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未来への翼  作者: ユキノヤスト
序章・未来への旅立ち
3/16

現代から未来へ:大切な人を失う悲しみと未来への旅立ち!

謎の人物の攻撃により俺は腕を折られ動けずにいた!そんな時俺と謎の人物の間に葉子が入って来たのだった!葉子は震えながらも謎の人物に立ち向かおうとしていた!そして謎の人物の攻撃が葉子に当たるとそう思ったその時…


「死ねぇい!小娘!!」


謎の人物の攻撃が葉子に当たったと思ったが眩い光の壁が攻撃を防いでいたのだった!


「な…何だ?何だこの光の壁は?」


謎の人物は驚いた表情だった。


「誰だ?誰がこんなもんを出したんだ?こんな事ができる奴は普通の者ではないぞ!!」


謎の人物はそう言葉を発した。


「誰だ?小僧ではない!他の者でもない!」


謎の人物は辺り見ながらそう言い


「と…言うことは…」


謎の人物が葉子の方を見たのだった!すると…


「な、何だ!?こ、小娘!?…そ、その姿は!?貴様…いったい何者だ!?」


葉子の姿を見た謎の人物は驚愕していた!なぜなら葉子は眩い黄金の光を全身に纏っていたからだ!いや正確に言うとそれだけではなかった!葉子は全身から眩い黄金の光を纏っていただけでなくなんと背中には羽根が生えていたのだった!俺には葉子の姿が天使…いや…女神の様に思えた!


「は…葉子!?お前…その姿は…いったい…!?」

驚きながらも俺は葉子にそう問いかけていた!


「私もよく分からないよ!でも…一人を…みんなを助けることが出来るなら何でもいいよ!」


葉子はそう言っていた!


「フフフッ…ハハハッ!成程!貴様だったのか?小娘…」


謎の人物は驚いた表情から笑みを浮かべながらそう言い放った!


「どう言う事だ?なんか知ってんのか?てめぇ!?」


俺は謎の人物にそう問いかけた!


「フン!貴様如きに話しても理解出来ん!それにこれから死ぬ貴様が知る必要はないわ!ゴミが!!」


謎の人物はそう言い放った!


「なんだと…!?てめぇ…!?」


俺がそう言っていると


「大丈夫!大丈夫だよ!一人は死なせない…。一人は絶対に死なせないから…。」


葉子はそう言っていた!


「葉子…お前…」


「フフフッ!俺は特別な力を持つ者を探していた!それがまさかこんな小娘だとは思わなかったぞ!それにこれ程の力を持つ者だとは思わなかった…。だが…これで俺の計画は完遂される!この小娘の力あれば可能なはずだ!」


謎の人物はそう言葉を発した。


「俺の計画だと!?てめぇいったい…どう言う事だ!」


「フン…その力…この俺、バドライド様の計画の為に利用させてもらうぞ!!」


バドライドと名乗った謎の人物は葉子にそう言い放った。


「ふざけないで!一人や大勢の無関係の人たちを傷つけた貴方に協力するなんて絶対にありえない!!」


と言ったときの葉子の表情は俺も1度も見た事がないほどに怒りをあらわにしていた…。


「そうか…大人しく俺に協力する気はないか!?ならば仕方がないな!?否が応でも協力してもらぞ!!」


「私の大事な人を傷つけた貴方だけは…どんなに謝っても私は許さない!!」


「俺を許さないだと?笑わせてくれるな小娘が!!調子に乗るなよぉ!!確かに貴様は強大な力を持っているがそれだけでこの俺に勝てると思っているのか?」


「勝てるよ!いや…勝たなきゃいけない!!貴方なんかに絶対に敗けられない!!」


「ほざくなぁ!!小娘がぁ!!半殺しにしてから無理やりにでも協力させてやる!!」


「貴方に殺された人たちの為にも、ここに生き残っている人たちの為にも、そして一人の為にも貴方だけは絶対に私が倒す!!」


そう言い葉子とバドライドはもの凄い戦闘を始めた!互いの力がぶつかり合ったその衝撃は凄まじく側に居た俺や他の者たちはただ見ていることしか出来なかった…。


葉子の黄金に輝く光の球とバドライドの黒い球体を応酬しあっていた!

壮絶な撃ち合いに終わりが見えないかと思った時だった…。


「貴方は許さない!!はぁー!!」

葉子は今までより力を込めた強力な一撃を放った!


「ぐ、ぐぉおお!!バ…バカな!?お、押されているだと!?こ…この俺が…こ、こんな小娘ごときに押されているだと!?あ、ありえん!?ぐ、ぐぅ、ぐぉ!!ぐぉわぁああ!?バ、バカなぁああ!?」

葉子の光の球とバドライドの黒い球体のぶつかり合いで葉子の放った光の球が押し勝ちバドライドに直撃したのだった!


「す、すげぇ…とんでもねぇ強さだ…。」


俺は怪物を吹っ飛ばした葉子の力に驚いていた。


「はぁ…はぁはぁ……はぁはぁはぁ……一人、大丈夫?」


葉子は少し息を切らしながらも俺の心配をしていた。


「俺のことより葉子…お前の方こそ大丈夫なのか?あんなとんでもない力を使っていたんだ…。」


「私は大丈夫だよ…少し疲れたけどまだ大丈夫だから、一人の方こそ本当に大丈夫なの?」


「このくらい大丈夫だ!葉子…すまねぇ…お前がいなかったら誰も助からなかった…すまねぇ…俺じゃアイツから誰も助けられなかったよ…。」


「はぁはぁ…そ、そんなの一人が気にする事ないよ!!はぁはぁ…私はみんなを一人を絶対に死なせたくなかったから…守りたかったから…だから戦えたんだよ!」


俺たちはこれで助かったと終わったと思っていた!だが…まだ終わってなどいなかったのだった…。

葉子が怪物を吹っ飛ばした辺りは砂煙が舞っていたのだが、そこからものすごい量の黒いオーラが砂煙をかき消したのだった!


「う、ウソだろ…葉子の…あの攻撃を食らってまだ生きてやがんのか?」


「はぁはぁ…そんな…まだ倒せてなかったなんて…。」


俺と葉子は驚きを隠せなかった…。


「グ…グッ…グオォォォ!!ハァハァハァ…クソッ!?ハァハァハァ…。」


かなりのダメージは負っていたがバドライドは生きていたのだった…。


「グ、こ、これ程の強さとは思わなかったぞ…。クソックソックソッ!!こ、このままでは計画が…。」


「計画だと?何なんだお前のその計画とは…。」


俺はバドライドにそう問いかけた。


「ハァハァハァ…フン、貴様ごときに教えてやる義理はない!!」(仕方がない…こうなったらあの手で行くしかないな!)


「てめぇ…」


俺がそう言っていると


「ハァハァ…言いだろう!し、知りたいならば教えてやろう!フフフッ!俺は小娘の力を使い未来へ…1000年後の未来へ飛ぶのだ!!そしてその時代で俺は究極の力と身体を手に入れ世界中の全て奴らを跪かせてやるのだ!!」(時間を…稼がねば…)


「何だと?そんなくだらない理由でこんな事をしたのかよ…。」


「ハァハァ…フン…貴様らにどう思われようと知ったことではないわ!ハァハァハァ…俺は必ず手に入れてみせるぞ!どんな手を使ってもな!!」(まだだ…まだ時間を稼がねばならん…)


「大丈夫だよ一人!そんな事絶対させないから!!私が阻止してみせるから!!」


「フフフッ…阻止する事など出来んさ…。小娘…貴様は必ずこの俺に協力せざるを得なくなるのだ!!」(まだ…もう少し…時間を稼がねば…


「どういう事なの?協力せざるを得ないって…!?」

葉子がそう問いかけると


「フン、直にわかるさ…。フハハッ!!」(あともう少しだ…もう少しで…)


「てめぇ…いったい…」(何だ?何なんだ?このバドライドのこの自信は?)


「………。」(いったい…どういう事なの?)


俺と葉子がバドライドの言葉に疑問を抱いているとバドライドの絶対の自信がある事の意味を知ることになるのは直ぐに訪れるのだった…。それによって葉子あんな事になるとは思いもしなかった…。そしてそれは突然の出来事だった!俺たちの居る場所が大きく揺れ始めたのだ…。


「な、何だ?こ、この揺れは?」(地震…!?いや…)


「な、何!?いったい…何が!?」(な、何だろう!?と…とっても嫌な予感が…)


「フフフッ…時間だ!」(やっとか!?フフフッ…いいぞ!)


「なんだと…!?てめぇ…どういう事だ!?」(この揺れは…いったい…!?)


「………。」(このままじゃ…一人やみんなが…)


「フフフッ…特異点のここで強力な力を持つ者同士がエネルギーを放出し続けていればと思ったがやっとか始まったか…。フハハハハッ!!」


バドライドは満面の笑みでそう話した。


揺れはどんどん強くなっていき立って居るのすら困難な状態だった!


「な、何これ?」


「どうなってるんだ?」


「う、うわー!」


など周りに居た人達は悲鳴をあげていた!

更に上空に歪みが出始め歪みは瞬く間に広がり上空には大きな穴が開いていた!


「な、何だ…何なんだあの穴は?」


俺が呟いていると


「く、やはりこうなってしまったかのう?」(やはり歴史は…未来は…)


と聞き慣れた声が聞こえてきた。俺はその声の方を見るとそこに居たのは爺いだった!


「爺い…な、何でこんな所に!?」


「一人のお爺さんどうして!?」


俺と葉子が同時に爺いに問いかけると


「詳しく説明している時間はない!これからとんでもない事が起こるぞ!気を引き締めるんじゃ一人に葉子ちゃん」


と爺いは話した。


すると大きく開いた穴から俺たちの居る場所に白い光を発している球体が猛スピードで落ちてきたのだった!


「フハハッ!!まずは力のない者…雑魚から消えて行くぞ!!」


バドライドがそう言うと


「ぎゃあああ!!!」


「助けてくれぇええ!!」


「うわぁああ!!!」


と俺たちの周りにいた者たちが次々と消えていったのだ…。それはバドライドの攻撃ではなく白い光を発している球体に当たったからだった…。


「な…何なのこれは!?」(これって…いったい…!?)


「なんだよ!?これは…!?」(白い球体に当たった奴の身体が…消えていってやがる!?)


葉子は光の壁を出して防ごうとしようと試みたが周りにいた者たちは皆混乱し彼方此方に散らばっている為大量に降り注ぐ白い光の球体を防ぎきれていなかった…。


「う、うわー!?」


「た、助けてくれぇ!」


「死にたくないよぉ!」


白い球体に当たった瞬間に次々に消滅していく者たちを見て俺は驚きを隠せなかった。しかも消滅した者たちは光の粒子となり穴に吸い込まれていった!


「な、何なんだよこれは!?当たっただけで消滅するだと!?それに吸収されてんのか??」


混乱しながらも俺は必死で白い球体を避けていた!


「気を抜くな一人!絶対にこれに当たるなよ!当たれば消滅するぞ!?死にたくなければ避け続けろよ!!」


爺いは大声でそう叫んでいた。


「フハハッ!1つだけ教えといてやろう!これに当たれば消滅し穴に吸収されるのだ!!あの穴は周りにある物全てをエネルギーに替えるのだ!まぁ今吸収された雑魚どもは微々たるもんだがな!」


次々と落ちてくる白い球体により気付けばこの場に生き残っているのは俺と葉子、爺いにバドライドのみとなっていたのだった!さらに学校や他の建物なども吸収された為辺りは全てが更地となっていた…。


「う、ウソだろ!?あれだけの人が居たのにみんな死んじまったのかよ?」(じょ…冗談じゃねぇぞ…おい…!?)


「フフフ…ハハハ…今ので地上の半分の人間は消滅したはずだ!だがこの程度でうろたえてどうする?これはまだ第1段階だぞ!もう直ぐ第2段階に突入するはずだ!」


バドライドそう言いながら光の球を避けていた!


「アイツも避けているって事はこれはアイツの仕業じゃないって事か?それに第2段階ってどういう事だ?」


「フハハッ!第2段階になれば光の球体は消える!だが穴は辺りのありとあらゆる物を問答無用で吸収し始めるのだ!!球は避けられるが穴から出る吸引力は強力だぞ!小僧、貴様程度では逃れられんだろうな!!」


「な、そんな…そんな事絶対にさせない!どうすれば防ぐ事が出来るの?」


「フン、それはな穴を安定させればい良いのだ!小娘…貴様ならば出来…」


バドライドがそう話しているとき


「黙れ!それ以上口を開くな!バドライド!!」


爺いが大声でバドライドの言葉を遮った。


「じ、爺い!?」


「お爺さん!?」


俺と葉子は今まで見た事のない爺いの表情に驚いていた!


「お爺さん方法を知っているなら教えて下さい!早くしないと一人もお爺さんも穴に吸い込まれる!私の力で何とか出来るならその方法を…。」


「すまんのぅ葉子ちゃん…。それは教える事は出来んのじゃ!教えると君は必ずやるじゃろう…。そうすればワシや一人は助かっても葉子ちゃん…君は…君が…。じゃからこのまま穴が吸収し続けても君は、君1人は必ず助かるはずじゃ!」


「私1人だけって事は一人やお爺さんは?」


「死ぬじゃろうな!」


「そ、そんな…そんなのって…。」


「仕方のない事じゃ…。ワシも一人も覚悟くらいは出来ている!のう…一人!」


「爺い…。そんなもん当たり前だ!!」


「か、一人!?な、何言っているの一人!?そんなのダメだよ!!」


「葉子…お前1人なら生き残れるんだ!だったらそれが一番良いんだ!だから俺や爺いの事は気にすんな!」


「そんなの絶対嫌!!許さないよ!私1人だけ残して死ぬなんて!怒るよ私!!だからそんな事言わないでよ!次そんな事言ったら絶対許さないから!!」


そう叫んだ葉子に


「葉子!?お前…。」


「葉子ちゃん!?」


俺と爺い同時に驚いた。


「私1人生き残ってもそんなの意味ないもん!一人がいないと嫌だよ…。一人には生きていてほしいの!一人が側にいてくれたからいつも力が勇気が湧いてくるの!」


そう言う葉子の身体は今までより強く眩い黄金の光を放っていた。


「は、葉子…お前…何で…。」


「一人、お爺さん、私は大丈夫だから…だから…」

葉子がそう話しているとき


「小娘…貴様の全生命力を力に替えて穴に向かって放ち続ければそれで穴は安定するのだ!」そうバドライドが葉子にそう言い放った。


「なっ!?バドライド!?テメェ!!何言ってんだ!?」


「そうなんだ…それでいけるんだ?」


と言う葉子に


「そ、そんな事すんじゃねぇぞ葉子!?そんな事したらお前が…」


俺が葉子にそう言っている最中


「フハハッ!!諦めろ!!穴が出現した時点でいや…俺がここに来た時点でこうなる事は決まっていたんだ!小僧!さあ…小娘早く穴を安定させるのだ!」


とバドライドがそう言い放った!


「貴方に言われなくても私は絶対に穴を安定させるから!!」


「やめろ葉子!?そんな事したらお前は死んじまうんだぞ…。やめてくれ葉子…。」

そう言う俺に葉子は


「一人…やめる事は出来ないよ…。私が穴を安定させないと一人が死んじゃうもん!そんなの絶対嫌だから!だから私は行くね!」


俺は行こうとした葉子の腕を掴み俺の方に引き寄せ抱きしめた!


「葉子…行くな!!行かないでくれ!!俺はお前がいないとお前がいないとダメなんだよ!!」


「か…か、一人!?」


「葉子!!俺は今まで恥ずかしくて言えなかったけど言わせてくれ!!本当はお前がいつも側にいてくれて本当は嬉しかったんだ!!俺は…俺は…俺はお前の事がずっと好きだったんだぁ!!大好きだったんだぁ!!」


そう言い俺は葉子を抱きしめてキスをした!!


「だ、だから行くな!約束しただろ!?ずっと一緒にいるって…約束しただろぉ!!俺の事なんてどうでもいいんだ!俺だけ生き残ってもお前が死んだら…お前がいないと意味ないだろ!」


俺は葉子を強く抱きしめながらそう叫んだ。


「一人…私も…私も一人の事が好きだよ!大好きだよ!!小さい頃からずっと大好きだったんだよ!!一人もそう思っていてくれて嬉しいよ!本当はずっと一緒にいたいけど…でもあの穴を安定させないと一人が死んじゃうもん!一人の本当の気持ちが聞けてよかったよ!初めてこうして抱きしめあえてよかったよ!初めてキスしてくれて本当に嬉しかったよ!ありがとう一人!でもそろそろ行かなきゃ…。」


そう言い葉子は白い翼を羽ばたかせながら穴の方に飛んで行った!


「こんな穴なんかに一人はやらせない!!絶対守ってみせる!!」


そして葉子は穴に向かって光のエネルギーを放出した!


「はぁ!!」


穴は葉子の光のエネルギーに吸収する事により少しずつ安定していった!


「はぁああ!!!」


さらに葉子はエネルギーを放出し続けた!


「フフフッ…もう少しだ!もう少しで安定する!」


バドライドは穴の方を見て笑っていた!


「は、葉子ちゃん…」


「や、やめろよ葉子…もういい…もうやめてくれよ…葉子…葉子!!」


俺はそう叫んだが葉子は


「はぁはぁ…やめられないよ…も、もう少しで安定しそうだもん…そ、そうすれば一人は助かるから…だからここでやめるわけにはいかない!!はぁあああ!!!」


葉子はさらに強力なエネルギーを穴に放出した!それにより穴は完全に安定した!


「はぁはぁはぁはぁ…よ、よかった…はぁはぁ…こ、これで一人は助かる!よかった…ほ、本当によかった…。」


そう言う葉子の身体から出ていた翼と眩い光は完全に消えていた…。

そして上空から地上に落ちていった!


「は、葉子…葉子!!」俺はそう叫びながら走り出した。


葉子の身体が地上に落ちる前に俺は身体を投げ出し受け止めた!

そして葉子を抱きしめながら葉子に話しかけた!


「は、葉子…葉子大丈夫か?返事をしてくれ葉子!!」


「はぁはぁ…か、一人?よ、よかった…はぁはぁ…あ、穴は完全に安定したんだね…こ、これで一人は助かるね!はぁはぁはぁ…私は嬉しいよ…。」


そう言う葉子は普段とは違い弱々しい声だった…。身体も冷たく力が抜けていき瞼を開けている事さえままならない状態だった…。


「葉子…死ぬな…葉子!!死なないでくれよ!!葉子!!死ぬなぁーーーー葉子!!」俺は葉子の身体必死で抱きしめ叫び続けた!


「か、一人…はぁはぁはぁ…さ、さ…最後に1つだけ…わがまま言ってもいいかな?」


「さ、最期なんて…そんな事言うなよ!これから何回でも言って言いから最後なんて言うな葉子!!」


「はぁはぁはぁ…ダメだよもう…時間がないの…はぁはぁ…だから最後に1つだけ…わ、わがまま言わせてね…はぁはぁ…最後にもう1度だけ…き、キスして欲しいの…ダメかな?」


「そんなもんこれからいくらでもやってやるから、だから死なないでくれよ!葉子…。」


葉子の身体が先程よりも力が抜けていき冷たくなっていくのが抱きしめていてわかった…。


「はぁはぁ…そ、そ…そんなもんじゃないよ…はぁはぁ…だ、大事な事だか…そんな事言わないで…。」


「わ、悪かった…だが最後なんて言うなよ…葉子!」


「はぁはぁ…一人…お願い…はぁはぁはぁ…」


「ぐぅ…くっ…わ、わかったよ…葉子…。」


俺は覚悟を決めて葉子の身体強く抱きしめキスをした!これが葉子と最後のキスになるんだもう2度とこの身体を抱きしめられなくなるそう思うと俺は必死で抱きしめキスをしていた!


「あ、あ…ありがとう…か、一人…はぁはぁ…さ、さ…最後にこうしてか…一人とキスが出来てよ、よかった…はぁはぁはぁ…これで何も思い残す事なくいけるよ…つ、次にう、生まれ変わっても…はぁはぁ…一人と出逢って…はぁはぁ…一人と抱きしめあって…き、キスがしたいな…い、今までありがとう…一人…大好きだったよ………。」


そう言って葉子は瞼を閉じ身体は黄金の光となって消えていった…。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!は、葉子!葉子!!葉子!!!」

俺は大声で泣き叫んでいた…。俺は後悔していた!なぜ俺は葉子に優しく出来なかったのか…。なぜもっと葉子と居られる事を楽しめなかったのか…。なぜもっと早く葉子に好きだと言えなかったのか…。俺はそんな後悔を…自分の馬鹿さ加減に…惨めさに…打ちのめされながら…泣き叫んでいた…。


俺が泣き叫んでいる様子を見ていた爺いは


「一人…す、すまん…ワシに力があれば…。」


「……爺いのせいじゃねぇよ…俺が…俺が弱かったから…俺が…俺がバドライドを倒せていればこんな事にはなってなかったんだ…」


「フン…貴様ごときがこの俺を倒せていればだと!?笑わせてくれる!前にも言ったがこうなる事は決まっていたんだ!小娘が死ぬ事は決まっていたんだ!俺がここに来た時点でな!フハハ!」


「黙れ…バドライド!ワシは前に言ったはずじゃ!!口を開くなと!!バドライド…貴様はワシがここで殺してやる!!刺し違えてでもな!」


「フハハ…刺し違えてでも俺を殺すだと!?フッフッフ…昔の俺だと思っているのか?もう貴様のような老いぼれでは相手にならんのだ!!」


「ならば試してみるかのぅ…バドライド!!」


「面白い…未来に行く前に殺してやる老いぼれ!!」


爺いとバドライドが戦いを始めたようと構えたとき


「爺いぃぃ!!」


俺は大声で叫んで止めた!


「一人?なんじゃ?」(一人…もしや…)


俺は爺いとバドライドの間に入り込んだ!


「そいつは…バドライドだけは…俺が…俺が殺す!!」


「大丈夫なのか?一人…お前バドライドに折られた腕は大丈夫なのかのう?」


「ああ…問題ねぇ!恐らく葉子の力で治ったんだろうな!あいつの力で俺は生き残った!だから…そいつは…バドライドは俺が殺す!」(そして俺は…)


「フン、貴様が俺を殺すだと…何回も言わせるなよ小僧がぁ!!俺もそう気が長い方じゃないんだぞ!貴様など相手になるか!消えろ小僧!!」


「それはどうかな!?どんな事をしても…てめぇだけは…てめぇだけは絶対に殺してやる!」


「フン、懲りない奴だ!良いだろう!殺してやろう!来い小僧!!」


「行くぜ…」


俺はバドライドに向かっていった!


「うおぉぉぉ!!」


「フン!こんなもの…」


避ける気のなかったバドライドに俺の攻撃が直撃した!


「グッグォォ…な、なんだと!?バカな…」


余裕の表情をしていたバドライドは顔を歪めていた!


「おらぁ!!まだまだいくぜ!!」


さらに俺はバドライドに攻撃を直撃させ続けた!


「グッ…グハッ…グハッ…バ…バカな!?な、なぜだ!?ま、前まではこんな小僧の攻撃など効いてなかったのに…なぜだ!?」(いったい…どういう事だ!?)


バドライドは苦悶の表情をうかべていた!


「どうした!?バドライド!!まだまだこんなもんじゃねぇぞ!」(こんなもんじゃ…済まさねぇ!)


「ちょ…調子に乗るなよ小僧がぁ!!」


バドライドの攻撃が俺に直撃した!


「くっ…!?」


「フフフッ…どうだ小僧!泣き叫べ!!」


「へっ…へへ…それがどうした…」


どういうわけか前ほど痛みを感じなかった!


「フン…やせ我慢はよせ…苦しければ前みたいに泣き叫べ小僧!!」


「ぬかせ!この程度でやられるかよ!てめぇを殺すまではな!」(前より痛みを感じねぇ!このまま押し切る!)


「一人…バドライドは葉子ちゃんの攻撃でかなりのダメージを負ってるとはいえ…一人のが押しておる!これは…やはり…一人の中にある…あの…」(どうやら本人はまだそれに気づいとらんみたいじゃがな…)


俺とバドライドは互いに避けずにひたすら攻撃を繰り出した!


「こ…小僧がぁ!殺してやるぞ!!」(どうなっている?俺が小娘との戦闘でダメージ負っていたとはいえこんな小僧の攻撃がこ、こんなに効くとは!?)


「へっへへ…どうしたバドライド!遠慮すんなよバドライド…エネルギーの球体を使っていいいんだぜ?」


「ナメるなよ!小僧がぁぁ!!貴様ごときにこの俺がこのバドライド様が素手以外で攻撃などするか!!よかろう本気で攻撃してやるもちろん素手での攻撃だ!」


「そうかよ!おれもまだ本気じゃないぜ!まだこんなもんじゃねぇぞ!いくぜ!」


さらに俺たちは殴りあった!


「おらおらおらぁ!そらぁ!うおぉらぁ!!」


「オラオラオラァ!ウォオラァ!」


お互いに防御も回避もせずひたすら攻撃のみ殴りあいだった!


「グフッ…ゴホッ…ゴホッゴホッ…バ、バカな…グハッ!?な、なぜだ!?」(や、やはり前よりも…つ、強くなってやがる…。)


「はぁはぁはぁ…へっへへ…へへへ…どうした…はぁはぁ…バドライド?」


ノーガードの殴りあいのためお互いかなりのダメージを負っていた!


「はぁはぁはぁ…そろそろ決着をつけようぜ!バドライド!!」


「ハァハァハァ…決着だと!?フン…いいだろう!!」


「うおぉぉおおおお!!殺してやる!!」


互いにそう言い攻撃を繰りだそうとしたときだった…。


安定した穴から俺たちに向かって黄金の光が照らし出された!


「何だこの光は!?」

俺がそう言うと


「フン!どうやらこの時代では貴様を殺す事は出来ないみたいだな!」


「なんだと!?どういう事だ!?」


「この光は中にいる者は全て未来に飛ばされるのだ!1000年後の世界にな!」

バドライドがそう言い放った!


「な…なんだと!?1000年後の世界だと!?クソッもう少しでてめぇと決着がつけれたのに…。」


「フン…決着をなら向こうでつけてやるぞ!最も貴様がこの時空の転送に耐えられればの話だがな…。」(出来れば来てもらいたいもんだな…。俺1人が向こうに行くより貴様も向こうの時代に…そうなれば新たな混乱を招く事が出来そうだからな…。)


「へっ…テメェが行くってんならどんな所だろうが行ってやる!例えそこが地獄だろうが行ってやるぜ!!そこでけりをつけてやる!!」(葉子の為にも…絶対にてめぇだけは許さねぇ!)


「フフフッ!その勢いがどこまで保てるか見ものだな小僧!」


光に包まれた俺たちは穴に引き寄せられた!


「一人!今のお前ならば大丈夫じゃと思うが向こうでは一瞬の油断が命取りになるのじゃ!気を引き締めて行くのじゃぞ…。」


「もう2度とヘマはしねぇよ爺い!葉子の為にもそんな簡単にはやられたりしねぇ!あの野郎を片付けるまでな!」


「そうか…ならば良いが向こうは今の時代よりも強い者が…特別な力を持つ者も多いのじゃ…。じゃから戦闘中は決して油断する事があってはならんのじゃ!」


「…そんなになのか?」(爺いがここまで言うとはそんなに危険な所なのか?)


「行けばわかる…。じゃが…先ずはこの時空を超えるのに耐えなければならんのじゃがな!」


「フン…貴様らベラベラ喋っている場合か?そろそろだぞ!そんなんで耐えれるのか?」


(葉子…俺はどうやら別の時代に飛ばされるみたいだ。俺は向こうでバドライドの野郎とけりをつける!もしかしたら死ぬかもしれねぇ…。せっかくお前に助けてもらったこの生命だが…俺はあの野郎だけは死んでもを倒さねぇと俺は自分自身が許せねぇんだ…すまねぇ…葉子!)


俺たちは穴に吸い込まれた!


「ぐ…な、なんだ…こ、これは!?こ、これが時空を超えるってことか?ぐぅ…う、うわぁああ!!!」(なんだよこりゃ!?)


「ふむ…老体のワシには堪えるのう…」(2度目でも…堪えるのう…)


「フフフッフハハッ…向こうでも貴様らを利用させてもらうぞ!俺様の計画の為にな…」(俺様は…俺様が全てを手に入れる!未来の世界でな!フッフッフッ!)


こうして俺たちは時空を超えて1000年後の世界に飛ばされたのだった!そこで俺は様々な出会いと別れ…をするとは思いもせずに!

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