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『悪役令嬢に転生したら、今度こそ全力で遊びます!』 ――中年おじさん、完璧令嬢をやめて小学生男子ムーブに全振りする。  作者: 南蛇井


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3/7

王城の裏庭で初の全力遊び 裏庭を発見する

裏庭の散歩は、本来なら「お淑やかな令嬢の午後の時間」である。

優雅に花を眺め、侍女と静かに語らい、風にそよぐドレスの裾を楽しむ……

――はずだった。


だが。

今日ここにいるのは、**中身が前世・元気系ゲーマーの悪役令嬢マリアンヌ(幼女)**である。


侍女に手を引かれ、王城の裏庭へと出た瞬間。


「こちらは王家専用の静かな散策路でございまして――」


侍女が気取って説明している途中だった。


マリアンヌの視線は、庭の奥に立つ一本の大樹へと吸い寄せられる。

幹は太く、枝ぶりもよく、葉も青々としていて……明らかに「登ってください」と言わんばかりのフォルム。


マリアンヌの瞳が、キラァァァンと輝いた。


「…………あれ、絶対登れるやつじゃん」


ぽつりと漏れたひと言に、侍女は一瞬固まる。


「……え? え? お、お嬢様……?」


侍女は理解が追いつかない。

この気品あふれる銀髪幼女(見た目5歳)が、まさか“木登りムーブ”を決めようとしているなんて、夢にも思っていない。


しかしマリアンヌはもうスイッチが入っていた。


ドレスの裾を少しつまみ、つぶやく。


「だってあれ、完全に“遊べ”って呼んでるよね。行くしかないよね?」


その目は獲物を見つけた猫みたいに爛々としていた。


侍女の叫びが裏庭に響く。


「お嬢様ぁぁ!? 木に登るなんて、令嬢として絶対に絶対に絶対に――!」


その制止を、マリアンヌはにっこり笑ってスルーした。


「大丈夫。登るだけ。落ちないように頑張るから!」


──落ちない保証はどこにもないのに。


侍女の不安をよそに、マリアンヌはすでに足を大樹へと向けて駆け出していた。


裏庭に、令嬢らしくない冒険の幕が今、ひっそりと上がる――。

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