第七章 結局は1人
集団行動と言ったのはトラちゃんだろ?なんで居なくなったんだ?それにヘリオさんも。
そう思いながら部屋を出た。すると、床がなんだか少し、濡れていた。
そして、それは赤かった。
僕は、何が起きたか、すぐに理解した。
次は僕の番か。
そう思うと、恐怖が体中を襲い、しばらく動けずにいた。
しっかりしろ、なんとしてでも、脱出してやる。
人狼に敵う気はしない。でも、人狼は遅かった。頑張ってどこか隠れられる場所まで逃げられれば、撒くことが出来るかもしれない。
極小の希望を胸に、とりあえず、四階に行ってみることにした。
四階はそこまで広くはない。短い廊下と、ドアが数個、下へ続く階段あるだけだ。
開けることが出来たドアは一つだけだった。中をそぉーっと確認する。ベッドがひとつある。どうやら、寝室のようだ。
中に奴はいない。ベッド横にはタンスがあった。
このマラカス...万が一鳴ったら面倒くさい。とりあえずここに入れておこう。
そのついでに、鍵も一つ見つけた。畳の間の鍵のようだ。部屋を探索して、鍵を見つけて、人狼から逃げる。まるでゲームでもやらされているかのような。
それ以上は何も見つからなかったので、畳の間を探す。人狼に怯えながら探したから、数十分はかかったが、一階で鍵が刺さるところが見つかった。
細心の注意を払って、音を立てないように入り、扉は閉じた。
鍵を掛けようかとも思ったが、万が一のことを考えて、鍵は開けておく。
これまでの洋風感満載の部屋達と違って、この部屋に入ると突然和風だ。
襖もいくつかある。そのうちの一つを恐る恐る開くと、
「なんだこれ...処刑台...?」