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第二十二話 ピー!動物を殺すのは犯罪です!!

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 進みが遅くて申し訳ないです。(/ω\)

 

 それはオース領にちょうど入ったところであった。

 突として馬車が止まり、笛の音が短く2回響き渡る。


 どうやら俺達を引く御者さんが吹いたものらしい。

 うつらうつらしていた俺は停止した拍子にエニグマさんの肩に頭がぶつかり、意識が覚醒した。


 (うぅ、腰と尻がいてぇ…)


 これでも馬車に用意されている座布団と自前のやつとでカバーしているんだけどな。

 いつだったかピーターさんが言っていたのは本当であったか。


 横を見るといつの間にかエニグマさんが前を覗き込み、御者さんと話をしている。

 大方停車の理由を聞きに行っているのだろう…。

 あ、戻ってきた。


 「どうやら、前に魔物がいるらしい」


 「マジっすか?」


 この乗合馬車は後ろに商会の物資を乗せた馬車も引き連れている。

 先の笛は後ろに敵襲を知らせるものだったのだろう。


 「ほら、いくぞ」


 「え?」


 良く分からないまま馬車を降り、正面に移動する。

 前方50m程奥にはゴブリンが6匹いるのが辛うじて見える。


 様子を見るにまだ気づいていないのだろう。

 寄ってたかって何かに夢中になっている。


 「御者殿、後は私たちに任せてもらおう」


 「あ、あぁ。危なくなったら戻って来いよ?手助けするから」


 「手助けなど無用だ」


 え?俺らが殺るの?あれ。


 「さて、私達の初めてのクエストだ。気張っていこうじゃないか」


 「いや、まだ冒険者になってないんですが?」


 「ゴブリンの耳でも持っていけば、ちょうどいい手土産にはなるんじゃないか?冒険者になるためにも試験が必要と聞くし…」


 「手土産って…」


 流石に近くまで歩いていくと、仲間の一人がこちらを認めたらしい。

 全員がこちらを見据え、臨戦態勢に入る。


 ゴブリン達の真ん中には、うさぎだろうか?動物の死骸が。

 所々かじられているのを見るにつまみ食いをしていたのだろう。

 グロテスクな…。


 教科書で見るより醜悪でこいつ等の下卑た面構えやその臭気が不快感となって近づくなと本能に訴えかけてくる。

 今更になってコイツらを殺生することに関して、強い抵抗を覚える。

 野生の熊と戦った時は無我夢中で成り行き任せ、必要に駆られてな所があったが今回は違う。


 柄を握る左手が汗ばみ、小刻みに震えるのを感じる。


 「魔物を狩るのは初めてか?」


 「…」

 

 「…、止めて帰るか?」


 「帰らない」


 「はぁ…、『火よ(ファイア)』」


 彼女は溜息を吐くと、ゴブリン達を縦に割るように真ん中の1匹に炎を発射、火達磨にする。


 『ギャァァァァアア』


 『グギャ!?』


 『ギャギヤ!?』


 ゴブリン達はそれぞれ大きく飛び退き、1匹と4匹とでうまい具合に分かれる。

  

 エニグマさんはそこに割って入り、追加の炎で敵を牽制すると、


 「ほら、そこの無手のゴブリンからやってみろ」


 とのたまう。


 俺は渋々、背から革の盾を、腰から剣を引き抜くと、堂の入った構えを見せる。

 構えだけは無駄に一丁前。

 素人の典型的な特徴である。


 はぐれたゴブリンは両手を上げ、こちらを威嚇してくる。

 背を向けているエニグマさんにはどうやら興味がないらしい。


 飛び掛かるでもなく、正々堂々走り込んできた相手に冷静に全体重を乗っけたシールドバッシュをお見舞いする。


 クリティカルヒット


 目の前には完全に伸びたゴブリンが。

 恐らく盾の真ん中、鉄製の固い部分にでも当たったのだろう。

 鈍い音と手ごたえがあったのを自覚した。


 さて、ここからだ。

 

 大きく深呼吸。

 両の手で柄を握ると、気絶するゴブリンの心臓に思いっ切り剣を突き刺す。

 肉を割き、ゴリッと魔石を割った手ごたえを感じる。


 「うぇ…」


 気持ち悪い。

 危うく口の中まで出た吐しゃ物を慌てて飲み込む。

 

 俺がこれからの生活を案じ、思わず顔をしかめると、

 

 「もう終わったか?じゃあお次はっと」


 横からエニグマさんの声が。

 僅かに赤みがかった彼女はまた1匹分断すると、『ほら殺れ』と言わんばかりにこちらに蹴り飛ばしてくる。

 かなり手慣れた手つきだ。 

 …、どうやらわんこそば形式らしい。少しは休ませろよ。

 

 「首は落とさないようにな。処理が面倒だ。」


 今更になって彼女との覚悟の違いを痛感する。

 というか、彼女は武家の名門出身だ。

 幼少から動物や魔物を狩っていたのだろう。


 そして、俺は今彼女の優しさに甘えてしまっている状態だ。

 何がパーティーだろう。

 お荷物でしかないことが悔しい。

 啖呵を切って地元を出て来た自分が恥ずかしい。


 「クソがっ」


 柄の尾で己が顎を殴り、自分を叱咤する。

 頭がクラクラするが逆にそれが心地良い。


 サイコーにhighって奴だ。


 (おうおう!人殺しでも魔物の解体でもやってやろーじゃねーか。ここは異世界なんだぞ!自由に生きてーなら強くなれ!強くなりてーなら昔の価値観はさっさと捨てろ!!)


 そんな思いをぶつけるように目の前のゴブリンを一突き。

 倒れ込んだ所を滅多刺しにしていく。

 こんな雑魚如き、盾なんて必要ねーわ!


 「お!ノって来たな!次」


 そうして3匹目、4匹目と片付けていき最後の1匹は、


 「おりゃぁああああ!!」


 エニグマさんのお望み通り、上下真っ二つにしてやる。


 「あー!やるなって言ったのに…。まぁ初めての難題はどうやら克服できたようだな」


 「はぁ…はぁ…、おかげさまでまだまだ冒険を続けられそうです」


 「それは何よりだ。血糊はちゃんと拭いておけよ」


 そう言い終えると、彼女はゴブリンを道の脇に放りやっていく。

 戦闘は俺に任せた分、処理はお任せ。

 そういうことなのだろう。

 

 左耳を剥ぎ土に穴を作ると、ゴブリンの死体を落としていき、炎で燃やしていく。

 彼女は今肉が焦げるような何とも言えない異臭を間近で体感していることであろう。

 まぁ彼女にしかできない仕事なのでしょうがない。

 後で道路が凄まじい腐敗臭で満たされるのも良くはない。

 ここはマナーの問題だろう。


 俺は暫くそれを見届けた後、馬車に入る。

 己が仕事が終わったのだと言わんばかりに。

 

 果たしてこれで本当に良かったのか?

 

 未だ微かに震える手を見つめながら、俺はそう独りごちる。

 俺の不安とは裏腹に馬車は何事もなかったかのように進み、やがてはオース領が央都オースに到着する。

 

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