万物の標
今回は暗いです。
人は死への標と共に産まれ
死への標を礎に生きる
死は万人に与えられ
死は万物に与えられ
この世で紛れも無い平等
生に与えられる試練は不平等
貧困 差別 イジメ
苦しみの果てにあるものは
死
どれだけの快楽を得ようとも
どれだけの苦難に立ち向かおうとも
どれだけの境遇に立たされようとも
幸福の先にあるものは死で
不幸の先にあるものも死で
限りある生の先には死が鎮座する
拒むことは許されず
逃げることも許されず
時間と歴史の中で死を待つのみ
たかが百年
そう百年
そんな小さな世界の中で争い
他者を傷付け
他者を蹂躙し
他者を踏みにじり
他者を踏み台にして
勝ち得たその先には死が手招きしている
死を恐れ
死に畏怖し
死を拒絶し
死に落胆する
しかしながら死は平等
誰もが望んで止まない平等
死を望む者にも
死を拒む者にも
死はその威厳をもって
数多の命を搾取する
無限にある世などない
無限に続く世界などない
世は変わり人は変わる
人が変われば世界が変わり
世界が変われば人は神をも愚弄する
忌ま忌ましき種族が神気取り
忌ま忌ましき種族を悪魔と卑下し
他種族達に死を与える
同種同士で死を与えあう
己の死を遠ざける為に
足掻き もがく
産まれてくる標は死
生きていく標は死
避けて通れぬ途を標と認めない
この世でたった一つの平等
死に様はどうであれ死は死
それを受け入れて
その先にある死に向かって歩み続けよう
求め続けた平等に向かって
万人の平等
万物の平等
その途は長いのか
はたまた短いのか
それこそ紛い者である
人という神には到底推察は出来ない
そう神のみぞが知る
万物の世界において最も平等な
死




