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出会い

1人目は、小さな女の子だった。私も生まれてすぐだったから見た目に反しない性格だったと思う。


2人目は、成人男性だった。もう生まれて五十年は経ってた。でも、少し違和感を持たれるだけで、誰も私が寄生種だと、信じて疑わなかった。


3人目は、老婆だった。生まれて80年は経ってたから流石にバレると思って老婆に寄生した。ただ、相性が悪くてすぐに体が限界をむかえた。


そんなふうに生きてきた。バレないように、疑われないように、ひっそりと静かに。気づいたら生まれてから随分と時間が経っていた。もう何年経ったかなんて忘れた、けど最後の体が8人目ということは覚えてる。

そう、私は8人目の体の時に寄生種だとバレた。この人たちなら…そんなふうに思ってしまったんだ。私が寄生種だと告白した瞬間彼らが私を見る目が変わったのを覚えてる。


(捕まってから何日経ったんだろう。)

私がいるのは闇市の薄暗い牢獄の中、ここには沢山の売ってはいけないものが売っている。違法魔法で体を変えられた動物、人を陥れることのできる魔道具、強力な呪物…そんなものばっかり。寄生種は人の体に寄生し人間として暮らす魔物の一種。寿命のない生きることにだけに執着する生き物。もちろん人間にとって害のある生き物のため見つけ次第殺害、もしくは魔法局へ連れて行く必要がある。でも、寄生種は犯罪に利用できるためこうして闇市でよく売られるそう。

(別に死ななければいいや、外に出たら魔法を使える体に寄生して逃げればいいし、)

寄生種は分かっていないことが多いいといわれている。なぜ生きることに執着するのか、どうして寿命がないのか、本人たちにも分からないことがたくさんあるのだ。

(外に出たら何をしようか、次は医者にでもなってみようかな、いや、魔法局員として生きていくのも…寄生種なことがバレたら終わりだけど)

カツ…カツ…

遠くから硬い靴の音がする。

(誰かが何かを買いに来たんだ。)

現れたのは上等な白い毛皮のコートを着た薄い水色の髪の男だった。顔は、下まつ毛が長く、眉毛が人を馬鹿にするような角度の眉目秀麗な男だった。

(胡散臭い顔してるわ、)

「寄生種を探しているんだけど、いるかな?お金はいくらでも払うよ」

彼は金塊を詰めた麻袋を売人に渡す

「こんなにお金を…!もちろんですよ、丁度寄生種がいるところでした、どうぞお連れください。」

牢獄の扉が開き外に連れ出される

「ありがとね~また来るよ」

男はそんな呑気な事を言いながら寄生種を連れ闇市を出た。

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