6/10
第六章 効率的な探索とは
「あつさん、これは...?」
「...人狼は本当に居たんだ。あいつは...雨谷を喰った...」
しばらくその空間は無音が包んでいた。
「...この館から早く出よう。」
口を開いたのはトラちゃんだった。
「でも...玄関は閉まっていた。」
「このサイズの館だ...どこかに予備キーがあってもおかしくはないだろ。」
でも...もし人狼がまた出たらどうすれば?
そう言おうとしたが、
「よし、集団行動で行くぞ。3階は調べ尽くしたから、行くなら4階だな。」
冷静だ。というか、1階で何があったのかも言われてないし、3階を調べたあとに一度2階に降りてきてから次は四階に行こうというのか?効率が悪い。
そう言う暇すらくれず、もうすでに二人は部屋から出ていた。
雨谷に手を合わせてから出よう。
雨谷であった物に手を合わせる。そして、ふと、血で濡れている床を見てみると、そこには血まみれの鍵があった。どこの鍵なのかは、わからなかった。
とりあえず拾ってから、部屋を出たが、
そこに2人の姿はもうなかった。