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1.ある休日のこと。

比奈の生活能力は、想像を絶するw










「アンタ、今日も比奈ちゃんのところに行くの?」

「ん、そうだけど。どうしたんだ、母さん」

「えー? 別にぃ?」

「…………あ?」



 なんだか、少しだけイラっとした。

 調理をする手を止めて、振り返るとそこにはニヤニヤと笑う母の姿。

 母は俺のことを上から下まで舐め回すように見た後、昔を懐かしむようにしてこう言うのだった。



「いや、ね。マサと比奈ちゃん、昔から仲良かったでしょ?」

「そりゃ、幼馴染みだからな」

「馬鹿ねぇ、アンタ。そういう意味じゃないわよ」

「……え?」



 俺は意味が汲み取れずに首を傾げる。

 卵焼きを作る手は止めずに、相手の出方を待っているとこう言われた。



「まぁ、マサがそれで良いなら良いけど。比奈ちゃん泣かせるんじゃないわよ?」

「意味わかんねぇ……」



 結局、意味不明のまま。

 俺がため息を混じりに調理を進めると、母さんは最後に爆弾を投下した。




「……それで、いつ挙式?」――と。




 それを聞いて、俺は思わず声を上げる。





「そんなんじゃねぇからな!?」









 朝倉家の前に到着し、俺はチャイムを鳴らす。

 しかし、例によって比奈は出てこなかった。いいや、あるいは外出しているのかもしれない。そういえば今日、顔を出すことを連絡するのを忘れていた。

 当たり前のようにきてしまったが、よく考えれば普通ではない。



「…………」



 でも、そこまで考えて。



「いや、普通じゃないのは俺だけじゃない」



 そう結論付けた。

 俺は一つ息をついてから、ドアノブに手をかける。

 そしてゆっくり力を込めると、ドアは当然のように開くのだった。



「やっぱり……」



 苦笑いしかできない。

 俺は「やれやれ」という、滅多に使わない言葉を口にしながら。先日のように、朝倉家へ足を踏み入れた。その瞬間であった。



「…………へ?」




 信じられないものを見つける。




「比奈……?」



 物が散らかる玄関に、比奈がうつ伏せに倒れていた。



「………………」



 俺はそっと、彼女が息をしているのを確認。

 その上でこう訊ねるのだった。



「なぁ、もしかしてお前……飯、食ってないのか?」




 すると、虚ろな目をしながら答える幼馴染み。




「え、えへへ……ぜんぜん……」

「どれくらい?」

「えっと、入学式の日、から……?」

「………………」




 それを聞いて、俺は思わず大声で叫ぶのだった。






「それって、四日前じゃねぇか!?」――と。






 


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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です(◍•ω•◍)。 [一言] 他の短編書こうとしてるみたいだが更新大丈夫? ……他作品含めて
[良い点] くさww
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