3.こうして始まった新しい日々。
明日から、一日2話を目標に書いていきます(*‘ω‘ *)
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「……はぁ、ホントに一時はどうなるかと………」
「あはは~! どうしたのマサ兄、そんなため息なんかついて!」
「…………お前のせいだけどな、これ」
そんなこんなで、高校へ向けて出発。
どうにか間に合いそうなので、ゆっくりと歩いていると比奈がこう言った。
「それにしても、嬉しいなぁ……」――と。
それが、どのような意図を持った言葉なのか。
俺には分からなかった。
新生活への期待か、それとも……。
「ところで、さ」
そう考えていると、ふと忘れていた疑問が浮かんだ。
それを比奈にぶつけることにする。
「どうして、比奈は親御さんと海外に行かなかったんだ?」
俺の幼馴染みは、一人暮らしが壊滅的にできない。
これはきっと彼女自身も、薄々ながら感じていたことだろう。
それだというのに、どうして比奈は海外出張について行かなかったのか。俺にはそれが、疑問で仕方がなかった。
だから、それを彼女に訊いたのだが……。
「え? あ、えー……っと、ね?」
どういうわけだろう。
比奈は途端に耳まで真っ赤になって、うつむいてしまうのだった。
俺は答えを急かすことなく、じっと待ち続ける。しばしの沈黙が続いてから、ようやく幼馴染みは面を上げた。
そして、どこか蕩けるような笑みを浮かべてこう口にする。
「ひみつ……っ!」――と。
幼馴染みは、少し小走りで先を行く。
こちらを振り返って、また笑顔。
俺はそれを見て、つい小さく笑んで思うのだった。
「まぁ、いっか……」
これから、こんな日々が続くのだろう。
少し大変かもしれないが、どこか心地良い気もした朝だった。
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