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東方 双陽炎 0-5


旧校舎から戻った俺は途方に暮れていた。

幼馴染みが消えた。その事実だけが重くのしかかる。

普段なら隣にはお喋りで頼もしい幼馴染が。

学校ではみんなに愛されてる生徒会長が。



今は……居ない。

もう戻って来ないかもしれない。何もできなかった。

何もしてやれなかった。



早苗は早退になったらしい。あの女に連れて行かれた。

ゴスロリの服装で空間を引き裂いて現れた八雲紫に。

彼女は何者だろうか。全てを知ってるはず。


俺は今日の事を思い出していた。

幻想郷……。奇蹟を起こす力……。山の産業革命……。

全て関係するのか。

だとしてもだ、納得できる筈がない。

それに……。


「先に行く……か。」



だが、この時俺は思った。

もしかしたら実家に帰らされただけかもしれない。

彼女の実家は神社だ。そうだよ。神社の信仰を集めるとか言ってたよな。




俺は仕事帰りの大人な達で溢れるホームに向かった。

可能性だ。でも少しでもあるのなら……。











夕暮れに染まった山々を見つめながら俺は県を一つ跨いだ所にある彼女の実家、守矢神社へ向かった。

もう何年も訪れていない。

都市部から離れたこの地は山々に囲まれ自然が溢れている。

森の奥、駅から降りて数分歩いた所にその入口は存在する。


長い階段を登る。昔はここで早苗と何段なのか数えたりして遊んだものだ。


早苗とは同居していた。俺の家で居候していた。

なにせこの階段。ただでさえ正凰学園が遠いのだから仕方あるまい。

年頃の男女二人が一つの屋根に住んでいても特に何も起きなかったな。






長い階段を登りまた、少し歩いた。

するとようやく神社が見えた……。





いや、だった場所だ。

そこはさら地だった、何もない。跡形もなく消えているのだ。

早苗の実家である守矢神社が。


こうなればどうすることもできない。

また、長い階段を下りた。

だがそこに早苗が普段つけていたピンが落ちていた。

登ってきた時には気づかなかったのだが……。

やはり早苗のピンだ。昔から着けているカエルのピンだ。

このまま感傷に浸ってるわけにもいかない。


俺はまた、長い階段を降りて行った。










そこからは力なく過ごした。メイド達を適当にあしらい、早苗の部屋へ。

やはり居ない。

彼女の写真がある。

また……大切な人が消えた。いや、今回は攫われたに過ぎない。

見つければなんとかなる。


もう一度写真を見る。早苗と俺と兄が写っている。

兄さんが消えてから二年目になる。

そんな兄からの果たし状。

俺は何がどうなってるのか突き止めなければならない。

兄が戦えと言うのならば戦はざるを得ない。


俺の過去を知るために、自分を知るために。

早苗のことも知ってるかもしれない。


俺は来るべき闘いに備え、剣を取った。


寝たのは日が昇った頃だった。

なんかびみょー。

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