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東方 双陽炎 0ー6


時刻は午後の2時過ぎ、今日は学校をサボることにした。

明日は兄との決闘。だがその前に自分の事を少しでも知るために親父の部屋に潜り込んでいろいろ漁ることにした。

どのみち帰ってこないんだ。問題はないだろう。



自室を出てロビーへ。メイド達が掃除をしている。

俺の姿を見るなり全員整列。毎度のことだがどうも慣れない。

自分がなぜこんな城の中で産まれ、育ったのか。

金の出処は何処なのか。

いくら歳を重ねてもこの不愉快な感じは消えないのだ。


俺はメイド達に今日明日の仕事は無しにすることを命じた。

早苗がいたら絶対できない事だ。これが生業なのだから止める必要がない。なんて言われて止められる。

だが、誰にも休みは必要だ。


食堂へ向かい遅いブランチを作る。

これはただの自慢だが、早苗よりは料理が出来る。

まぁあいつも練習する機会があれば、俺よりも遥かに美味い飯を作れるとは思うが。

ブランチで空腹を満たし、親父の部屋へ。



今まで何度も探そうとしたが。


部屋そのものの場所が不明なのだ。

早苗は知っているようだが、俺には検討すらつかない。

ゲームやおとぎ話のようにまほうや合言葉が必要なのか?

俺は見慣れた城内を隅から隅まで徹底的に調べた。


















現実って嫌だな。


割と本気でがっかりした。二時間探した結果がこれとは…。

目の前にあるのは網膜スキャナーだ。

こんな古城みたいな所に最新鋭のロックシステムを導入すんなよ。

半ばやけくそで網膜スキャンを試みる。


ガチャッ



空いたヨ。空きやがったヨ。

もっとファンタジーな展開であればテンションが上がるのだが……

仕方がないか。

扉の先に何があるのか、せめてドキドキさせて欲しいものだ。




俺は大きな扉を開けた。




中には机と椅子。机の上には聖書?のような分厚い本。

周りはどこも棚だらけ。本でぎっしりだ



この時点でもう夜の九時だ。眠気が襲いそうなので机の上にある分厚い本だけを自室に持ち帰ってきた。




「さて……鬼が出るか、蛇が出るか……。」



中は紙だけだろうよ。でも気分的にだ。何かあって欲しい。





本の中は真ん中にポッカリと穴があいて、何かが丁寧に紙に包まれ入れられている。


俺は静かに紙を取り払った。



中には白のアミュレット。ネックレスになっている。


真っ白。純白のアミュレットだ。

しばらくは誰もいないんだ。着けても……問題ないさ。



ネックレスを付けた直後、俺は深い眠りに陥った。



遠のく意識の中で声が聞こえる。

ハッキリとは聞こえない。

女性だろうか?俺の名前を必死に呼んでいる。




訳もわからないまま俺は眠った。

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