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ビリーブエンジェル  作者: 桃井雪
8/12

隔離。裏切りの影に注意せよ

目を冷ますと、頬に柔らかな木漏れ日の光が当たっていて暖かい。


(ここは...どこだっけ...?)


ふと、そんなことを思った。

どうしてここにいるのか...なんでこうなったのか--------。


「...っ!!?」


イアは急いで体を起こした。

辺りはさっきとは別世界のように明るかった。

鬱蒼としていることに変わりはないはずなのに、ここだけは取り巻く世界が違うかのようになっていた。

そしてイアの側には、そびえ立つ大きな大樹。

...まぁ、とりあえず。


「ここどこぉーー!!?」


叫ぶしかないだろう。


「な、何でこんなとこ...っ!てか、プルフルは!?私一体どうなって----」




「ああ、目が覚めたんだ」




突然聞こえた声。イアは--------。


きょとんとした。



「.........え?」



「無事でよかったよ。怪我してない?」


そっと、イアの近くまで近づいてくる1つの影。

イアは、それから目が離せなかった。


その足音、その声、その影----。

すべてから、目を離すことができなくなった。


やがて影は、イアの側にあった大樹の側を通り、真っ直ぐイアのもとへ歩いてきた。


----こんなことが、あるものなのか...。


「久しぶりだね、イア」


柔らかな笑顔は、いつまでたっても変わっていなかった。

そう。たとえ、1年もたっていようと----。




「み、ミカエラ、様......っ!?」




イアの目の前にたっていたのは、ずっと探し求めていた相手----。

大天使、ミカエラ。


「ど、どどどどうしてここに!?」


動揺の隠しきれないイアに、ミカエラはまた、柔らかく微笑んだ。


「いろいろと事情はあるから、順に説明するつもりだけどさ----。イア、もしかして、俺のこと探しにきてくれた?」


ミカエラの言葉にイアははっとした。


「は、はいっ!あの、ミカエラ様!今、天空界が大変なことになってるんです!すぐに天空界へお戻りください!!」


イアかここへ来た当初の目的ではないが、プルフルより今はこっちのほうが大切だ。

イアが必死に言うと、ミカエラは----。

気まずげに笑った。


「ミカエラ様...?」


「悪いね、イア。実はさ......俺、この森から出られないんだ」


「.........え?」


「イア、きっと...君もここからでられない。この森には対天使用の結界があるんだ」


一瞬、思考が止まった。


「.........でられ、ない?」


「...あぁ」


苦々しく言うミカエラ。それが嘘じゃないんだと、嫌でもわからされた。


「そんな...なんでなんですか!?結界って...対天使用?なんですか、それ...」


「落ち着いて、イア。ちゃんと説明するから」


ミカエラの言葉にイアはうなずくことしかできなかった。

混乱する中、ミカエラの声よりも、自分の心臓の音のほうが大きく聞こえた。


(............雷雨)


こんなとき、なぜか浮かぶのは、そんな言葉だった。

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