第9章再び北海道へ
(私が犬のbooで、主人がakakageなんですが今後はbooが投稿します。よろしく)
兵庫県とか、京都府が日本海に面していること、知らない人多いよね!
人間思い込みで、此の辺は影も薄いからしかたがないか。
と思いながらぼちぼちと兵庫を過ぎて、日本三景のひとつ、天の架け橋「天橋立」まで来た。
此処は、主人が新婚旅行に来たところで、あまり思い出したくなさそうだ。
さっそく車から降りて天の橋立ビーチ周辺を散歩、途中、天の橋立名品の智恵だんごを初めて口にしましたが、タレがとても濃厚で、美味しかった。
(僕は主人の食べる物は、キムチとバナナ以外は何でも食べますので)
僕は、キャンピングカーで留守番でしたが、主人は「股のぞき」で知られている、展望へはモノレールで移動して行ったそうです。そこでの展望は絶景で、天の橋立が一望でき、せっかくなので、股のぞきも初体験したそうです。
展望から下までは、リフトにチャレンジ!してこれまた「絶景でしたよー」とのことでした。
(実は記事の中では、「亜紀」となっていますが、主人と日本を回った人の名は、此処で食べた団子と同じ名前でした。主人と別れて6年くらいになりますが、先日結婚が決まったと聞かされました。
僕を子供のように可愛がってくれた人、大好きでした。貴方と過ごした日々は、僕にとって大事な思い出となりました。ありがとう!そして誰よりも幸せになってください!)
最近は、北朝鮮拉致問題で有名になった小浜を通り、エンジェルラインに向かう。
この当事は、主人は能登に生まれたのに拉致問題は知らなかった。
地村保志の父、保さんがマスコミに出るようになってこの問題を知ったらしい。
能登でも、生まれた隣町で僕の主人に歳も近い寺越武志が拉致されていることを考えると、主人も拉致被害者になる可能性は十分あった。
寺越さんの家族は、母親と武志の兄弟とは意見が違うようだ。母親はこのままでも良いと言う考えを持っているが、兄弟はあくまでも拉致として考えているようだ。
母親は何度も北朝鮮に行き、武志さんと会いっている。会えなくなることを考えるとこのままでもと考える気持ちは、痛いほど解かる。
そんなことを考えると、横田めぐみさんの親は強い人達と思う。絶対にめぐみが帰るまでは、自らは北朝鮮には行かないという姿勢には頭が下がる。
最近、横田めぐみさんの夫とされる韓国人拉致被害者、金英男さんが、北朝鮮で韓国の家族と面会したことが報道された。
映像では、めぐみさんの死を語る金英男さんの顔の表情が無かったのが印象に残る。
金正日の独裁政治が終わらないと、この問題の解決は難しいと思う。
100基ほどのミサイルが既に日本に向けられている今、主人を含んだ貴方達は今後どうするんですか。
エンゼルラインから見る小浜は美しい、海の中には生簀のイカダが沢山浮かんでいた。
一度国道に戻り、レインボーラインへ向かう、三方五湖が見える展望台に立ち、5個の湖と海とを見ていると、ここが日本と思えなくなってくる。
この場所は、金沢からも近く主人と何度も来た。もう隣の県まで戻って来たんだと、急に思った。
金沢に帰りたいと主人が言っていたのに、レインボーラインを降りると常神岬に向かった。
人間の考えていることは、理解できない。
細く曲がりくねった海岸道路を進み、行き止まりの村に着いたときは暗くなっていた。
主人と亜紀は、食堂を見つけ僕を残して行ってしまった。
仕方なく僕は寝ることにした。何時ものソワァーで寝ていると主人の足音がしので、出迎えると散歩にいこうというので外に出た。
海は漁火で、そこに町があるようだった。本当に綺麗だった。
僕はリードをされた事が無い!
主人はリードを持っているが、散歩の時僕のクビには繋がない。それは僕が主人に気を使い並んで歩いてあげるからだ。
二人は、陸に上げてある小船の中で寝そべり、話し出した時も僕は自由にその辺の臭いをかいていたが、話声は聞こえてきいた。
始めは金沢へ帰った時の話から、亜紀の身の上話になった。
亜紀「私の父親は、3回結婚したの」
主人「そうなんだ」
亜紀「3人とも別れたけど!私は母親の顔も知らないわ!」
主人「そう・・・・・・」
亜紀「私は一番初めの妻の子供よ」「3番目の妻には男の子が生まれたの!可愛かった。」
主人「ふーん」
亜紀「こんな小さな手で、柔らかな肌で!」
主人「赤ちゃんの肌って、本当に綺麗だよね!」
亜紀「その子を1年間育てたの、私!小学5年生の時よ!」
主人「なんで?」
亜紀「母親は子供を残し、家を出て行ってしまつたし、父親は長距離の運転手で家を長く開けるし、私しかいなかったの!」
主人「それはすごいね!」
亜紀「父親が電気のお金を、払うの忘れてて、・・・・・・・私、お金は預かってたけど、どうしていいのか分らなくて、ろうそくで3日間くらしたことがあったわ!」
主人「・・・・・・・・・。」
亜紀「あの時、夜怖かった。今でも暗くして寝れないでしょう。」
主人「キャンピングカーは、バッテリーなくなるからやめて!って言うのに止めないものね!」
亜紀「学校に行けない私を見て!父親は、母親に男の子を返すて言ったの!」涙
主人「・・・・・・・・・。」
亜紀「私は、泣いてお願いしたわ!なんでもするからって・・・・・・・。」涙、涙
主人「・・・・・・・・・。」
亜紀「母親の実家は、北海道の留萌、留萌の駅で母親に渡した時のあの子の顔、・・・・・・。あの子も私の手を離そうとしなかった。」涙、涙
主人「今その子は幾つになるの?・・・・・・・・・。」
亜紀「今年高校を卒業して、札幌に働いているという、噂を聞いたわ!」
主人「何故北海道行った時言わなかったの・・・・・・」
亜紀「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。住所も分らないの?」
主人「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
主人「亜紀!北海道行こう!」
漁火の数は多くなり、海は光る宝石を撒いた様だった。
朝早起きして、敦賀のフェリー乗り場に行った。
小樽行きは、夜9時出発ということだ。主人は何故か北陸高速の敦賀ゲートを登った。
フェリーだと、時間も金額も徳なのに理解に苦しむ主人だ。
この道は何百回と通った道だ。車窓から見える景色は、懐かしい物ばかりだ。
海沿いを走っている高速は、金沢に近づくと市内の脇を通る。高速からは金沢市内が一望できる。(写真、高速の向こうに立山が見える)
主人は、それでも北へ向かって走り続けた。
キャンピングカーが止まったのは、富山県を通り越し、新潟県の名立谷浜SAだった。
高台のSAからは、薄暗い海が見えた。
主人と散歩している間に、亜紀が食事を作っている。キャンピングカーの中で、「ほねっこ」というお菓子を鼻の上に乗せて、これを下に落とさず食べる練習をしている内に食事ができた。
僕も主人と同じテーブルで食べる、主食はドックフードだけど、野菜や肉を入れて亜紀は煮てくれる。これが美味いんだ。
一瞬で食べて後は主人の食べている物を貰うんだけど、人間の味付けは濃くて食べれないので、テーブルの上に、僕専用のボールに水を入れてあり、それで洗って食べるんだ。
さー明日も北海道に向かって走るぞ!
あれーもう主人は寝ている!
「新潟県て、長いなー」「山形県て、広いなー」「秋田県て、道悪いなー」と主人は言いながら、走り続けて、青森には、敦賀を出発して3日目の夜だった。
夜のフェリー乗り場の駐車場には、車は僕らのキャンピングカーだけ止まっていた。
亜紀は遅い夕食を準備し始めた。
僕と主人は、ほねっこの練習、99%の成功率になっていた。
次に主人が考えたのは、何処かの猿を見て「反省!」と言う動作だ。主人が「反省!」と言ったら、主人の座っている膝に片手を乗せて、頭を下げるのだが、なかなか頭を下げる事ができない、10回ほどしたら主人は飽きてしまい「馬鹿犬!」言われた。
絶対にできるようになってやると決意!
今日の夕食は「すき焼き」肉は洗ってもらって食べて、ビールも飲んだ、満足!
食べたら眠くなってしまった。
主人と亜紀は北海道の地図を広げて、遅くまで話しこんでいた。
ウトウトしながら所々聞こえてきた。
主人「留萌の実家は分るの」
亜紀「駅から歩いて帰ったから、そんなに遠くないのではないかなー」
主人「再婚している可能性もあるよね!」
亜紀「そうよね!」
主人「知っていることを整理しょう!」
と言ってノートを取り出した。
主人「旧姓は分るし、下の名はと、実家は留萌の駅の近くだけか!書くほどでもないね」
亜紀「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」溜息
主人「何とかなるさー!」