守りたい人
「優子ちゃん‼優子ちゃーん!」
ボンヤリとする視界の中、カラダを揺さぶりながら、叫ぶ人……
「あっ!よかった、急にいなくなるんだもん、心配したよ⁇」
私、寝てしまってとみたい。起こしてくれたのは、“あたし”
「心配したよ⁇っじゃないよ!あたしの事、心配してる場合じゃないよ!」
えっ?何をそんなに焦ってるの?
「修斗が殺される‼一時間後、事件に巻き込まれて死んじゃうよ‼」
修斗が……死ぬ⁇
「ど…ゆーこと?なんで!どこで⁉」
「無差別殺人事件に巻き込まれちゃうの!ホントはもうあなたに会わないって思ったけど、……頭の中で声がして…!大事な人を連れてくも、生かすもあなた次第だって言われたの!」
「…連れてく…って⁇」
「…それはいいから!とにかくそこから離れさせて‼場所は、西町の…」
言われた通り、西町へ走る…。修斗は優斗と一緒にいる。優斗にも被害が出るかもしれない。…絶対、二人を守るッ‼
「はぁ…はぁ…修斗ッ‼…優斗ッ‼どこ⁉」
運が悪かっのか、修斗は携帯を忘れて行っていた。
どこにいるか分からない。でも、もう一時間たってしまう。早くしないと……!
ガシャーーン‼
「キャァァァ‼」
近いような、遠いような音。
「ッ修斗‼」
音と騒ぎを頼りに走る。
そこについた時、無残とも言えない光景が広がっていた。
ビルに突っ込んだ軽トラに、赤い血を流した人が数人。刃物を持った男が笑いながら歩いていた。
「優斗っ!ダメだ行くな‼…っ優子‼」
後ろを振り向く。
「優斗っ!よかった…無事で…よかった」
「優子‼」
「修斗‼修斗、危ないから、離れよ‼殺されちゃうの!」
「あぁ、優斗、行くぞっ……ッ優子‼‼」
「えっ?」
グサッ………
鈍い音が広がる…
「ッ……」
バタンッ!
「優子‼」
うるさいほど鳴り響くサイレン。
修斗も優斗も無事だった。
…刺されたのは、私。バカだよね、助けに行って、お荷物が出来ちゃったじゃん。
…私、犠牲者…なのかな…
…死ぬ…の?
鈍い音響かせて、一体どこを刺したのよ。
痛み、感じないのは、それほど…ヤバイのかな…
声は聞こえる。でも、カラダ、動かせない。まだ…生きたいよ…私。
修斗……優斗……