第十七話 メインイベントって10回早口で言える?
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ふと目が覚めたのは疲労が回復したからなのか。
はたまた日差しのせいか、
会場の高揚感に当てられたか。
それかコレから行われるナニカを感じ取ったものなのかもしれない。
いやその全部か、
まぁどーでもいい。
「はぁ、やべぇな。寝すぎた。ぜってぇ今日寝れない奴じゃん」
振り返って見れば、俺がこうして何事もなくスヤスヤ眠れる世界に来たのはある種幸運だったのかもしれない。
そんなことを思いつつ、起き上がる。
周りを見渡すと、ブルーシートには幾人かの生徒がいたが、俺が話しかけられそうな相手はいなかった。
「あ、2号とか呼ばれてた人」
が、顔見知りの奴は一応いた。
そう言えばここ最近まで停学してたんだったなあのそばかす君。
あの後、マルクスと1号とか呼ばれてた奴は写真の証拠から退学処分。
俺らの証言からついでに浮き上がったあそこの2号君は停学処分を受けていた。
というか今更何だが、この世界カメラなんてあるのな…。
その内インターネットとかパソコンとかも出来てくれるとありがたいんだが…。
それはさておき、停学明けに俺達にペコペコ謝りに来て、それ以来面を向かわせてないが、気弱な彼の事だ。
恐らく彼らとつるむ、やむを得ぬ事由があったのであろう。
まだ本当の名前も聞いてない事だし、彼の罪悪感を和らがせるためにもいつか近いうちに話しかけてみるのもいいかもしれない。
「にしても、みんなしてどこ行ったのかな…」
上を見上げると日が傾き始めている。
恐らくお昼はかなりすぎている頃だろう。
ルームメイトのマロロも含め、それぞれに出る種目があるし、別に自分の種目に出てれば何処で何してたってかまいやしない。
体育祭なんてそんなもんだろう。
いや、魔闘祭だったか、今のところファイトする要素なんて一つもないが…。
「仕方ない、寂しくはあるが一人で見るか」
先ほどまでの煩わしさも相まって、俺が久方ぶりの孤独を感じていると、
「お!起きていたのかアノア君」
ロングの白髪をなびかせながら、日陰からエニグマさんが来る。
彼女も律儀に割り当てられた自分たちの場所で観戦していたのだろう。
「あ、お疲れ様っす。大健闘でしたね」
「うむ、そっちもだいぶ疲労してたようだが大丈夫か?」
「はい!ついさっき起きまして元気100倍です!」
「ふふふ、何だいそれは…?隣いいかな?」
「えぇ」
元々、そのつもりであったのであろう。
彼女は手に持ってきたアウトドア用の小さな椅子に腰掛ける。
「さて、いいタイミングに起きたな。これからが魔闘祭のメインイベント、3年生の方々による騎馬戦だ」
「騎馬戦っすか…?まさか魔法ありで?」
「あぁ知っていたか。昔から今に至るまで白兵戦で馬が使われることは少なくない。これも立派なお祭りを彩る熱き戦いだな。お!来るぞ!」
凄まじい歓声とともに戦士たちがグラウンドに入場してくる。
そして三角形を描くように3つの辺を作ったかと思うと、それぞれがまとまり円陣を作り出す。
「アノア君、構えといた方がいいぞ」
「構えるって?っ!!」
『ゴゴゴゴゴゴゴ』
次の瞬間、天をつんざく程の雄叫びとともに、まるで圧し潰されるのではないかと錯覚するほどの重力が会場に吹き荒れる。
そして、その圧力を前にして、隠しきれない笑みを浮かべる者が隣に1人。
「これが魔闘祭名物、プレッシャー。それぞれが魔力を対外に噴出し、そこに己が戦闘への固い意思を込め、相手を威圧し尚且つ自陣を鼓舞し合う行い。」
「行くぞぉぉぉおおおおお!!!おめぇらぁ!!!!!!!」
「「「おう!!!」」」
「何で笑ってるんすか…?」
「うん?笑ってたかい?アノア君は初めてで少しびっくりしてしまったかな…、でも『これぞ血肉湧き踊る戦いだ』と思ってしまうのは古くから受け継がれる貴族の血筋のせいなのかもしれないな。まぁまだまだ出し物は始まったばかりだ。楽しもうじゃないか?」
前に向き直ると、4人1組になって騎馬を組んでいるところであった。
どうやら、3チーム、バトルロワイヤル形式でやるらしい。
「魔法って危なくないんすかね?」
「そこが1番重要な所だ。ほら正面から出てくるぞ」
「正面って…」
グラウンドの手前中央、1段高くなっている朝礼台が置かれている場所に、浅黒い肌で銀色の髪の秘書と、それに抱えられるようにして壇上に上がってきたのが、
「あぃ」
「校長かよ…」
「ん?君校長を馬鹿にしているな?」
「いやだって赤ちゃんだし…」
「赤ちゃんに校長が務まるわけないだろう。まったく…、クリストフ卿の本当の実力を見るといい」
校長は再び、言葉にならない喃語を喋ったかと思うと、凄まじい魔力を吹き出し、巨大で複雑な陣を空中に描き出し、魔法を生み出す。
その魔法は薄く半球状になったかと思うと、大きく広がっていきグラウンド全体を覆い、やがて停止する。
半球の中は物理的に日の光が緩和されたからかは分からないが少しヒンヤリしている。
「うわ、すっご」
「やはり何度見ても素晴らしいな…、これが校長の無属性系の結界魔法…」
「結界魔法?」
「あぁ、この結界の中ではもし死んでしまったとしても、魂が土に還らずに保持出来るらしい。結界がある間に肉体を再生すれば、生き返ることが可能というまるで神の御業のような魔法だな。結界魔法の中でもそんなことが出来るのは卿くらいなものだろう」
「へぇー…、でもこれ俺達もその再生対象とやらに入ってるんじゃなくて?」
「…、ま、万が一の処置だろう!ほら!周りに先生達が待機しているしきっと防御魔法で観客は守ってくれるさ!」
「もうちょい離れよっと…」
「チョットマッテー!!」
まぁ冗談はさておき、確かに待ってましたと言わんばかりに俺らの前にはA組の担任バーナード先生が出て来た。
エニグマさんの言う通り、周りを見回すと囲うようにして先生が配備されているのはそういうことなんだろう。
そもそもこれはたかが一学校の行事である。
これは万が一の為であり、勿論非殺傷の魔法限定など、俺達と同じような制約の元行われることだろう。
じゃなきゃ、PTAが黙ってない。
「さて、始まるぞ」
それからの戦いは壮絶を極めた。
赤白帽などは被ってないので、実践同様騎馬が落ちたら負けなのだろう。
下の者が陣を組んだりはたまた無詠唱で、加速や防御魔法を発現し、上をサポート。
上に乗るものは魔法で相手を攻撃し、相手の騎馬を崩そうとしたり、同じく上にいる者を落としたりしている。
中には所持している木製の武器で相手を殴り倒しているヤツもいるようだ。
それぞれのチームが戦い合いながらも、くの字型になりつつ、陣は決して崩さない。
相手を裏へは行かせないという鬼気迫る表情からはこれが実際の戦争ではないのかと勘違いさせるものがある。
「顔、笑ってるぞ」
「へ?」
「やはり私が見込んだ通りだな…、お!もうすぐ佳境に入るぞ!
」
俺は顔に手を当てる。
無意識の内に笑っていたのか…?
まぁ俺もプロレス感覚で見ていたのかもしれない。こういった類は決して嫌いではない。
戦況は何と天、赤色のうちのチームが人、黄色カラーのC・D組の陣を食い破ってぐちゃぐちゃにしていた。
その余波に引きずられるように、サポートに回ったり、隙を縫うようにして魔法を不意打ちで当てたりと戦場はどんどんカオスになっていく。
その中でもやはり、防御魔法や加速魔法など下の土台がしっかりしている騎馬が生き残っているのが傍から見ていると良く分かる。
が、やはり一番最初に陣を乱した黄色組は他2チームに狙われ、息も絶え絶えの状況である。
ここは一番余力を残していた青チームが有利か…。
いや違う。
人数が少なくなってきての少人数戦であることにより、鮮明に分かる。
赤チームの一つがB・E組主体である地、青チームをちぎっては投げ、ちぎっては投げの獅子奮迅の活躍をしていることに。
恐らく彼らがA組のエース騎なのだろう。
当たらなければどうということは無いというスピードで敵の魔法を交わし、相手の騎馬の土台ごと近距離魔法で吹き飛ばしてまわっている。
たった1騎で戦況が変わろうとしている。
「ほう、アイツはレオニダスか…」
不意に前でのんびりしていたバーナード先生が口を開く。
「レオニダスさんですか?」
「あぁ、現副団長の1人息子らしい。度々他の先生との会話で出てな…、凄く優秀な生徒らしい。来年は安泰だな」
「来年ですか?」
ここでエニグマさんが出張って来たので、俺は会話のバトンを渡し、引き下がる。
「レオニダスはまだ2年生だ。騎馬戦は3年からのスカウトで助っ人に入っているらしい」
「そうですね。今まで忘れてましたが、一応騎馬戦は全学年参加可能の全体競技でしたね…。その危なさから伝統として3年生が主に参加することになっていましたが」
そんな会話をしているうちに、赤・青・黄色のエース騎、恐らく大将のようなポジションの騎馬が雁首揃える。
赤チームも青チームも互いに潰し合い、数を少なくしている。
因みに黄チームは残り1騎のみだ。
誰が見てもここら辺がこの物語のクライマックスと呼べるものになるだろう。
青チームは大きい木剣を持ちながら素早く、黄チームは防御魔法を分厚く上の生徒も盾を持ち、バッシュを試みようとそれぞれが手を組み、レオニダスさんが上に乗っている赤組のエース騎に襲い掛かる。
しかし、彼はその逆立った金髪をなびかせつつ、巧みな防御魔法で青チームの攻撃を黄チームに受け流す。
そして、互いに態勢が僅かに崩れたところを、
「『大衝撃波』」
決して見逃さない。
両者の乗り手が1mは吹き飛び、ゴロゴロと地面を転がる。
あぁ、痛そうだ…。
それを合図に、青チームは降参。
騎馬戦は赤チームが優勝となった。
「ほえー」
俺がアホみたいな声を出したのを2人から見られたので、話を続ける。
「凄かったっすね、さすが学園名物というべきか」
「まぁもしかしたらお前も将来その一員として参加することになるかもしれないぞ」
「無理っすよ、俺魔法使えないし…」
「確かに魔法が使えないというのは大きなアドバンテージかもしれないが、アノア君がそれを塗り替えればいいんじゃないか?私は期待しているぞ?」
そんなこんなで今回のメインイベントが終わった。
が、魔闘祭はまだまだ終わらない。
不定期投稿申し訳ないです。気ままに投稿していきます、
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