第十五話 てるてる坊主は逆さに吊るすと体調が悪くなります
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「伸び伸びと背伸びの運動から!」
そして3日後、天気は快晴。
俺たちは特に対策を取ることもなく、その時を迎えていた。
今俺がこうして異世界に来てまでラジオ体操をやっていることに関してはあえてツッコまない事にする。
大学生時代、オンラインゲームで培ったどんな時も平静を保つ能力はこういう所で発揮されるものなのだ。
ふと、隣のA組からこしょこしょ話が聞こえてくる。
「なんか、マグネスさん今日風邪でお休みらしいよ」
「えー!うちら絶対綱引き勝てないじゃん!どうすんの?」
「…」
(あんのクソガキ!?なにやっとるんじゃぁああ!)
準備体操が終わり、直ぐに俺たちはグラウンド袖の入場口で待機することになる。
次はもう自分たちの番であるからだ。
待機場所にはイザベラちゃんの代わりに眼帯を付けたエニグマさんがそこにはいた。
どうやら噂は本当だったようだな…。
「あぁ、いた。マグネス嬢に変わって私が2種目出ることになった。よろしく頼むぞ主将」
「イザベラちゃんって…」
「昨日から風邪でな…。初めての魔闘祭で気負いすぎたんだろうか、とても残念であるな。そうだ、お見舞いに行った時に君宛に手紙を預かっているんだったな」
(何だろう…。何か特別な作戦があるとか?)
エニグマさんから貰った2つ折りの手紙を開けると、そこにはただ一言、
『踏ん張れ!』
の文字。
「…」
「おぉ!良いじゃないか?踏ん張れというところがまた綱引きと相まってだな…」
「いや良くないですよ…」
「…?なぜそんなに君は悲観的になってるんだ?お祭りだぞ?もっと楽しもうじゃないか」
「そうですね…。エニグマさん、前言いましたよね?俺には可能性があるって」
「あぁ、言ったな」
「根拠はどこにあるんですか?」
「それは…、言えないが。この眼帯に誓って言おう。君には必ず綱引きの才能がある!」
彼女は髪をかき上げ、隠れていた右目の眼帯に手を当てて恰好を付ける。
「綱引きって、嬉しくないんすけど…。じゃあその才能とやらをここで発揮するにはどうすればいいんですかね?」
「うーむ」
エニグマさんは考えに考え込む。
そして、俺たちの入場合図がなり始めたと同時にその口が開かれる。
「とにかく、平常心でいること…、だと思う」
「思うって」
余りの適当さに思わず、苦笑してしまう。
が、彼女のその信頼の裏には何かしらのカラクリはあるんだろう。
今一度、その可能性を信じてみてもいいのかもしれない。
と思って小粋に入場した数十分前の俺を殴り倒したい。
あれから、C・D組と戦って普通に負けました。
確かに、火属性の高位魔法なのであろう、体が赤みがかったエニグマさんの自己強化魔法のエフェクトは凄く、中々パワーもあったのであろう。
だが、如何せん重厚さと持久力が足りなかった。
いい勝負をすることが出来たのであったが、もう一押しすることが出来ずに負けてしまった。
恐らく、イザベラちゃんがいたら勝っていた、と思ってしまうのは野暮なことなのであろう。
というか、俺も実践の舞台で舞い上がってしまい、入場前のことはきれいさっぱり吹き飛んでいた。
ようやく負けてここに移動し、ある程度我に返ったという次第である。
待機場所から前を見ると、案の定ズルズルと引きずられているC・D組の姿が。
俺らに勝利した時の笑顔が見る影もない。
ざまぁみろ。
2試合目が終わった。
結果は予想通り、ここでA・F組が勝てば晴れて引き分けに持ち込むことが出来るが。
「うっしゃー!おいお前ら続けて勝つぞ!!」
「「おう!」」
相手は一度負けてるB・E組、多分魔法、筋力、戦略そして勢いどれにおいても彼らに勝っているものは今のところないのだろう。
万事休すか。
不意に肩を叩かれる。
「うぉっと」
「また気負いすぎていたのか?アノア君、リラックスな」
そう言い残してグラウンドの真ん中に向かうエニグマさん。
俺は両手で自分の顔をはたき、我に返る。
(ビークール!!いつものお前らしくないぞ。おい!怖気づいてんのか!いい加減にしろ俺)
完全に気持ちを切り替えた俺がグラウンドに出てくる。
両者ともに準備万端でどうやら俺待ちのようであった。
「よし、いい目つきになったな。それじゃあ始めようじゃないか」
「おせぇぞ!あれから何処まで仕上げて来たか見てやろう」
「あ?生意気いうなよ、同学年だろ?」
「な!?」
そそくさとポジションに着く。
やっぱりこれくらい啖呵は切っとかないとな。
張り合いがないだろ?
全員が所定の位置に着き、審判が前に出張って来る。
運命の一瞬
「両者位置について…、始め!!」
今始まる。
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