第二章 何故マラカスが
ここは...リビングか?
大きめの机と四つの椅子、そしてキッチン。ここで飯を食べるのだろう。
キッチンのカウンターの方を見ると、床にマラカスが落ちていた。
「このマラカスが音の正体みたいだな。」
そういって振り返るが、そこに3人の姿はない。
ついてきてなかったのか?
まだ玄関にいるのだろう。そんな軽い気持ちで、玄関へ向かうが、3人の姿はない。
「ね、怖いとかじゃないんだよ?ただ、突然いなくなられると、寂しいだけで…」
流石に、雨谷やヘリオさんは、屋敷の奥へはいかないだろう。と思って玄関の扉を開けようとするが、びくともしない。
外から閉める用の鍵はついてなかったはずだ。
外から何らかの方法で閉めてるのか?
まあ、別にいいさ。館中を捜索しきってからどうにかしよう。
そう考えながら、ちょうど見えた扉に手をかざすが、開かない。
こっちも、こっちも、
「開かない扉多過ぎだろ、なんの面白みもない」
ようやく一つ、扉が開く部屋があった。机が一つにクローゼットが二つ、壁掛け時計が一つとあるだけの寂しい部屋だ。
この館に住んでた奴が内装ほとんど捨てたか売ったかでもしたのか?
そう思いながら、クローゼットを開くと
そこに、雨谷がいた。