変化の始まり
気に入って頂けたら幸いです。1話700~1000字位の短い物を次々、更新する予定ではあります。
長文が好きな方は、読みごたえ無いかもしれないですが、よろしくお願いします
どうも、私が語り部の小林美空です。
私の家族は一般家庭で、会社員の父親と専業主婦の母親、1つ年上の姉の4人家族でした。
何故、過去形かと?そうですね…中学3年の春から不穏な動きがあったので…まずはその時の話をしましょうかね。
私は本当に普通に過ごしたかったのですよ。
「みんな聞いてくれ、今日から我が家をリフォームしようと思う」
突然、夕飯の場で父がおかしな発言をした。
我が家は姉が生まれる少し前に建てたので築20年程だと思うが、まだリフォームを検討する年数でもない気がする。
金持ちならあり得るが、我が家はただのサラリーマンの父しか収入減が無いため、貧乏では無いが金持ちでもないのだ。
母はいつも通りニコニコしながら味噌汁を飲んでいた。
「ちょっと、お父さん。リフォームするお金があるの?それにお母さんも何か言ってよ」
姉の留美が父に問い詰める。
私も姉の意見に賛成なので言葉には出さないが父の顔を睨む。
「ふむ、お金は問題ない。少し事情があり、親友が援助してくれたというか全額出してくれる。やったな!」
「お父さん!やったな、じゃないよ」
明らかに胡散臭い話である。友達でも自分の済まない他人の家のリフォーム代を全額出すなど普通ではない。何か裏がると思う。姉も胡散臭そうに顔を歪めていた。
私も姉も自分たちで言うのもあれだが美人姉妹で、学園でも有名なのだが、そんな姉の歪んだ顔は見たくなかった。
「まぁ確定事項なので、もう取りやめることは出来ん。明日は日曜日で休みだし。近くのマンションを借りたからリフォームが終わるまでそっちで済むから、準備しろよ」
「「はぁ~」」
何と、私たちに拒否権は無かったのですか!姉もため息を吐いて、渋々、納得した。
「大きい家になると良いわね~」
「大丈夫だよ。真由美大きな家になるからな!」
母さん…思う感想がそれですか…
味噌汁を飲み終えて、お茶を飲んでいた母さん。
液体ばっかりじゃないですかさっきから!
お腹タプタプになるよ!しかも、おかず減ってないし!
「やっぱり、嫌いなものは食べれないね~困ったわ」
「母さん、だったら何で作ったの?」
「だって、留美ちゃんも美空ちゃんも好きでしょ?だったら作るよ~」
お皿の上に、ピーマン、ニンジン、シイタケが残っていた。
好きと言うほどでも無いが嫌いでも無いのが本音で、自分の好き嫌いで料理を変えないのが母なのだ。
自分の嫌いな料理でも父や私たちが好きなら作ってくれる。ただ、涙を流しながら食べてた光景は正直、心が痛みますよ。
後日、これは私と姉の間ではリフォーム事件と呼び、この日から平穏と言うか普通な家庭から一変していくのだった。