。母さんと父さんの復讐をし、魔王を倒して世界を救う。そして俺は世界の英雄となり讃えられる。その後はパラダイスだ。可愛らしい女子に囲まれ、酒を浴びるように飲む。美味しいご飯に金銀財宝。
「やべぇ、勇者なりてぇ…」
そう口走ったのが最後だった。俺は幼馴染み兼飲み屋の従業員のミィリィアに思いっきり蹴られた。それはまるで勇者の持つ剣で足を貫かれたかのような痛さだった。
「いってぇ、何すんだよミィリィア!!」
「何もこうもないわよ、早く仕事しなさいよ」
勇者になりたい、そう願う俺だが、実際には親から継いだ飲み屋のマスターでしかなかった。で、一応今仕事中ってことになってる。飢饉のせいで、飲み屋に客が入ってこない。する仕事なんて特にない。
「んなこと言ったって、何すりゃいいんだよ」
ミィリィアだって、特に何もしていない。今働いているのは俺の妹のガーネットが、誰も来ないテーブルを拭いている。
「やっぱさ、勇者になりたい。勇者になって世界を救ったら、こんな生活抜け出せるんだぜ?」
ろくに飯にもありつけない、こんな生活が苦しくて仕方なかった。でも、それ以上にあるのは勇者に対する強い憧れ。俺が世界を救うと言う願望。
「あんたね、そうやって魔王に逆らった馬鹿が今日で何人死んだと思ってるの?大体、あんたには武器も装備もないでしょ?私達平民は、魔王を倒す勇者を待っていればいいのよ」
俺は自分自身が勇者になりたかった。勇者とは男の憧れ。
「俺が世界を変える!!武器も装備も何とかすればどうにかなるよ」
「何とかって何よ?」
その何とかが思い付いてないから何とかなのだ。ミィリィアは文句ばかり、正論だけど。見た目と胸だけはいいのにすぐ怒るすぐ殴るで最悪だ。
「だけど、この生活を続けてたら、私達このまま死んじゃう?」
テーブルを拭き終わったガーネットが、布巾を持ち、こちらに向かってきた。さすが俺の妹よ、よくわかっていらっしゃる。
「ガーネットまで勇者になるとか言わないでよね?こいつが勇者になりたいって言い出したのは別に今日って訳じゃないでしょ?こいつの戯れ言なんか放っておけばいいのよ」
さっきまでは妹もなれたらいいけど、私達モブキャラだしみたいなこと言ってたけど、どうやらガーネットもその気になったようだ。
「少しだけ戦略思い付いたからさ。お兄ちゃんの役に立つかはわからないけど」
そういうとガーネットはその可愛らしい顔に似合った可愛らしい笑顔を浮かべた。
「おお、さすが我が妹」
これでこそ次期勇者の栄光を手にする男ローレンの妹だ。それに比べて役立たずの幼馴染みミィリィア。なんだこの差は。
「これから店閉めて作戦会議をしようじゃねぇか」
俺が勢いよく机を叩くと、ミィリィアが俺の頭を勢いよく叩いた。
「あんた何考えてんの!?店閉めて?冗談じゃないわよ。後、机は丁寧に扱え。壊れる」
「店開けてたって収入変わらない」
正論を言えない俺の代わりにガーネットがミィリィアに対抗してくれる。さすがにミィリィアもガーネットに暴力を振ることはないから、この光景を安心して見ていられる。
「そんなに勇者ごっこやりたいんだったら、あんた達で勝手にやってなさいよ。私、絶対サタンに逆らって命失うなんて馬鹿なことはしないから」
そういうと、ミィリィアは奥の倉庫に怒りながら入っていった。