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第6章九州その3

部品も付けて、さー 出発!

小さなグランドキャニオン、国道218号線の宮崎日之影町の風景を見て驚いた。

平野だと思って走って、橋を渡る時下を見ると何百メートル下に河や町が見える、目を上に上げると平野だ、大地の侵食の2段階、河が出て侵食して風食の前の状態だ。

日本にこんな場所あるのだと、驚き下へと行く。

下の道は旧道で上の国道とはスゴイ違いがある。降りて行くともちろん両サイドが高い崖だ。

日之影と言う名の由来も分るような気がした。太陽が真上に来ないと光が当らない感じだ。

鉄道(高千穂鉄道、現在は昨年の台風の災害で復興のめどがたたないらしい)沿いに走ると日之影駅があり、駅の上に温泉があった。これも珍しい日本でここだけと思う。

2階の露天から見下ろすと電車の乗り降りが見える、これって相手からも見えるはずだ。

町を散歩すると役場の前からはるか上に国道の橋が見える、ここは不思議な街だ。

思わずスケッチブックを取り出した。


止まり癖がついてしまつた。

熊本に入り運転するのもイヤになり、高千穂から阿蘇方面に向かう途中ある奥阿蘇キャンプ場に入るがお客は僕らだけだ。

こんなに大きいキャンプ場は見た事が無い、場内を散歩するのに1日はかかりそうだ。

管理人は親切で、管理塔の風呂も貸してくれた。

標高670mの奥阿蘇の空気は清々しく、昼は祖母山、高千穂、九重連山、阿蘇根子岳が見渡せる。夜は星が綺麗だった。

この広い素敵な場所が、僕達だけの世界だ。

昼に近い朝に起きて温泉に入り、キャンピングカーに戻り食事の準備をして、食事の後はぶーとの散歩、夕食を食べて又温泉に入る。

夜は借りるのに難航したが、レンタルビデオ鑑賞、特に高森温泉館は駐車場も広く高台だったので、眺めもよく4日間滞在した。

ゆったりしたのに阿蘇の時間の流れは速かった。



身体がふやけるくらい温泉に入ったので、中岳の火口行くことにした。根子岳・高岳・中岳・烏帽子岳・杵島岳の5つの山を阿蘇山と言うらしい、大きな火山活動が起きて大カルデラが出来て、カルデラの中で噴火が始まり誕生したのが阿蘇5岳、5岳はお釈迦様の寝姿に似ているらしいが、何処から見ても見えなかった。

カルデラの中に町や村がある訳だから、不思議な感じがする。世界でここだけではないのだろうか?


火山博物館での火口カメラを実際に操作して火口の中を覗いて見ることができるのはスゴイ! 博物館隣 のお土産屋さんがあり、火山と関係ないと思うけどオルゴール館があった。長い時間見て回って結局買わなかったが、他の店で焼肉用の溶岩のプレートを買った。

草千里ヶ浜を散歩すると、爽やかな高原の草の臭いと風が心地よかった。

ぶーは赤牛を追っかけるのに必死だったけど。


登山道を上る時も見えた、緑のペンキをかけたような色の「米塚」は草千里下の草原にある可愛い小山、昔々 健磐龍命たけいわたつのみことが、収穫した米を積み上げてできたことから「米塚」という名前が付いた。

頂上のくぼみは、みことが貧しい人達に一つまみ米を分け与えた名残だとのこと。阿蘇の神様は大きいんだ。

ミルクロードに向かう、阿蘇の外輪山と久住高原の間に広がる高台を東西に横切る快走路だ。周りには草原と牧場が広がっている。

視界を遮るものが何もないので、360°の展望台を走っているような気になる。

カルデラの中が一望できるその風景は、九州の真ん中、ヘソって感じだ、自然が作り上げたにしては模型のようだ。



阿蘇を楽しんだ後、天草に向かった。

美しい天草パールラインのいくつかの橋を渡り「天草四郎はなぜ前髪も落とさないような若さで人の上に立つ事ができたのだろう」と考えながら走っていたら、道路が工事中だったので横道に入った。

だが、途中で道に迷ってナビにも出ていない道に入り込んでしまった。

キャンピングカーがやっと通れるほどの狭い道で両脇には見渡す限り椿の木があり、小枝が時々あたるので慎重に走った。

椿の花をよく見たのは初めてで個々の花は可憐だがこれだけ多いと真紅の血が広がっているように見えて異様に感じた。


後で調べたところ西平椿公園のどこか裏の道を通ったようだ。

椿と言う字は木に春と書く、もう春だ。

そのまま走っていると、NTTのアンテナがある高台に出た。

キャンピングカーを降りて海側の丘の上に登ると、そこは何百mもの絶壁で眼下にブルーの海が広がっていた。

名も無いこの場所だが、九州の風景の中でも脳裏に強く刻まれた場所となった。


天草からフェリーで鹿児島県長島へ、急ぐ旅でもないのに大口市で銭湯に入った以外は走り続けました。

えびの市からえびの高原を目指しました。

えびの高原の夕日は綺麗でした。坂本竜馬も新婚旅行の時この夕日を見たのでしょうか?

どこからが生駒高原か分らなかったが、菜の花が満開で黄色の世界は空の青と雲の白は相性が良く、キャンパスに描く前に目の中で油絵になっていました。

生駒高原で店の名前は忘れたのですが、ボタン鍋を食べました。

食べながら窓の外を見ると、イノシシがいっぱい飼われていました。それを見て「僕らのために一匹亡くなったのかなー」と思うと、ゼンゼン箸が進みませんでした。


小林市中心地から国道265号線を須木村の方に約4kばかり行った浜の瀬川の中に立っている夫婦岩(陰陽石)と呼ばれる2つの奇石がありました。霧島火山帯の溶岩が造り出した自然の妙技ですね。

近くに陰陽石神社がありました。そこには5mくらいの男性の○○○があり、触ると子宝が授かるらしいですが「もう子供いらないでしょう」と思われる女性も触っていました。


お土産屋におとなのオモチャが堂々と売っているのにも驚かされました。

「男女和合愛の資料館」は温泉街の秘宝館のようなものだと思いますが、変なポン引きの兄ちゃんいたので入るのは止めました。


陰陽石の上流には三之宮峡があり、遊歩道には青の洞門風のトンネルが多数あり、散策にとても良い場所でした。


正式名称は別府阿蘇道路、通称やまなみハイウェイ。ハイウェイといっても高速道路ではありません。

阿蘇郡一の宮町から大分県の国道210号線水分峠までの約52kmの有料道路(平成6年に無料化された)景観森林と湖、広大な草原、久住連山と阿蘇五岳、何処もがビューポイントでした。

ペンションに一泊しょうと思い、やっと見つけた山小屋風の3階建て一軒家のペンション「こんにちわ、ごめんください」誰も出てこない、ドアは鍵がかかっていなくて開く、電気もつけたまま、中に入って3時間待ったけど、夕方になっても誰も着ませんでした。

だんだん気持ちが悪くなって逃げるようにその場を離れました。今考えても不思議!あの家の人何処へ行ったのだろう。


最近の湯布院は人気があるが、10年前はそうでもなかったようだ。綺麗な緑に着飾った由布岳を左に見ながら長い坂道を下って行くと温泉の町湯布院があった。

町もひっそりしていて小さなお土産屋が何件かあり、お土産屋の看板娘と談笑した後、金鱗湖に向かいました。

金鱗湖脇に建つ無人の共同浴場(下ん湯)があった。藁葺き屋根の風情ある建物の入口を入るとすぐに縁の木で囲まれた浴槽があり、床は石が敷き詰められていてひんやりと冷たい、足を湯船に入れると意外と熱かった。

内湯の外側にもうひとつ横長の湯船があり、半分屋根の外に出ている半露天風呂があった。屋根の表へ出て立ち上がると金鱗湖が見えた。


朝キャンピングカーから出てみると、金鱗湖一面朝霧が立ち込めており、朝日に照らされる朝霧は幻想的でした。



鮮やかな緑に染まった由布岳の肩上を走るようにして、別府に向かう。

途中で盆地の中の湯布院が絵葉書の様だった。別府の町までの道は曲がりくねった坂道を永遠と下って行く、走るのも飽きてきた時、銭湯を見つけた。

狭い駐車スペースにキャンピングカーを無理やり押し込み銭湯に入った。銭湯の窓から三角の茅葺の屋根が見える、明礬温泉の湯花を作っている小屋だろう。


国道500号線をもう少し下ると、別府の町に大きな船が横付けになっている風景が一望できた。

今日は旅館に泊まろうと思い、何件か回るのを覚悟で一件目を尋ねると運良く空いていた。

部屋が10階だったので別府港がきれいに見渡せる。早めに温泉にゆっくり入り、お酒をカンしてもらいチョビチョビ飲みながら、光が段々多くなる夕日の港を眺めた。


明日は地獄めぐりはやめて高崎山を見て、思いで多い九州を離れるつもりだ

高崎山を見て、別府からフェリーに乗ったのは午後1時くらいだった。

約7ヶ月くらい九州にお世話になった。

離れていく別府港を見ながら九州での出来事が頭の中をスライドしていった。九州の大地とお知り合いになった人達、素敵な時間をありがとう


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