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第4章九州その1

・コンビニ弁当

門司ICを降りるとき、料金所のおじさんが事務所まで来てほしいとのこと、広島から1週間もかかっている事がおかしいと言われ、主人は説明するのに1時間、最後は笑って別れたが、初めは大きい声を上げていた。

常識で考えられないかもしれない。

199号〜495号自衛隊を見ながら3号線に入り、宗像市というところに来た。最近派手なパチンコ屋の建物を見ると入りたくなる。

「亜紀! 勝ったら焼肉負けたらコンビニ弁当だ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

コンビニの弁当になった。




・ピー子の家出

3号線を福津市、古賀市抜けて福岡に入った。

博多湾の堤防の役目をしているように細い半島が出ている。神奈川県の江ノ島か、天橋立のような感じだ。


先端の島は志賀島という。

志賀島までの道は両脇が海で、「漢倭奴国王」の金印が発見された島らしい。


休暇村の駐車場にキャンピンカーを止めた。

辺りは松林が多くひっそりとしていて、人一人見えない。

主人と松林の中を散歩していると、風で松の揺れる音だけが聞こえてくる、なんとなく心が安らぐ。

福岡市内からそんなに遠くないのになんと静かなところだろう。


しかしある事件が起こった。

ピー子も少し飛べるようになったので車内の上の方に止まり木を付け、鳥かごの入り口はいつも開けてあった。

自由に鳥かごに入たり出たりしていた。

僕がトイレのため、主人がドアを開けたとたん飛び立ってしまった。

一度松の先端に止ったが見えなくなってしまった。

「ぶーお前が悪いんだ!探せ!」と主人。

僕もオロオロ。

3人で・・・・・・・・二人と一匹で夕方まで探したが、見つからなかった。

戻ってくるかもしれないと思い、主人は管理のできなかった自分を責めながら、この場所で2週間ほどいたが、とうとう帰ってこなかった。




・屋台

シーホークの近くのももち海浜公園にキャンピングカーを止め、夜有名な福岡の屋台にどうしても行きたくてバイクで出かけた。

僕は主人の肩に前足を乗せて亜紀にうしろから抱えられてバイクに乗った。

風か気持ちいい!


屋台に入ると、板前のおやじが妙に暗い感じで、動作も覇気がなくのったりしている。活魚料理の板前はいつだっていきいきしていないとね。

調理場でただ一人元気なのはねじり鉢巻をした韓国のオモニ(おばさん)で、どうやらオーナーかその関係者のようだ。

このおばさんが、従業員に任せないで一人で一手に会計も担当している。

従業員から渡された伝票を見ながら電卓でパタパタ叩き、従業員に金額を言い、金銭を受け取り、つり銭を返す。

このおばさんがネックになって、会計の客が待たされている。

おばさんは刺身以外の調理もしていて、客からの金を受け取り、つり銭を返し、そのままの手で生野菜を切ったり、サラダやお新香を盛ったりする。

さすがに刺身を切ったりはしないが、手を洗わないのはもちろん、ふきんで拭ったりもしない。

「ぶー行くよ!」

主人は早々に店をでた。

せっかく楽しみにしていたのに、なんだか中途半端なすっきりしない気持ちだ。


屋台をハシゴすることにした。

行列のできている屋台があった。いずれもガイドブックで常連の博多ラーメンの屋台ばかりである。

やはり屋台はラーメンにはじまり、ラーメンに終わる、ということなのだろうか。


冷蔵ケースに鮮魚が整然と並べられた、きちんきちんとした屋台に入った。

髪をきれいに整えた上品そうな和服のおばさんがいる。天ぷらや、牛タンのステーキや、ひらめの刺身や焼き魚まであるかなり本格的な屋台である。

会計はつきだしの料金までとられて結構な値段だった。店を構えたそれなりの飲み屋と同じような値段である。

これなら別に、わざわざ屋台で飲まず、普通の飲み屋でもっとゆったりと飲んだ方がいいのではないか、と思ってしまう。

福岡の屋台はガッカリだ。




・虹の松原

202号線を走って行くと、唐津市に入る。真直ぐな道の両脇が松並木、虹の松原だ。

途中茶屋があり、キャンピングカーを止め松林を抜け渚まで行ってみた。

能登の田舎の増穂ヶ浦を思い出す。


僕は、はしゃいで海に入ったらいけないと主人に言われたのに、ジャブジャブ。

後でシャンプーをしながら亜紀に怒られた。


僕は泳ぎが得意だ。金沢にいる時夏になるといつも海に行き、夕暮れまでボール遊びをした。

1mくらいの波でも、平気で飛び込んで行く、その事を思い出した。




・アニメの世界

陶器で有名な伊万里市を抜け長崎県に入る。

瀬戸内海を思わせるような、海には大小の島が点在する海岸線を走る。

平戸大橋を渡り、平戸市に入った。

おもちゃの町と言うか、誰かが手のひらの中で町を作ったような,教会、石畳の坂道、レンガの家々、魔女の宅急便の女の子が飛んでいるような、平戸の町は宮崎駿のアニメの世界だ。

キャンピングカーがギリギリの狭い路地を抜けて行くと、古いレンガ作りの喫茶あった。

店内もオランダの臭いのする風格のある家具が、何気なく置いてある。

コーヒーを飲みながら(僕は氷)、海と町並みを見ていると、一度ここに住んでみたい心境になった。




・最西端

長崎県小佐々町は日本本土の最西端だそうで、最西端の碑から少し上に登ると小さな展望公園があり、ちゃんと地球の丸さも表現されたミニチュア日本列島があった。

それぞれのところには説明書きがあり、ここもそのひとつだとアピールされていた。

そして、そこの自治体同士の「四極交流盟約書」なるレリーフもあつた。

最東端:根室市・納沙布岬  最西端:小佐々町・神崎鼻  最南端:佐多町・佐多岬

最北端:稚内市・宗谷岬  このお金の使い方はいいと思う。

風が冷たかったが長い時間をかけ、レリーフを見ていた。


佐世保に着いた時は暗くなっていた。アメリカ軍基地だけはクリスマスの準備なのか色とりどりの電球を飾り付けてあり、すごく綺麗だった。

誰もいないハウステンボスの駐車場にキャンピンカーを止める。




・ハウステンボス

ハウステンボスの運河を回るカナルクルーザーの船長と写真を撮った、亜紀は1日中はしゃいでいた。

女の子はディズニーランドとか、こんなところが好きなようだ。

季節によって色々な花が咲いているようで、12月はパンジーが咲いていた。

風車の前のパンジーの花畑は見事だった。コストがかかっていそうだ。

夜のショーは華やかで、花火も綺麗だった。

観光丸は当時の観光丸が使用したものと同じ材料を使っており、建造は鉄と木を組み合わせるコンポジット方式を採用。

船体、船室、キャビンなどの彫刻も当時のままに再現されているらしい。

主人は「勝海舟、榎本武揚など幕末の俊英たちがこの船で学んだと思うと胸が熱くなる」と独り言。

隣のリゾートの価格を聞くと,一戸建て3LDKで5千万円ほどだそうだ。

運河に面していて、どの家も桟橋がついている。

ハウステンボスよりこのリゾートが見える場所を選んで見て回った。

:結論は、立地的とか色々考えると、どうなのか?疑問だと思った。

主人はお金もないのにそんなこと考えていた。


大相撲の大乃国が家族で来ているのに会った。

疲れているようで、僕の座っているベンチに座りに来た。

大相撲フアンの主人は良く知っていたが、知らないふりをして世間話をしていた。




・オランダ村

歌で唄われていたのか定かでないが、西海橋は知っていた。

西海橋を渡り、長崎オランダ村に行く。


オランダ村は2001年10月21日に閉園したらしい。これで行った所で潰れたのは、北海道の広尾町の水族館と二つ目だ。

しかしここは「マネーの虎」の小林社長が、「CASビレッジ」という、レストランやウエディング、インテリアショップ、ワイン博物館、食を題材にしたアミューズメントテーマパークをオープンしたらしい。

しかし半年ほどで自己破産してしまいましたそうで、地元の人や債権者に反感をかっているそうだ。

僕個人は、小林事務所の企画「庵」は素晴らしいと思っていただけにショックだ。

長崎オランダ村と長崎バイオパークどちらを先に行ったのか忘れてしまい、地図を見るが長崎オランダ村は何処にも無いことで、この事がわかった。

対岸のウィレムスタッドにシャトルクルーザーで渡る、長崎オランダ村はハウステンボスより好きだった。



・チャンポン

長崎市内に入る前から国道横の店ののぼり旗に、「長崎チャンポン」が目に付くようになってきた。

僕はチャンポンを食べた事が無いので食べてみた。

・ ・・・・・・・・・・・・・僕には合わない。


主人は長崎には高校の修学旅行で一度来た事があるそうだ。


平和公園、大浦天主堂、グラバー亭など見て歩く、

主人は高校の時と時間がスライドして、高校時代に戻ったような錯覚をしている気持ちのようだ。

主人「何も考えていなかった、あの頃がなつかしい。」


キャンピングカーを駐車する事がかなり困難だった。

駐車出来ても目的地まで遠く、今日一日歩き疲れてしまった。




・硫黄

雲仙から島原と普賢岳を見ながら半島を251号線で1周する。

普賢岳の火砕流の後は、言葉に表わす事が出来ない。自然の力を実感せざるを得ない。


主人が畳の上で寝たくなり、小浜温泉に一泊。

シーズンオフで誰もいなく主人達だけだった。

僕はキャンビングカーの中で一泊。

寂しいから今後はやめようよ!


風呂は硫黄の臭いがきつく、あまり好ましくなかった。

外に木で作ったトイにお湯を引っ張っていて、布を詰めて女風呂と男風呂に分けている。

なんと原始的だ。男風呂にお湯の入りが少なかったので布を調整しようと思ったたら、お湯が全然入ってこなくなり、どうにもできなくなってしまったと、主人からの報告。


ただ夕日は綺麗だった。



・お猪口と徳利

国道沿いの有田焼の小さな店に入る。

50過ぎのおかあさんが店番していて、方言交じりの言葉でよく話しかけてきた。

ただいやみが無く、あまり商売家もない。

なんとなく居心地が良かった。

有田焼は石川の九谷焼に似ている。派手な色使いはあまり好きではない。

主人はあまり買う気が無かったのだが、地味なものを選び、お猪口と徳利を買った。

娘が鹿児島の桜島にお嫁に行っているそうで、その娘が送ってくれた火山灰がかかったミカンを貰った。



・殿様の湯

朱色の派手な浦島太郎が行った所のような門がある。

名は武雄温泉、大衆風呂の奥に家族風呂があったので、主人は亜紀と一緒に入ろうと言うことになり、奮発して一番高い「殿様の湯」に入った。


どうでしたか!お風呂は!

主人「案内されて、「殿様」とか書かれた大きな木の札が付いた鍵で開けて入ると、臭い自体が江戸時代の畳の部屋がいくつもあり、風呂は20段ほどの階段を降りると、天井は中国の絵巻のような物が書かれていて、とにかく何処で服を脱いでいいのかわからないくらい広くて、裸になると寒くて身体も洗わず湯の中に入ったんだ。

係り人に後で聞くと、本当に昔ここの殿様が入っていたとのこと、女をはべらして入っていたのだろう。しかし落ち着かなかった。

お湯はチョット白く、のりの中に入っているようにヌルヌルする。ヌルヌルしたお湯好きなのだが、ヌルヌルしすぎる感じだ。

お湯から上がったら真水で洗いたいと思ったよ。」




・雪

主人は今「黄門ちゃま」はまっている。

有田で主人達はむ朝1万円のカード買ったら無くならない内ドンドン出て、次の日もと言うことになった。

キャンピングカーの止める所を探していると、何も無い所に突然と西洋の城みたい物が見えてきた。

有田ポーセリンパーク、立派な物を作ったものだ。しかし休みなのか誰もいない。

一部の政治家か、それに付随した建築会社又は趣味の悪い人がこんな物作るのだろう。

有田ポーセリンパークの近くの道脇に止めて1泊。


朝起きると物凄く寒い、窓の外を恐る恐る見ると雪だ。

九州は南=暖かい、これは計算ミスだ。最近寒いなと思っていたけど、とうとう雪。

もつと南へ行けば暖かいのでは、南は・・・・・「鹿児島」。

主人はカードことを忘れて、キャンピングカーを走らせた時、高速の入口に向かっていた。


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