東方での出会い:未来に来て初めての闘い!山の守護者の実力と少年の中に潜む謎の力!
俺は華子の婆さんと裏山までどちらが先に水を取りに行けるかを勝負する事になった!俺は婆さんに負けまいと裏山まで走っていった!そして俺は裏山の道を走っていると道に迷った為引き返しそうと思った時謎の人物に声が聞こえてきた!そいつは自分の事をこの山の守護者だと言い放ったのだった!山の守護者という者は俺を侵入者だと言い俺を自らの手で排除する為姿を現したのだった!
「フフフ…私はこの山の守護者がひとり…僧陳!ここから先へ行くことは出来ない!」
俺の前に現れたの男は僧陳と名乗った修験者だった!
「小僧!貴様はここで終わりだ!貴様はここで私が…私の手で倒されるからだ!」
「へっ…ぬかせ!そう簡単にやられんぜ!俺は!」
「ほう!では貴様の実力…見せてもらおう!」
そう言い僧陳は俺に向かって来たのだった!
「へっ…なめんなよ!?」
俺も僧陳に向かって突っ込んでいった!
「うおおおおお!!おら!おら!おら!おら!うおおお!おらぁ!!」
俺は僧陳に攻撃をしたが
「フン!そんな攻撃…当たりはせんぞ!」
俺の攻撃は岩や木などに当たりそれらを破壊したが僧陳には当たらなかったのだった!
「威力だけはある様だな!だが…当たらなければどうという事はない!」
「クソ…」(は、早い…いや…そうじゃねぇ…)
「フフフ…その通り!貴様の攻撃など…貴様の動きなど読むなど容易い事だ!」
俺の動きは読めると…僧陳はそう言い放った!
「へっ…そうかよ!?だったら…これならどうだ!?」
俺は地面を蹴り上げ砂煙を上げてから僧陳に向かって突っ込んだ!
(へへっ…これなら俺の動きは読めても姿が見えねぇだろ!?)
俺はそう思いながら攻撃をした!しかし…
「フン!何をするかと思えば…下らない!そんなもので…我らに勝てるか!」
僧陳はそう言い俺の攻撃を避け俺に攻撃を当てたのだった!
「ぐあぁああ!!」
僧陳の攻撃を受けた俺は吹き飛ばされたのだった!
「クソ…」(つ、つえぇ…)
「フン!当然だ!貴様と我々では力が…覚悟が違うのだ!」
倒れていた俺は立ち上がり
「へっ…覚悟だぁ!?ふざけんなよ!?」
「………ほう!立ち上がるか?」
「へへっ…当然だ!」
「では…続きと行こうか!」
僧陳はそう言い俺に攻撃を仕掛けてきた!
「フン!小僧!威勢だけか?」
俺は僧陳の繰り出した攻撃を回避出来ずにいた!
「はぁはぁ…ぐっ…クソ…」
俺は僧陳の攻撃により倒れた!それを見た僧陳は
「ここに来たから…この聖域に入ったからだ!小僧!」
「…………。」
「フン!すでに意識はないか?では山の外にでも連れ出すとするか!?ここに居られると邪魔だからな!」
そう言い僧陳は俺を運び出すため俺の方に歩き出した!僧陳が俺の側まで来て俺に触れようとした時…
「うおぉおおお!!」
意識を失っていたはずの俺はなぜか立ち上がっりそう叫んでいたのだった!なぜ動けたのかは俺自身全く覚えていなかった!
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その頃華子と婆さんは裏山の道を走っていた!その時…
「……!?………こ、この気…これって…」(この気…これは…)
「むっ…!?これは…この気は…この力は…もしや…」(これはもしや…)
「お婆ちゃん!?これって…」
「ああ…そうじゃ!この気は…人間のものではない!?これは…悪魔の…怪物の気じゃな!?」
「でも…いったい誰が!?急に現れたけど…いったい誰が…」(この島で…誰が…)
「それは行けばわかる…華子…心の準備をしておけ…この先で起こっとる事…それは…」(そう…この気を放っとるのは…)
「えっ…!?お婆ちゃん…!?」(も、もしかして…もしかしてこの気を出しているのって…まさか…)
「…………。」(まさか…こんな事になるとはのう…)
「…………。」(一人…)
そう話しながら華子と婆さんは走っていたのだった!
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「馬鹿な!?貴様…意識を失っていたはずじゃ…」
「うおぉおおおああ!!」
「……こいつ…この小僧…意識は戻っていない!?ならば…なぜ立ち上がっているのだ!?」
「うう…うおおぉおおおおあああああ!!!」
「こ、この小僧…まさか…この小僧…」
「ぐぉおおおおおおお!!うおぉぉおおおおおおお!!!」
「こ、これは…もしや…この小僧…普通の人間ではなかったのか!?……これは…これは…まさか…」
「ぬおぉおおおお!!ぐおぉおおおお!!!」
「僧陳!何が起きたというのだ!?いったい…これはどういう事だ!?」
「む…!この小僧…こいつの…今のこいつ…」
「この…小僧の放つ気迫…これは…人間ではない!これは…」
「僧琳!僧膳!僧鳳!私にも…どういう事か…わからぬ…」
山の守護者が集まって来たのだった!その時…
「うおおおおおおおおお!!!うおおおおおおおおおおあああああああ!!!!」
俺は…俺の身体は…
「くっ!?この小僧…人間ではなかったのか?」
「これは…この小僧…この小僧…小僧の身体が…」
「今のこの小僧…これは…これは…怪物ではないか!?」
山の守護者である修行僧たちは俺を見て驚きながらそう言っている時…
「ぐおおおおお!!」
そう叫びながら俺は山の守護者たちに襲いかかった!
「フン!我らに向かってくるか!?」
「こいつを抑えるぞ!構えろ!」
「言われなくとも!」
「来るぞ!」
山の守護者である僧琳、僧膳、僧鳳、僧陳は俺を抑えるためそれぞれ力を解き放った!
「配置につけ!こいつを抑えるぞ!」
「承知!」
「分かっている!」
「当然だ!」
4人はそれぞれ配置につき経を唱え始めた!
「うおおおおお!」
すると暴走する俺に4人が放った術が当たったのだった!術が当たった俺は地面に押さえつけられ動けずにいた!
「!?…ぐおおおおおおおお!!」
押さえつけられてもなお動こうとする俺に
「こ、こいつ…我らの術を受けて…なお立ちあがろうとするとは…」
「こいつ…この小僧…なんて力だ!?」
「この力…やはり…人間ではない!怪物の力だ!」
「気を抜くなよ!術を解くな!動けなくなるまで押さえつけるんだ!」
4人は再び経を唱え始めた!そこに現れたのは
「えっ!?か、一人…!?」(あ…あれ…って…一人!?どうして一人が…)
「むぅ…やはり…かのう…」(小童…お主は…やはり…)
俺たちの居る場所に華子と婆さんが来たのだった!
「んっ!?あれは…!?」
「どうした!?僧琳?集中しろ!?」
「ああ…分かっている!?」
「うおおおおお!!ぐおおおおおおお!!」
「こいつ…まだ動こうとするか!?」
「なんという力…なんという体力だ…」
「このままでは…此方が…もたんぞ…」
「化物め…」
そう言いながらも4人は術をかけ続けていた!すると…
「一人…一人!!一人!!!」(一人…どうして…一人!)
華子が術をかけられている俺の側まで走って来たのだった!
「むっ…!?い、いかん…」
「なっ…!?お前は…!?」
「お、おい…!?危険だ!?近寄るな!?」
「やめるんだ!?そいつに…今の小僧に近付くな!?」
俺の側まで来た華子に山の守護者たちはそう叫んでいた!
「うおぉぉおおおお!!ぬおぉおおおおおお!!」
「一人…しっかりしてよ!?どうしちゃったの?一人!!」(一人…)
「ぐおぉぉおおおおおおおお!!」
「一人…一人…」
「うおおおおお!ぐおおおおああああ!!」
「何をしている!?近寄るな!?離れろ!?」
「馬鹿者が…!?」
華子が来た事に驚き守護者たちの術が緩んだ…その時…
「ぐおぉおおおおおおおおお!!!」
俺は華子に襲い掛かった!華子の身体を掴み地面に押さえつけたのだった!そして華子に馬乗りになり噛みつこうとした!
「いかん!振り払え!?」
「だから近寄るなと言ったのに…」
「こうなれば…あの小僧を…」
山の守護者たちがそう言っていると
「うおぉおおおおおおおお!!」
そう叫びながら華子の左の肩に噛みついた!
「うっ…!?か、一人!?」
「ぐがぁああ!!」
俺に噛みつかれた華子の肩からは血が溢れ出ていた!それでも噛み続ける俺に
「うっ…!?……ち……ち、違う……」
「ぐるるるるうう!!」
「ち、違うよね…!?」
「ぐぅううううう!!」
「うっ……か、一人が…こんな力を使うなんて…違う…よね!」
「ぐぅうう…がぁあああ!!」
「か…か、一人が…こんな力を使わなきゃいけない…こんな力に負けちゃうなんて……違うよね!」
噛みついた俺に華子はそう話かけていた!それでも噛むのをやめない俺の口元は…歯は…華子の血で真っ赤になっていた!
そんな俺を
「一人が…こんな力に呑み込まれちゃうなんて…違うよね…こんなの一人じゃないよ…」
華子はそう言いながら俺を抱きしめた!その華子の身体からは黄金に輝く光が出始めていたのだった!それを見ていた山の守護者たちは
「これは…華子…まさか…」
「華子…力を使う気か!?」
「華子…あの小僧を…」
「そこまでして…あの小僧を…」
と驚いていたのだった!
「華子…お主…小童を…」(華子…)
「一人…負けないで…こんな力なんかに…もうひとりの自分に…」
そう言い華子は力を解き放ち辺りは光で包まれた!そして華子の身体から出る光は俺を包み始めた!
「…!?………ぐっ……ぐぁあああああ!?」
華子の放つ光で俺は噛みつくのをやめていたのだった!
「一人…一人は…一人にはこんな力必要ないよね!だって一人は…こんな力なくても強いんだから!」
「ぐっ…あぁ…!?オ………オ、オレ……は……!?」
「だから…いいんだよ!こんな力を使わなくて…いいんだよ!」
「オ……オ、オレ…は………オレは………」
「一人…無理しなくていいんだよ!」
「オ…オレは……」
「一人は…一人は私が護るから…だから…こんな力を使わなくていいんだよ!こんな力…もうひとりの一人は…出て来ない様に…私が護ってあげるから…もうひとりの一人が出て来ない様に…こんな力を使わなくていい様にしようね!」
そう俺を抱きしめながら優しく話かける華子により
「くっ…!?お…俺は…いったい…」
俺は正気を取り戻した!それを見た華子は
「ふふっ…一人!もう大丈夫だね!」
笑顔でそう話かけてきた!それに対して俺は
「んっ…ああ…俺は何をしてたんだ!?」
そう言い華子の顔を見た!すると華子は
「一人はちょっと頑張りすぎて…それで疲れて寝ていたんだよ!」
「そうなのか?それで俺は華子に寄りかかっていたんか?」
「うん!そうだよ!」
「わりぃな…迷惑かけたな!華子!」
「ううん!そんな事ないよ!全然大丈夫だよ!」
そう話していた俺の視線は華子の肩の方に向いた!華子の左肩を見た俺は
「華子!?お前…その肩…血が…血が出てるじゃねぇか?」
「えっ…うん…でも大丈夫だよ!」
「なんで…お前の肩から血が出てるんだ!?」
「えっ…!?えっと…これはね…」
華子が話していると山の守護者たちが
「小僧…貴様…覚えてないのか?」
「自分の顔をよく見てみろ!」
「自分顔を…いや…口元をな!」
「己のした事を…何をしたのか…それでわかる!」
そう言ってきたのだった!その言葉に対し俺は
「なんの事だ!?いったい…てめぇら…なにを言ってんだ!?」
「一人…大丈夫だよ!?一人は何も…」
「小僧…己の顔をよく見てこい!」
「俺の…自分の顔をだと!?」
「そうだ!」
俺はこいつらが何を言ってるのかわからないまま立ち上がり自分の顔を確認する為近くの川まで歩いて行った!
すると華子が
「ま、待って…待って一人!?」
華子がそう話しかけてきたが俺は
「どれどれ…」
そう言いながら自分の顔を確認した!すると…自分の顔が…口元が…歯が真っ赤になっている事を知ったのだった!
「な…なんだよ…これ!?なんで俺の口元が…歯が真っ赤になってんだ!?」(なんでだ…!?これは…いったい…)
自分の顔を見て驚いている俺に山の守護者たちは
「愚か者が…まだ気が付かんのか?」
「己のした事を…貴様は…」
「小僧…貴様、本当に覚えてないのか?」
「あれだけの事をして…覚えてないと言うのか?」
そう言う守護者たちの言葉と自分の顔と華子の肩を見た俺は自分のしでかした事に気付いたのだった!
「なんで…だよ…!?こ…これは………お、俺は…………俺がやったのか?俺が…俺が華子を!?」(お…お、俺が……華子を……)
そう言いながら俺が混乱していると
「小僧…己が何をしたか…」
「貴様の中に潜む…」
「もうひとりの己自身…」
「小僧…貴様は普通の人間ではない!貴様の中には…怪物が居る!」
山の守護者たちがそう話した!それを聞いた俺は…
「お……お、俺の…俺の中に…もうひとりの俺…!?俺が…怪物…だと…!?」(お、俺が……怪物!?俺は………人間じゃねぇのか??)
山の守護者たちの言葉により俺は
「お、俺は…人間だ!俺は…人間のはずだ!俺は…俺は…俺は……」
「小僧!貴様は人間ではない!」
「いや…正しく言うと…」
「貴様の中に潜む…もうひとりの貴様…」
「もうひとりの貴様が…怪物だ!」
山の守護者たちの言葉で
「俺は…もうひとりの俺は…人間じゃない!?俺は…俺が怪物!?そ…そんな…………う…う、うわぁあああ!!!」
さらに混乱していたのだった!そんな俺に
「違うよ!一人は人間だよ!」
華子がそう話かけてきたのだった!
「はぁはぁ……か…華子!?」(華子…)
「一人は…人間だよ!」
「華子……俺は…俺はお前を…もうひとりの俺はお前に……だから俺は…人間じゃねぇんだ!俺は…俺は…」(俺は…俺は…)
「違うよ!一人は…もうひとりの一人は…一人であっても一人じゃないよ!」(一人…)
「華子…!?なに言ってんだ!?俺は…」(華子…)
「私は…私は認めないもん!一人の中に居るもうひとりの一人は一人じゃないよ!だから一人は人間だよ!」(あんなのは……一人じゃないよ…)
「華子…お前…」(華子!?)
「だから…そんな事言わないで……人間じゃないなんて……人間じゃないなんて……そんな事言わないでよ!」(一人…そんな事…言わないで…)
「華子……」
「そんな事…言わないで…よ……一人……」
そう言う華子は泣いていた!
「…………。」
「……………。」
「………………。」
「…………………。」
「……悪かった……」
「………………………。」
「悪かった……華子……」
「………………………………。」
「お、俺が………悪かった……………」
「…………………………………………………。」
「もう2度とそんな事言わない!約束する!だから…許してくれ!華子!」
「……もう………2度と……言わないで…………今度そんな事言ったら…………私…許さないから……私…絶対に許さないからね!」
「ああ…わかった!もう絶対に言わねぇ!誓うよ!もう2度と言わない!お前が悲しむのを見るのは嫌だ!だから…もう2度と言わない!俺を信じてくれ!」
「うん!わかった!約束だよ!私…信じてるからね!」
「ああ!俺を信じろ!」
「うん!信じるよ!」
俺は華子の涙と言葉で決意した!俺自身が人間だろうと化物だろうと…なんであろうが関係ない…もう2度と…もう2度と華子の泣き顔を見たくはない!ただそれだけだ!だから俺はそう決意した!
「ふむ…もう大丈夫そうじゃな!小童よ!」
「婆さん…悪い…迷惑かけちまって…」
「ふむ…そう気にするな、小童!それにわしは何もしとらんからのう…だから気にするでないわ!のう…お主らもそうじゃろ!」
婆さんは山の守護者たちにそう言っていた!
「今回の件…責任はわしがとる!じゃから…もういいじゃろう?主ら…」
婆さんにそう言われた山の守護者たちは
「貴方様にそう言われては…」
「我らはこれ以上…何も出来ませぬ…」
「我らはただ…山の守護をするだけ…」
「それでは…我らはこの辺で…」
「御免!」
そう言って山の守護者たちはそれぞれの守護する場所に戻って行った!
「ありがとう!お婆ちゃん!一人を…あの人たちから護ってくれて…ありがとう!」
「ふう…いいんじゃよ!元々はわしが原因じゃ!じゃからわしが責任をとるのは当然じゃ!」
「ううん…それでも言わせて!お婆ちゃん…ありがとう!」
「俺からも言わせてくれ!婆さん…すまなかった!ありがとう!」
「もう…いいと言うとるのに…お主ら…」
婆さんは少し照れている様に見えた!
「さて…そろそろ暗くなってきよったし…水を汲んで帰るとするかのう!」
「そうだね!帰って晩ご飯を食べて明日に備えないとね!」
「ああ!そうだな!」
「では帰るとするかのう!」
「うん!そうだね!」
「ああ!」
こうして俺たちは裏山から水を汲んでから家に帰ったのだった!