買い物に行きます 優視点
兄様と留美姉さまの計らいで、私と美空さんの二人っきりになりました。
幼い頃に分かれた幼馴染の女の子。
美空さんは多分、今でも兄様の事が好きなのかも知れない。
そのことを思うと、私は少し辛いけど私と二人でも普通に居る美空さんを見えると、安心する。
このまま、立ちっぱなしもおかしいので行動しようかな。
「服が見たいので服屋を案内してください」
私の提案を聞き、美空さんは嫌そうな顔をする。
私が嫌と言うか、めんどくさそうな感じの顔だった。
服屋へ案内されると中々、可愛い服がある。
近場にあった可愛いワンピースを取って美空さんに聞く。
「美空さん、この服は私に似合うでしょうか?」
私自身と、服を交互に見て困った様な照れたような顔をする。
多分、この服を着ている私を想像して可愛いと思ったのでしょうね。
「似合いそうですかでは、これも買いましょう。」
その言葉を聞き今度はビックリした感じがする。
この町へ戻って、小林家に居候させて貰い、今日まで見ていたがやはり、美空さん…
嫌な思いを忘れる様に色々と服を買い込んだ。
ここまで付き合わせたので美空さんにも服をプレゼントする。
美空さんが選んだのは何と、私が最初に手に取ったワンピースの色違いだった。
同じ趣味なのが嬉しくて、少しテンションが上がりそうだったのを堪えて会計を済ます。
「すみません。このワンピースだけ別の袋でお願いします。」
私は、美空さんの服だけを別にして貰う。
すぐに渡せた方が良いと思っての行動なのだが、この行動が結果的に美空さんに嫌な思いをさせるならやるべきことではなかったと後悔する。
「はい、どうぞ」
私はさり気なく、袋を差し出して、美空さんが受け取ろうと手が触れた。
その時、袋を手放したら袋が地面に落ちた。
(なんで?)
美空さんの顔を見ると真っ青になっており、足が、手が震えていた。
「大丈夫ですか?」
私の言葉を不思議そうに聞く美空さん。
本人的には何で、私がこの言葉を出したのか理解できていないのだろう。
美空さんの表情が私の罪…
私が守らなければいけなかった笑顔と明るい彼女はもう…
立った2~3秒位の時間だが、後悔と懺悔を繰り返す私には長い時間の様に感じた。
ポケットに入っている携帯が鳴る。メールだ。
「兄様たちも選び終わった様ですので帰りましょうか」
私は帰路を促すが、彼女の手を握る所か、隣に並ぶ勇気も無く、彼女の少し前を歩いた。
色々、徐々にこの物語の問題を出していきます。