買い物に行きます
どうも、美空です。
私は今、街中で二人ボッチです。
隣には、着物を身に着けている優くんのみ。
チラッと顔を伺うと優くんは全く、気にした素振りも無く、目の前の服を吟味していた。
と言うか何故?こうなったかと言うと…
「美空!買い物に行くよ」
姉さんが急に私の部屋の扉を開けて、宣言していた。
勝手に行けば良いのでは?と思わずには居られない。何故なら私は今、忙しいのだから。
「勝手に行けば?って目をするのは辞めようよ。今回の買い物は大聖くんたちに街の案内と必要な物の買い出しだよ。」
そうか、大聖さんたちが来た時に「荷物が少ないな~」っと思っていたが、こちらで全て買い足す予定だったのか。
うーん、姉さん一人じゃ3人の案内は確かに大変だし、付き合うか。
姉さんと一緒に玄関へ向かうと、大聖さんたちはすでに待っていた。
「美空ちゃんも来るんだね。案内、宜しくね」
大聖さんのスマイル最高です。輝いてるように見えるよ。
「まぁ私の引き立て役には丁度良いですね」
横に立つ黒髪の少女(男)優くんは私を見て言いやがった!
確かに、黒髪のロングを軽く纏めて、着物(女性物ですよ)を着た優くんは見た目は、大和撫子の様に見えるが…男には負けない…負けてはならない!
「兄さん、あまり美空さんに喧嘩売るのは辞めた方が良いよ」
隣の遼平君が兄に注意しているのがだ、物凄く和む。可愛いわ~。私はショタじゃないけど、小動物的な空気はやばい。
最初は5人で買い物に出かけていたのだが、姉さんと大聖さんが本屋で遼平君の参考書を選んで居たら、優君が「服が見たいので服屋へ案内してください」と言うものだから3人とは、別行動になったのだ。
そして現在の、二人ボッチの行動になるわけです。
「美空さん、この服は私に似合うでしょうか?」
持っていた服は白いワンピースだった。男の子が買う物ではないですよ。似合いそうだけど…と言うか物凄く可愛くなるよそれ!
「似合いそうですかでは、これも買いましょう。」
目は口ほどに物を言うとは良く聞くが何も言っていないのになぜ、わかる!
「どうしてわかるの?」
「うん?あなたは覚えてるかわかりませんが、欲しいときや嬉しいなどの感情が強いときに同じ目をしていました。それを覚えてるだけですよ」
そんなにわかりやすいのかな?私…
「私の買い物もですが、美空さんも女性なのだから、良い服を買われたら良いですよ。もしあれなら、御礼に1着差し上げますよ」
私は、あまり服とかに興味が無いのだが…まぁ貰えるものはありがたく頂きますかね。
「ではこれを」
私が手に取ったものは、優君が手に持ってるワンピースの色違いだった。
正直、このワンピースブランド品なのか高くて手が出せなかったが珍しく欲しかったのだ。
「それで良いのですか?」
ワンピースを受け取って、会計をする優君。
優君自身は物凄い数の服を買い、金額が凄いことになってるのだが平気で支払いしていた。
金持ちなのか…やはり。
「はい、どうぞ」
優君が袋を私に渡して来たので、受け取ろうとしたら手が触れた。
思わず手を放して、袋が地面に落ちた。
「大丈夫ですか?」
何故?大丈夫と聞いたのだろう?言葉に疑問を抱きながら、地面に落とした袋を拾う。
「大丈夫です。少しびっくりしただけです」
そう、触れてビックリしただけだ。
「兄様たちも選び終わった様ですし帰りましょうか」
携帯のメールを見ながら、私に帰路を促した。
優君と二人ボッチ。何故だか懐かしくも不安がある一日だった気がした。