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未来への翼  作者: ユキノヤスト
第1章・未来での出会い:東方の国篇
6/16

東方での出会い:裏山に行け!聖なる山を守護する謎の能力者!

俺は爺いやバドライドと一緒に1000年後の未来に飛ばされた!そしてそこで華子という女の子と婆さんに出会った!俺は華子の顔を見て驚いた!この時代に飛ばされる前…俺の居た時代で死んだはずの葉子にそっくりだったからだ!

しかし華子と葉子は違うと…別人だと知らされた!そして行く宛のない俺は華子と婆さんの家で世話になることになった!


俺は華子や婆さんたちと歩いて帰っていた!


「いやぁ…なんか悪いなぁ!いきなり現れた…よくわかんねぇ俺なんかを家に招待してくれるなんて…」


「ふふふ!そんなの気にしないで良いのに!ねっ!お婆ちゃん!」


「そうじゃ!気にするでないぞ!」


「そうか?」


「そうだよ!気にしなくて良いんだよ!」


「男手が欲しかったとこじゃ!丁度良いからのう!ほっほっほっ!」


「んっ!?男手だぁ!?何だそりゃあ!?」


「働かざる者食うべからず!じゃ!お主にはきっちり働いてもらうぞ!」


「働くって…俺まだ13歳だぜ?働ける年齢じゃねぇぞ!?」(何言ってんだ?この婆さん…)


「えっ…!?一人も13歳なの?」(そうなんだ…一人も…)


「んっ!?俺もって…もしかして…華子…お前も…」(まさか…)


「うん!そうだよ!私も13歳だよ!偶然だね!」(ふふふ!何だか嬉しいな!)


「そうなのか!珍しい事もあるんだな!」


「そうだね!」


「小童!この時代では年齢は関係ないぞ!お主よりも年下で働いてる者をわしは知っとるぞ!」(それにしても…まさか華子と小童が同い年とはな…これは本当に偶然なのかのう…)


「な、なんだと!?マジかよ!?それ…」(おいおい…)


「ああ!本当じゃ!のう華子!」


「うん!本当だよ一人!」


「へぇ…そうか!」


「そうじゃ!じゃからお主にはしっかりと働いてもらうぞ!」


「おう!わかった!任せてくれ!」


「華子!明日から小童と一緒に仕事するんじゃ!良いな!」


「うん!わかったよ!お婆ちゃん!」


「そういやぁ…さっき居た所なんだけどよ…」


「えっ!?さっきの所がどうしたの?」


「いや…花が…綺麗な花が咲いてたなって思って…」(そういやぁ…葉子も花の世話してたな!)


「ああ…あれは華子が世話をしとる花じゃ!あそこはわしらの土地じゃからな!そこに華子が小さい頃から花を植えて育てとるんじゃよ!」


「あ、あれ全部を華子ひとりで世話てんのか?大変だろ!?すげぇんだなお前って…」


「そ…そんな事ないよ!」


「ふっ…華子が世話しとるのはあそこだけではないぞ!?小童よ!」


「んっ!?どういう事だ!?婆さん!?」


「華子はあそこだけでなくこの島に咲いとる花を全て世話しとるんじゃよ!」


「な…なん…だと!?この島全てって…この見渡す限りの花を…華子が世話してるって言うのか!?」(おいおい…マジかよ!?)


「そうじゃ!」


「すげぇ…華子!すげぇな!お前!」(やっぱ…似ている…)


「えっ!?そうかな!?」


「いやいや…すげぇってホント!」(葉子に…似ている…)


「あ…ありがとう!一人!」


「でもひとりで世話すんの大変だろ?つらいって思った事ねぇのか?」


「えっ!?うん!ないよ!私…花の世話をするのが大好きだから…そう思った事はないよ!それに私は花を…世界中に綺麗な花を咲かせたいと思っているの!だから全然つらくないの!」


「……!?…なっ…なん…だと…!?」(そ、それって…一緒じゃねぇか!?葉子と…)


「一人どうかしたの?そんなに驚いて…」


「えっ…!?あっ…いや…なんでもねぇ!そうか…お前…華子お前って花が大好きなんだな!」(葉子と同じくらい…花が好きなんだな!)


「うん!大好きだよ!でも…でも変じゃないかな?花の世話をするのが好きな女の子って…」


「ああ!?どうしてだ!?」


「なんとなくだけど…花の世話をするのが好きな女の子って地味にで暗いって思われてるんじゃないかな?私以外の女の子でこういう趣味の人に出会った事がなくて…他の女の子はもっと派手な事をやってるのかなって…私ってやっぱり変な人って思われたりしてるのかな?って時々思ったりするの…」(一人も…そう思っているのかな?)


「それで!?」


「えっ…!?」


「それがどうかしたのか?」


「いや…他の女の子や…男の子からしたら…その…一人もそう思っているのかなって…」


「どうして!?」


「えっ!?」


「どうしてそう思うんだ!?」


「いや…なんとなく…だけど…」


「華子!お前…お前が花の世話する事…世界中に綺麗な花を咲かせたいって思いはそんな事を気にしてしまう程度のもんなのか?」


「えっ…!?いや…それは…」


「俺や他の奴がどうした!?」


「……。」


「お前は花の世話するのが好きなんだろ!?華子!!」


「う…うん!好きだよ!」


「世界中に綺麗な花を咲かせたいんだろ!?」


「うん!咲かせたいよ!」


「だったら…なんでそんな事言うんだ!?だったら…なんでそう思うんだ!?」


「そ…それは……」


「好きな事をしてるお前を俺が暗いだとか、地味だとか、変だと…そんな事言うと思ってんのか!?馬鹿にすんなよ!?」(ふざけるなよ…)


「……。」(一人…)


「それにそれがお前のしたい事なんだろ?お前は花の世話するのが好きなんだろ!?世界中に綺麗な花を咲かせるのが夢なんだろう!?だったら他の奴の事なんて気にすんなよ!?気にせずに自分のやりたい事をやれば良いじゃねぇか!?」(馬鹿野郎…)


「一人…私は…」


「俺は自分のしたい事の為…夢の為に全力で頑張っているお前がすごいと思ってる!そんなお前が俺は…好きだ!!」


「……!?」


「だから華子!お前はそれで良いじゃねぇか!それがお前のしたい事なんだろう!?」


「えっ…!?う…うん!」


「だったらお前はそれで良いじゃねぇか?」


「そうだね…うん!本当にそうだね!ありがとう!一人!私…頑張るよ!」


「その意気だ!」


「うん!」


「まあ…なんだ…その…もしもの話だが…その…花の世話だったり…お前がやりたい事を…俺…俺でいいなら手伝わせてくれねぇか?」


「ふぇ!?一人!?」


「いや…偉そうに言ってみたものの…俺自身…やりたい事も夢も見つけられてねぇから…俺…偉そうに言って強がってるけど…本当はひとりじゃダメなんだって…葉子を失ってわかったんだ!だから…華子お前と居れば…お前となら見つけられそうかなって…華子!お前の側に居れば強くなれるかなって思ってよ…ダメかな?」(俺は…)


「一人…」


「いきなりだから…断られても仕方がねぇって思ってる…でも…俺は…俺はお前と…お前の側に居たい…」(俺は…お前と…)


「………。」


「ははは…やっぱダメだよな!?い…嫌なら…嫌ってはっきり言ってくれていいんだぜ!?こんな情けねぇ奴の事なんて…」


俺がそう言うと


「そ…そんな事ないよ!嫌じゃないよ!それに情けなくなんかないよ!」(一人は…情けなくなんかないよ…)


「華子…」


「いいよ!私でいいなら…一人がそこまで私を必要としてくれているなら…私は一人の側に居たい!」(一人…君の事を私は…)


「えっ!?良いのか?」(華子…)


「うん!勿論だよ!」


「華子…本当に良いのか?側に居させてくれるのか?」


「私も…私も強くなんかないよ…ひとりじゃダメだって思ってる!でも一人が…君と一緒なら強くなれると思えるの!君とならどんな事があってもつらくないって思えるの!それに…それにきっと見つかるよ!一人のしたい事!一人の夢も!私も手伝うから絶対に見つけようね!」(私は一人…君が一緒に居てくれたら…)


「ああ!いつになるかわかんねぇけど…お前となら見つけられそうだ!」(お前となら…)


「一人…頑張ろうね!」


「華子…俺は…」


「一人…私は…」


「華子…」


「一人…」


「………。」


「………。」


俺と華子が見つめ合っていると


「ゴホッ!ゴホッ!」


婆さんが咳き込んでいた!


「いっ…!?」


「あっ…!?」


そう驚きながら俺と華子は揃って婆さんの方に目をやった!


「もしやお主ら…わしがここに居るのを忘れとるんじゃなかろうな?」


「いや…忘れてねぇぞ!?」(やべぇ…婆さんが居んの…忘れてたぜ…)


「そ…そうだよ!?忘れてなんかいないよ!?」(ずっと見られてたのかな?お婆ちゃんに…)


「まあ…良い!それより着いたぞい!小童!」


婆さんが立ち止まりそう言うとそこには古民家があった!いつの間にか着いていたようだ!俺は華子との会話に夢中で気がついていなかった…。どうやらこの家が華子や婆さんが暮らしている家のようだ!


俺は目の前にある古民家を見て


「へぇ…ここが華子と婆さんの住んでる家なのか?」


「うん!そうだよ!家は古いけど…私は住みやすいと思ってるよ!」


「確かにかなり年季の入った家だな!」


「う…うん…やっぱり古い家は嫌だよね…一人も…」(ううっ…やっぱりみんな最新の綺麗な家の方がいいよね…)


「へっ…そんな事はねぇよ!俺も似たようなとこに住んでたからな!」


「ふぇ!?一人も…一人もこういう家に住んでいたの?」(そうなんだ…一人も…)


「あぁ…俺生まれて直ぐに爺いに引き取られてそれから爺いと2人で暮してたんだ!爺いの奴こういう家が好きみたいだから…」(それに俺も爺いも…掃除をまともにやってなかったからもっと古くさかったな…)


「えっ!?ごめんね…私…変な事思い出させちゃって…」(一人も…一人も親がいないんだね…)


「ん!?親がいない事か?そんなもん気にすんなよ?そもそも顔もわかんねぇんだから俺は気にしてねぇんだ!だからお前も気にすんなよ?華子!」


「う…うん……あ…あのね……わ…私も…私も…お…親…」


華子が何かを言いかけたとき


「なんじゃお主ら!?いつまで家の前で喋っとるんじゃ?とっとと中に入らんか?」


婆さんが華子の話を遮る様に俺たちに話しかけてきた!


「あぁ…いや…華子が何か言おうとしてたんだが…」


「なんじゃ?華子…小童に何ぞ言う事があったのかの?」(華子…もしやあの事を…)


「えっ!?ううん…な…何でもないよ…一人早く家に入ろ…」


「あぁ…そうだな!では早速お邪魔させてもらうぜ!」


そう言い俺は家に入った!そして入ってすぐに華子が俺に対して


「一人!一人はここの部屋を使ってね?私はお昼ご飯の準備をしなきゃいけないから一人は部屋でゆっくりしててよ!」


「えっ!?いや…世話になるんだし何かやる事ねぇのか?」


「大丈夫だよ!一人は過去の時代からこっちに来たばかりで色々と疲れてるんじゃないの?だからゆっくりしててよ!」


「いや…でも…」


「気にする事はないぞ小童!今日はゆっくりせい!その代わり明日からは頑張ってもらうぞ!」


「そ、そうか?迷惑じゃなけりゃあ俺はありがてぇけどよ…でもよ…その…いいのか?」


「なんじゃ?他に何か問題でもあるのかのぅ?」


「えっ!?いや…その…アレだ…と…年頃の娘がいるとこに男の俺がいてもいいのか?」


「ん?年頃の娘ってわしの事を言っとるのかの?なに…わしの事など気にするな!わしはお主の様なケツの青い小童など何とも思わんわ!」


「あんたじゃねぇよ!な…何で俺があんたを女として見てる事になってんだ!?あんたに対して言ってんじゃねぇよ!?」(この婆あ…)


「なんじゃ!?じゃあ誰の事じゃ?」(ふっふっふっ…)


「そんなもん華子の事に決まってんだろうが!!」(当然だろうが…)


俺は婆さんの冗談に反応した事とはいえ自分の今の発言が結構恥ずかしい事にすぐに気付く事になる!


「ふぇぇ!?か…一人…そ…それって…ど…どういう事なの?」(一人…)


「いや…こ、これは…その…こ…言葉の綾であって…俺がお前に対して特別どうこうって訳じゃ…」(やべぇ…俺は何て事を口走っちまったんだ!?)


「やれやれ…お主…肝心なとこでヘタレとるのぉ…小童でもお主は一応男じゃろ?だったら華子に俺はお前の事を1人の女として見とるんじゃ!だから俺はお前とあんな事やこんな事をしたいんじゃくらい言ってみんか?」(ダメじゃのぅ…)


「な、何言ってんだよ!?婆さん!?そ…そんな事を言える訳がねぇだろ!?」(そ…そんな恥ずかしい事言える訳ねぇだろ…)


「そ…そうだよお婆ちゃん!?私たち出会って間もないのにそんな事…そんな恥ずかしい事を思うはずないでしょ!?」(もう…お婆ちゃんったら…)


「そ…そうだ!その通りだ!…俺と華子はまだ出会ったばっかなのにいきなりそんな事を…」


「なんじゃ!?では小童…お主!お主は華子の事が嫌いなのか?華子が他の男のとこに行っても後悔せんのじゃな?んん!?どうなんじゃ?」


「ふざけるな!?俺が華子の事を嫌いな訳ねぇだろ!?す…好きに決まってんだろ!?だから他の奴なんかに華子は渡さねぇ!!絶対にだ!」(俺は…俺は…)


俺はまたしても婆さんの発言に反応して恥ずかしい事を言っていたのだった…。


「えっ!?ふふぇぇぇ!?か…一人!?一人…私の事を…そ…そう思ってくれてたんだ…」(そんな…だって…まだ…私たち出会ったばかりなのに…どうして…)


「あっ…!?あああっ…!?い…いや…これは…」


「か…一人…」


「か…華子…」


「一人…一人って私の事…」


「い、いや…その…こ…これは…ち……ちが……」


「………。」


「…………。」


「……………。」


「………………。」


「…………………。」


「ち…違う…違うんだぁぁ!!」


俺はそう叫びながら部屋に逃げ込んだ!


「か…一人…」(一人…私は…)


「やれやれ…些とからかい過ぎたかのぉ…」(思っていたよりも繊細な奴じゃったか?)


「お…お婆ちゃん!?か、からかってたの!?」


「すまん…些とやり過ぎたわい…悪かったのう華子!」


「私にじゃなくて一人に謝らなきゃ!後で一人にごめんなさいするんだよ?お婆ちゃん!あと反省もするんだよ!!」


「あぁ…わかっとる!わかっとる!反省もするし後で謝っとくわい!ところで華子…お前は小童の事をどう思っとるんじゃ?」


「お婆ちゃん!?全く反省してないよね!?もう今日という今日は許さないよ!!お婆ちゃん!!」


「ホホホッ…怒ると肌も荒れるしシワも増えるぞ華子!そしたら嫁の貰い手がいなくなるぞい!!」


「よ…余計なお世話だよお婆ちゃん!!もう怒ったんだから…お婆ちゃんはお昼抜きだからね…」


「嘆かわしや…大事に育ててきた孫にこんな仕打ちを受けるとは…なんと嘆かわし事じゃ…わしは…わしは何て可哀想な婆なのかのぉ…おほほほ…」


「なっ…!?お婆ちゃんが悪いんでしょ?どうして私が悪い事になってるの?」


「おほほほ…おほほほ…わしはどこで間違ったんじゃ?こんな風に育てた覚えはないぞい…おほほほ…」


「もう…お婆ちゃんったら…」(一人…大丈夫かな?)


そうこうしているうちにお昼になっていた!

そして華子が俺を呼びに俺のいる部屋にやってきた!


「一人?ご飯出来たよ!一緒に食べよう!さっきの事はお婆ちゃんの悪ふざけだったみたいだから気にしないで…。後でお婆ちゃんも謝るって約束したからさ…」


「あぁ…お…お…俺はそう気にしてねぇが…そ…その…お…お前はどうなんだ?華子…」


「えっ!?ど…ど…どうって?どういう事…かな?」


「えっと…いや…その…何でもねぇ…飯出来たんだろ?早く食べようぜ!お前の飯がどんなのか楽しみだぜ!」(ええい…気にするな…気にするな!切り替えていかねぇと…)


「そんなに期待されても…私の料理なんて別に普通だよ?一人の口に合えばいいんだけど…」(喜んでくれたらいいな!)


「へへっ!お前が作ったもんが俺の口に合わねぇわけがねぇだろ?俺はお前の事が…」


「一人?私の事がどうしたの?」


「いや…ほ…本当に何でもねぇんだ…さてと飯を食うかな!」


俺は昼飯を食べる為に席に着いた!


「へぇ!旨そうだな!これ全部お前ひとりで作ったのか?すげぇな!」


「そんな事ないよ…そんな大した事は出来ないし…それに私よりも料理の出来る人は大勢いるよ…」


「そうか?俺からしたら十分だと思うけどな!少なくとも俺や爺いよりかは遥かに出来る方だろ?俺なんてほとんど何も出来ないしな…」


「そうかな?でもそう言ってくれるのは凄く嬉しいな!ありがとう!」


「へっ!そういうのはこっちの台詞だ!作ってもらった俺の方がありがとう!って言わないとな!だから言うぜ!ありがとな!華子!」


「うん!たくさん食べてね!一人!」


「おう!いただきます!」


「うむ!わしもいただくとするかのう!」


俺たちは昼飯を食べ始めた!


「それにしても本当に旨いな!この野菜が特にうめぇ!」


「それは家で取れた野菜だよ?お婆ちゃんと2人で栽培してるからね!」


「わしらは自給自足じゃ!野菜も果物も自分たちで栽培しとるんじゃ!」


「そうなんか?それはすげぇな!」


「明日からはお主にも手伝ってもらうぞ!働かざる者食うべからずじゃ!」


「えっ!?ああ…そうだな!だが…俺になんか出来る事があるか?農作業やった事ねぇけど…」


「なに…お主に難しい作業はさせんわい…お主は荷物を運んでりゃよかろう!」


「お婆ちゃん!?一人にだけさせるのはダメだよ!?」


「いや…華子!今の俺にはそれしか出来ねぇからそれでいいぜ!」


「でも…一人!かなりの重労働だよ!?」


「任せとけ!体力には自信がある方だと思ってるぜ!」


「小童もこう言ってるんじゃ!好きなだけ使うんじゃ!重い荷物全部は小童に持たせてやるんじゃ!」


「おう!任せとけ!」


「どんどん運ぶんじゃぞ!小童!」


「おう!」


「ちょっとお婆ちゃん!?さっきから一人に対して厳しすぎるんじゃないかな!?」


華子は婆さんに怒っていた!


「なに怒っとんじゃ華子?お前がそんなに怒るとは珍しいのぅ…」(ふむ…華子の奴…小童の事が…)


「べ、別に怒ってはないよ…」(ど…どうしちゃったんだろ私…)


「華子!?お前…」


華子は俺の方を見て


「一人…食べ終わったらゆっくりしていいからね!」


「あ…あぁ…わかった…」


俺は昼飯を食べ終えると居間で寛いでいた!その間華子は外で何やら準備をしていた!それを見ていた俺は華子のもとに駆け寄り声をかけた!


「んっ!?なにやってんだ華子?」


「ふぇ…!?どうしたの?一人…」


「いや…なにやってんのかなって思ってよ!なんかの準備してんのか?」


「うん!そうだよ!これは配達する荷物を整理してるの!」


「なんだよ!?だったら言ってくれよ!?俺も手伝うぜ!」


「えっ!?いいよ!一人はゆっくりしてていいんだよ!?」


「なに言ってんだよ!?俺言っただろ?お前が嫌じゃなければ手伝わせてくれって…言っただろ!?」


「一人…」


「華子…だから俺にも手伝わせてくれ!」


「うん!そうだね!わかったよ!それじゃ一人にも手伝ってもらうね!」


「おう!任せてくれ!なにからすりゃあ良いんだ?」


「それじゃこの荷物を玄関先の保管場所に運んでくれるかな?重たいし数も多いから気をつけてね!その間私は洗濯と掃除と晩御飯の準備をしてるね!」


「おう!わかった!でも無理すんなよ!?なんでもひとりでやろうとすんなよ!?俺にも分けろよ…そうすれば負担も減るだろ?」


「うん!でも一人も…君も無理しちゃダメだよ!」


「おう!」


そう言って俺は荷物を運び始めた!荷物は重く数も多かったが俺はまともに誰かの手伝いをした事がなかったので、こういうのも悪いもんじゃねぇなと…いや…華子の手伝いが出来ている事の嬉しさなのかなと…そう思いながら運んでいた!


荷物を運び終えた俺は


(ふう…結構疲れるな…これを…華子と婆さんのふたりでやってたのか?)


そう思っていると


「なんじゃ…小童!この程度で疲れたとは言わんじゃろうな?」


「なっ…!?んなわけねぇだろ!?そんな事言うわけねぇよ!まだまだ全然動けらぁ!?」


「そうじゃろう!そうじゃろう!じゃったらわしと家の裏にある山まで水を汲みに行くとしようぞ!」


「ああ!いいぜ!」


「よし!ではどちらがより多く水を汲んでこられるか勝負してみぬか?小童よ!」


「あんっ!?勝負だと!?なんでだ!?」


「なに…今のお主の実力がいかほどのものか知りたくてのう!」(これから先…華子とお主の前に立ちはだかる者を前に…今のお主の実力を知っておかねばのう…)


「いいぜ!見せてやるよ!俺の実力!」


「ふむ!その意気込みやよし!」


「へっ!んじゃいくぜ!」


俺はそう言って走り出した!しかし婆さんはなぜか動かなかったのだ!俺はそれに気づかずに家の裏にある山まで走って行った!


その頃婆さんの所に


「ちょっと…お婆ちゃん!」


そう言いながら華子が慌てて出て来たのだった!


「なんじゃ慌てて出て来よってからに…」


「なんじゃ…じゃないよ!?一人ひとりで裏山に行かせて…お婆ちゃんなにを考えてるの?」


「ふむ!それは今の小童の実力を知りたくてのう!それでじゃ!」


「そんな…危険だよ!だって裏山は…裏山には…」


「そうじゃな!あの裏山は侵入者対策しとるからのう!」


「そんな所に一人ひとりで行かせたら…」


「ああ…間違いなく道中のトラップや…それを切り抜けても…そこに居る…者に…今の小童では到底勝てまい…」


「どうして…そこまでわかってて…どうして…一人が死んじゃうかもしれないんだよ…お婆ちゃん!?」


「わかっとるわい!じゃが…あの程度もクリア出来んようじゃ…この先小童は生きていけん!」


「えっ!?どういう事なの!?お婆ちゃん?」


「この先…小童とそして華子…お主らは強くならねばならぬ!互いを信じて…共に強くならんといかんのじゃ!」


「私と一人が…お互いを信じて…共に強くなる!?」


「そうじゃ!」


「でも…どうしてなの?」


「お主らふたりの前にはこれから先…様々な者たちが現れるはずじゃ!それは人であったり…怪物であったり…そして華子お主と同じ力を持つ者もな!その為には小童は…いや小童と華子…お主もその者たちとの戦闘は避けられんはずじゃ!じゃから小童と共に強くなれ!良いな!華子!」


「お婆ちゃん…」


「さてと…そろそろわしも水を汲みに行くとするかのう!」


「待ってお婆ちゃん!私も…私も行くよ!」


そう言い華子と婆さんは走り出した!その時俺は裏山に入っていた!裏山の道は複数に分かれていたのだ!


「ふう…分かれ道ばっかだな!?どう進んできたか覚えてねぇぞ…」


俺はその中のひとつの道でそう言いながら走っていた!そこが複数ある道の中で最も困難な道だとは知らずに…。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


裏山にある洞窟内にて


「どうやらまた侵入者が…力を持たぬ者が…水を求めて入ってきた愚か者が居るみたいだな…」


「フン!捨て置け!何の力も持たぬ者が…辿りつけまい!」


「いや…そうもいかん!もしもの事もある!もし辿りつかれてからでは…」


「フッ…もしそうなればこの俺が…この俺が直直に殺してやる!」


「その時はやり過ぎるなよ!」


「侵入者に情けをかけるのか?」


「いや…そうではない!」


「ならば何だと言うのだ!?」


「やり過ぎてこの聖地を汚すなと言っているのだ!」


「なるほど!そういう事か!」


「そういう事だ!それだけは気を付けろ!」


「フフ…分かっているさ!」


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


俺が裏山に入ってから数十分が経ったであろう頃


「クソ…なんだここは!?この霧…方向感覚が狂いそうだな!?」(なんなんだ!?ここは…)


俺は入ってから水がある場所までの道なりをまっすぐ進んでいた!そのはずだったが…


「どうなってんだ!?俺は道なりに進んでたはずだ!?それなのに全く近付いている気がしねぇぞ!?道に迷ったか?しょうがねぇ一旦入口まで戻って違う道で行くか!」(クソ…こんな事してたら婆さんに負けちまうぜ…)


そう言い俺は来た道を戻りはじめた!そして戻りはじめて数十分が経った頃俺は…


「おいおい…こんなとこ通ったか?やべぇ…マジで迷子になっちまったんじゃ…」(どうする…どうすりゃあいい…)


俺が慌てていると


「フフフ…誰かな?我らが守護する聖なる山に来た馬鹿な奴は!」


という声が聞こえてきた!俺は身構えながら


「!?…だ、誰だ!?どこに居やがる!?出てこい!」(どこだ!?どこに…居やがる!?)


「フフフ…見えないのかな?どうやら本当に何の力も持たぬ者のようだな!そんな者がここに来たからだ!この程度の術も破れんような奴は死ぬがいい!フフフ!」


「な…なんだと!?術だと!?」(まさかこの霧が…)


「フフフ…まさかこの霧が…と思ったな!」


「なっ…!?なんだと!?」(こ…こいつ…)


「フフフ…こいつ…フフフ!」


「クソ…てめぇ…」(野郎…まさか俺の…俺の心を読んでいやがんのか?)


「フフフ…その通り!貴様のような小僧の心を読むなど造作もない事だ!フフフ!」


「へっ…そうかよ!?だが…てめぇはどうやら大した事なさそうだな!?」


「ほう…それはどういう意味かな!?」


「へっ…なんて事ねぇ!てめぇは隠れてるだけでてめぇ自身じゃなんも出来ねぇ臆病者って事だ!悔しかったら出てこいやぁ!?このチキン野郎!」(へっ…へへ…)


「フン!下らん挑発だ!だが良いだろう!貴様如き小僧にそこまで侮辱されては…このままでは我々の恥だ!貴様が望むなら直接相手をしてやろう!」


そう言い声の主が姿を現したのだった!そして俺はそいつとこの時代で…未来に飛ばされてから初めての闘いになるのだった!

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