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第1章北海道その1

僕の名前は文太、皆は僕のことぶーと呼びます。

ラブラドール2才人間で言うと24才、体重46kgちょっと太めです。

特技は鼻の上にのせた骨っ子を下に落とさず空中で食べる事です。


僕の主人はビジネスを創めたのは、22歳だった。順調とは言えないが、20年である程度の企業になりました。

しかしこの会社も乗っ取りに合い、会社を出されてしまいました。

落ち込んでいる主人、主人の恋人亜紀、ハムスターの珠子と新三郎の夫婦とインコーのピー子と僕、二人と4匹がキャンピングカーで2年間心を癒すために旅に出たのです。







・どっち

時間は深夜1時、金沢西インターの前ホテルテルメ金沢の駐車場で、キャンピングカーを止めてボーとしている。

「さて何処へ行こうか」主人はは独り言、自分で「北」と小さくつぶやいて車をスタートさせ、インターを上った。

主人ただ一点を見てキャンピングカーを走らせた。

主人の頭の中は、人間不信と自分の甘さが頭の隅に悪性腫瘍のように今でも疼く。

高速のオレンジ色の光が20年間の時間を刻むように後ろへと流れて行く。

もう考えないで忘れようとしても、泥沼からガスがぶくぶくでてくるように頭の中に浮かんでくるみたいだ。

明るくなった頃新潟インターで降りて、車を新潟港に止めて眠りに付いた。


どのくらいの時間がたったのか、あたりは暗かった。

主人と車の外に出ると、岸壁から海にライトを照らして釣りをしてる、その数は何百人も居る。

主人は釣りはしたことがなかったが、自給自足の生活をしようと竿は準備していた。

亜紀も誘い竿を下ろしてみようと思ったけど餌もないので、30才くらいのお兄さんのところへ言って仕掛けや餌を売ってくれるように主人が交渉した。

お兄さんは方言の混じった言葉で「お金は要らない」と言っていろいろ仕掛けや餌のつけ方を親切に教えてくれた。

仕掛けはオキアミのカゴを一番下にして、その上に10本ほどの針が付いている。

竿を下ろすと10個の針全てに、15センチほどの鯵がかかってくる。

釣りとはなんと面白いんだろと思った。

亜紀は生きている鯵を直ぐさばきフライにした。

この時の味は一生の内うまいものランキング中にはいると思う。

主人はビール片手で深夜まで釣りをしていた。

その主人の様子に僕は少しホーとした。




・大きい

目ざめると、キャピングカーの真横にそびえてる物体があった。北海道行きのフェリーだ。

写真やテレビでは見たことがあったが、これほど大きいとは感動だ。


主人は「さて急ぐ旅でもないし」と言い、北海道行きでは無く、佐渡へ一度行ってみようとフェリー乗り場を探した。

車の料金は長さで決まるようで、改造して後ろにジェットスキーを積んでいたので高くついてしまった。

船員の人は手馴れていて、ギリギリに車を積んで行くなんとなく気持ちがよかった。

船が出港する時ホタルの光が鳴って厳かな気持ちになった。

そしてどこか遠くに行くような気持ちになった。

海を見ていると寂しくなってくる。

ほとんど僕と主人は車の中ですごした。


両津港に着いたのはもう夕方だった。

1キロくらい走って海岸べりに車を止め、主人と亜紀は昨日の鯵で夕食をとつた。

僕は相変わらず、ドックフード!




・佐渡わかめ

主人は、「海岸沿いをぐると回っていよう」と言っていたのに。少し走ると山の方にキレイな道があったら、気が変わってそちらの道に行った。

「スピード違反1万円佐渡わかめ1千円」の看板がいくつもあり見るたび主人と亜紀は笑いこけていたが、僕は意味が解からなかったが、皆楽しそうなので僕も何だか楽しかった。


梅津発電所を過ぎてから道はジグザグで細くなり、Uターンする場所もない。

景色は最高だけどどうなることやらと思いながら3時間ほど走った。

頂上に大佐渡ロッジがあった。展望台からは360度日本海が見える。

今まで不安だった気持ちもいっぺんに晴れ晴れとした。

1時間ほど日本海を見てポーとしていたが、寒くなったので走ることにした。

反対の方に下りようと思い車を走らせた。

登りの道より悪路だった。まいった!


海岸線に出た時はもう暗くなっていた。

竜金岩の手前の道脇に車を止め、今日はここで一泊することにした。

明かりが本当に見えない。真っ暗だ。

星も見えない。すごく寂しくなった。


主人は眠れないので直ぐ横が岩場だってので竿をいれてみた。

2時間もどチャレンジしたが魚のいる気配がしない。

仕方なく皆で眠りに着いた。




・ふぐ

佐渡は何もなく、なんとなく死んでいる感じがした。

一周するつもりだったけど、嫌になり夕方新潟に帰る。


この前は週末だつたのか、あんなに港は人が多かったののに新潟港は誰もいなかった。

でもこの前の釣りの感覚が忘れられず、主人はでサーチライト、餌、仕掛けを買って車の発電機を利用して釣りをした。

雨がひどく岸壁にキャビングカーを近づけ、車の備え付けのテントを広げ釣りをした。

しかしこの前と違ったのは、3cm〜5cmのふぐがいっぱいいて直ぐ掛かる。

鯵もいるのだが、ふぐの方が素早く直ぐ食いつく、掛かったふぐをはずし海にもどす、この繰り返しをしていたが2時間ほどしてると主人は「腹がたってきた」と言いやめた。

今日一日なんかついていないね。明日はいい事ありますように!

おやすみ




・キャンピングカー

キヤンピンカーについて少し話そう。

今乗っているキヤンピンカーはフォードで、東京の業者から買った。

クラスCで800万くらいだが、改造するのに主人は400万ほどかけた。

27インチのテレビを車の真ん中に付け回転できるようにし、寝ていても座っていても見れるようした。

バツテリーも大型用を4つイスの下に入れた。

これは一番の失敗、バッテリー液は直ぐなくなるし、すごくくさい。本来車内にバッテリーなど入れたらいけないらしい。

有毒のガスもでるらしい。テレビも直ぐ電気容量がなくなり見れなくなった。

計算どうりいかない。今ジャマなだけ。

実際15インチのビデオ付きのテレビを机の上に置き見ることが多かった。

オーデオ設備はCDチェンジャーを棚の中にいれ、スピカーをあちこちに付けて車内のどこでも聞けるようにした。

これも2番目の失敗でほとんど音楽を聴くのは運転席だった。

車内で聞くときは別に小さなステレオを付けるべきだ。

カーナビは本当に役に立った。知らないところに行くので、ないとタイヤのないのと同じくらいだ。

車の後を改造しジェットスキーを積めるようにした。

これもケン引きでいいと思う。車が長くなるとフェリーの代金も高くなる。

夜走っているとハイビームでもないのにパシングされる、車が上向いて状態だ。

もっとも大きい失敗はこの車そのものである。

ガソリンの食うこと、1キロ5円ずつ撒いて走っているようなもの。

アメ車はダメだ。今度は国産の4トン車を自分で改造したい。

その時はシャワールームは作らない、日本はどこに行ってもふるさと何とかの1億円の金をどこの町も温泉掘っている。

だからどの町へ行ってもこの設備は存在する。

外でシャワーできるようにしとけばそれで用は足りると思う。


こんな失敗した車で主人と僕は旅をしているのだ。




・フェリー

僕達は朝又港の係りの人に起こされてしまった。

主人はフェリータミナルのレストランシーフ゛リーズでカレー(サラダ付き)を食べて、フェリーのパンフレットを見ているうちに乗ろうかなつて思ってきたらしく、急に、10時30分小樽行き「ゆうかり」に乗った。

特等A洋室一人16,000円車は10m未満で69,600円高い!

でも部屋はトイレやバスが完備でホテルみたかった。

僕もいるし仕方がない。

小樽着は明日の朝4時30分16時間ほど船内という訳だ。


ケージを持ち込まなければならないのだが、46kもある僕をを持てないので見つからないように部屋まで車から僕と主人は走った。

特等Aは5Fなので死ぬかと思った。

主人の話だと、大浴場にも行ったが、お湯がゆれているで気持ち悪くなって直ぐ上がった。

食堂はいっぱいで、長距離の運転手だと思うけどお酒を飲んでいるで長く居座っている。夜お腹がすいたので食べたが落ち着かなかったらしい。


テレビはほとんど映像が乱れる、チャンネルの一つに船の位置をながしているのでずーとそのチャンネルをつけていた。


主人と亜紀とお互いに髪を切っていた。主人は亜紀に、日頃は仕事の関係で思い切った髪形にできないので、プロレスのケンザンのスタイルを希望した。

難しかったのか主人は耳を切られたのだ。。

ついでに僕もひげを整えた。


夜は真っ暗ですることもなく時間のある僕らの旅はフェリーに乗るべきでなかったと思いながら眠りに付いたのが11時くらいだった。


騒々しいので目が覚めるともう小樽に着いていた。

急いで車に戻ったが、降ろす順番がきていて係りの人にいやみを言われてしまった。朝8時頃に着くように変えるべきだ。


どこも開いていない薄暗い小樽の町を抜けニセコを目指した。




・峠

393線を行くつもりだったが、間違えて行きすぎてしまった。

「まーいいか」ということで、次の道を右折し朝里川温泉を抜けるとオタルナイ湖にでた。眠くなったので湖の横に車を止め眠った。


昼頃目が覚め、とにかくニセコへと思い車を走らせた。

ニセコは楽園のイメージがある、テレビなどで特集しているのは、かわいい家と気ままに暮らす人々て感じだ。

さつぽろ湖を過ぎ中山峠に着いた。

北海道の屋根って感じで360度尾根が見える。

売店でホタテの焼いたのはうまかった。

今日はここで休もう。




・ぷよぷよ

主人と亜紀と今ブームなのはぷよぷよだ。

主人はあまり勝てないのでちょっとムキになっている。

テレビゲームはテトリスもする。マージャンは今主人が亜紀に教えている。


ピー子はまだ小さいので、あわをお湯でやわらかくしてスプーンで食べさす。

その時新三郎と珠子も机の上で運動させる。

新三郎と珠子の家はとてもかわいい。直径30cm高さ30cmの透明なビニールハウスだ。真ん中に木があり木の上に黄色いはしごのかかった赤い屋根の家がある。

ほとんど寝ているけど、時々上がり下がりをしているが運動が少ないと思い机の上を走らせている訳だ。

僕はは小さい生き物が好きで、ピー子を頭の上に乗せても、新三郎と珠子が身体を這い回ってもじっとしている。

でも時々鼻を近づけて噛まれたりつつかれたりしている。


僕はは自分が人間だと思っている。

食事もイスにすわり食事する。塩気のものはよくないので、横にボールに水をはり主人らの食べる同じものを洗って食べる。

主人が仕事している時は僕はには寂しい思いしたが今はいつも一緒だ。


バッテリはソーラとエンジンがかかると充電するようになっているが、ゲームをしているとバッテリがなくなるのが早い、特に曇りとか雨の日は早い。

なくなったら眠りにつく。


これが僕と主人の車内の過ごし方でした。




・清水

京極町の駅の前に清水が出ている。うまい水だ。蝦夷富士、羊蹄山が濾過した水だ。

水は貴重で常に飲み水を確保している。

スーパーで2ℓ200円以下のボトルを探すように亜紀に言われ、それは今主人の仕事になった。物をあまり自分で買ったことのない主人は水だけは価格がわかったようだ。


蝦夷富士と言われるだけあって本当に綺麗な山だ。山の麓を北海道らしい真直ぐな道がついていた。

「北海道だ」って感じ!

車の窓から、羊蹄山が綺麗に見えるように車を止め、今日はここで一泊。




・公衆トイレ

羊蹄山を見ながら3日間過ごした。

僕は主人と毎日散歩して、高原の春を楽しんだ。


人間て不思議な生き物で、あれだけ美しいと感動したのに飽きてくる。

「ソロソロ移動しようか!」主人は亜紀に言ってキャンピングカーを移動させた。


山々のふもとや峠を越えて走る。北海道って道が綺麗だ。

峠からの薄くかかった霧の町なみ、ニセコだ。


ニセコはイメージと違っていた。何か寂しい田舎って感じ。

ニセコは走り抜けてあても無く車を走らせた。


夕方神仙森林公園に着いた。とりあえずここで1泊。

違反なんだろうけど、公衆トイレの換気線の電源をチョットもらった。

電気の容量を考えないのはこんなに快適だとは、衛星アンテナを上げてWOWOWを見た。衛星アンテナには、角度計が付いていて説明書でだいたいの角度がわかるが、主人が車の屋根に上がり調整すると、亜紀がテレビを見てて映像が定まったら車の天井を「トントン」と合図する。

普通のテレビは車内で、アンテナを回転させ調整する。

(今はもっと進んでいると思うけど、今から何年か前のことなので時間をかけて設置しらければならなかった。)

この日主人達はテレビやゲームを深夜3時ごろまで楽しんだ。




・神秘な沼

10時頃起きて、遅い朝食を済ませるともう12時になってしまった。

看板を見ると神仙沼まで遊歩道があった。

「運動不足だし行ってみよう」と、僕と主人、亜紀とで行くことにした。

僕もリードを外して好きにさせてくれた。

僕は山道を嬉しくて、主人達の先に行ったり後ろになったりと走り回って遊歩道を40分くらい歩いた。

パーと開けた。湿地地帯の上に木の橋がジクザグにかかっている。

なんと神秘的な場所なんだ。

世の中が一匹と二人になったように、誰もいない。

風も無く当たり一面無音!

奥に神仙沼は、静かに眠っていた。

しばらく僕らだけの時間を楽しんだ。

北海道でこの場所が一番心に残っている。




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