SAVE8
Phase9
33: 名無しさん@SG 20**/**/**(*) 23:57:18.92 ID:0CgDVDTq0
乱出が収まったみたいだ
34: 名無しさん@SG。 20**/**/**(*) 00:18:13.45 ID:TcLXILdmP
まぢでよかった。やっぱ騎士は頼りになるぅ!!つ[入隊希望書]
35: 名無しさん@SG。 20**/**/**(*) 00:19:04.16 ID:0CgDVDTq0
相変わらず強化版はいるみたいだし、乱出が収まっただけで運営のメンテのおかげじゃね?
36: 名無しさん@SG。 20**/**/**(*) 00:23:47.45 ID:RecXILdmP
確かにww
37: 名無しさん@SG。 20**/**/**(*) 00:28:47.25 ID:009DVLiq0
JD様が抑えたとか聞いたけど?
38: 名無しさん@SG。 20**/**/**(*) 00:35:35.78 ID:ExelILdmP
なんですと!?(゜o゜)ネ申キタ!!!
Loading9
------------------
---------
風がさらさらと髪を撫でていくけれど、気持ちは相変わらず濁って淀んだまま風に攫われもせずにここにある。
いっぱい聞きたいことがあって、話したいことがあって、やっと追いついたかと思っていたのに。
「匡……」
シンボルを使ったとき体を貫く痛みに混じってフラッシュバックのように流れて混んできたいくつかの映像、あれは何だったんだろう。
それを目を凝らして見ようとすると痛みがさらに強くなって、後ろから誰かが私の目を隠す。
『お前は見なくていいんだよ』
そう言いながらくすくすと笑っていた。
(まだ知らないことがあるのかな)
覚えていないことがあるのかな。思い出を大事にして、落として壊さないように大事にしていたはずなのに、こうやって思い返すと記憶の一部が虫食いで、思い出そうとしても思い出せない。
全てが優しい匡の笑顔で塗りつぶされている。
その裏に何があったのか、覚えていない。
「……」
聞けば教えてくれるんだろうか、それともやっぱり知らない方がいいんだろうか。
優しかった匡は、私の世界を壊して、そして何がしたいんだろう。
この世界にいれば、ちゃんと匡と向き合うことが出来るんだろうか?
「……」
「ここにいたのか」
「……正親さん」
海が一望出来る小高い場所に座っていると、いつの間にか隣に座っている正親さんが黙って私と同じように海を眺めている。
ここからは波の音は聞こえてこなくて、寄せては返す波の動きをぼんやりと眺め続けた。
「千尋さんは大丈夫でした?」
「ああ、斗真が治してたから視力にも問題ないだろ」
「そうですか……」
言葉少なく会話がぽつぽつと繰り返される。聞きたいことも考えればいくらでも出てきそうだけど、それをここで聞いていいような気もしなくて、でもここに1人じゃないことを確かめるかのようにお互いが言葉を交わしているようにも感じる。
「お前は……お前が望むことをしろ」
「……」
望むことは何だろう。匡に逢いたくてやっと逢えて、手を差し伸べてくれたのにそれを振り払って今ここにいる。
私はこの世界にまだ他にしたいことがあるのか、何かしたいことがあってここにいるんだろうか。
匡をまだ追いかけたいと思っているのか、それとも怖いのか。
(私の……望む事……)
「……」
誰か教えて欲しい
大事にしようとしていた思い出は本物だったのか
大事だと思っていたこの歪な世界は間違いなのか
匡は、この世界で何がしたいのか・・・
「私……の」
私はこの世界の『最後』に、何を望んでいるのか・・・
「……とりあえず今は何も考えず気持ちを落ち着かせろ」
「正親さん……」
「気持ちが決まったら……付き合ってやるから」
気持ちを決められることが出来るんだろうか
だいじなものって・・・何なんだろうか
「……」
気持ちは波の花のように溶けて消えていった。