第八章 畳の下の
それはまるで、人狼ゲームに出てくる、あの処刑台のようだった。
ギロチンとか言う奴だ。ゲームによっては、首吊り型の物もあるんじゃなかったか。
そんなことはどうでも良い。なぜこれがここにあるのか。
人狼はそういう趣味も持っているのか?
よく見てみると、ご丁寧に説明まで書いてある。しかも英語で。
「Should a wolf come, use this」?
英語で書いてあることや、「wolf come」とあることから、対人狼用に作られた物なのかもしれない。
「use this」...「これを使う」か?
僕の知識ではその程度が限界だ。
ということは、この館はそもそも人間用に作った物なのか、あるいは人狼を倒すためにこれを持ってきたか...
そう考えていると、足下から、何やら物音がする。地下か。
何かあるかもしれない。何がいるかもわからない。でも、どちらにせよ、死ぬ可能性の方が高いんだ。可能性に掛けてみよう。
畳をしっかり調べると、一つだけ、簡単に外れる畳があった。
そこには、鍵の付いた扉があった。
もしかしてと思ったが。予想は当たった。血濡れた紅い鍵は、その鍵を開けてくれた。
はしごで下まで続いている。数mだが、その雰囲気に圧倒され、はしごを降りるだけで疲労感が溜まる。
そこには小さい部屋と、一人の人が居た。