生
紅く染まった闇
朽ちる肉体
蛆が身体を這い回る
鮮血の中のもう一人
黒く纏う簑
死人の叫び声
この世に産まれた恐怖
生まれ出不安
蛆這う肉体
腐り腐敗臭を放つ
赤黒く参加した肉
やけにはっきりとした白い骨
空洞の身体
口から腹から
蛆が出たり入ったり
それが元は人
痕跡は形のみ
形状が人
骨格が人
誰かは不明
死すれば皆故人
棺桶に入ろうが
土葬されようが
火葬されようが
道端で腐ろうが
生きた死人
生きる事を後悔す
見上げた空は蒼い
蒼さが儚い
その蒼が痛く
その蒼が虚しい
その蒼が苦しく
その蒼が醜い
崩れ去る精神
崩壊する肉体
生きるとは滅ぶ事
産まれて死に
死んでは産まれる
発達とは死への歩み
日々が死へのカウントダウン
一日
また一日
更に一日と
死へと歩んでゆく
死する為に誕生し
死する時の訪れを刻む
刻みを祝う
生きた死人
生きた心地がしない
世界は灰色
やるべき事がわからない
明日は明日に繋がる
その明日はまた明日へ
今日は明日へ
過去へは戻れない
己の過去を変える事も出来ない
産声あげる赤子
この世に生を受けた喜びか
この世に生を受けた悲痛の叫びか
阿鼻叫喚の地獄絵図
さながら現代模型図
鬼も悪魔もいなくても
人の心に宿る
救いはない
見渡せば敵の群
真っ赤な目を光らせ
死する時を待っている
救済の光
死に近付く為の光
恐怖を克服し
死へと誘う死地への光
「生まれた事に意味がある」
生まれた事に意味などない
「生きる事が仕事」
生存を退職したい
死にたい訳ではない
生きてる事が仕事ならば
その仕事を辞めたいだけ
崩れてゆく精神
崩壊するだけの肉体
生きていくとは滅ぶ事
産まれて死に
死んでは産まれる
産声あげる赤子
喜びへの賛美か
苦悩への恐怖か
産まれるという事
切ないこと
恐怖すること
不安になること
理不尽な屁理屈を言われること
全てではない
しかし多かれ少なかれ
鬼は心に住んでいる
悪魔は心に住んでいる
宿っているのではない
産まれた時から埋まっている
「鬼は外」
「福は内」
鬼は家より心に住まい
福は心の中から弾き出される
紅く染まった闇
血の滴る髑髏
蛆の溜まった腹
穴のない煙突
阿鼻叫喚の地獄絵図
さながら現代模写
鬼も悪魔もいなくても
それは人の心に宿る
小池に投げた小石が一つ
小さな波紋をつくるけど
波紋は波にはなりはせぬ
小さな波紋で終わるだけ




