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こども おとな

掲載日:2026/04/07

子供部屋って夢が沢山詰まっている感じがしませんか?僕は小さな時から自分の部屋を持つのが夢でした…!    (≧∇≦)

 子供部屋に囲まれたインテリアショップを眺めながら俺は歩いていた。


好きでここにいるわけじゃない。

出たくても出られないんだ。


会社で仕事三昧だった俺は疲れて少し仮眠をとっていた。


保育園や幼稚園でも、お昼寝の時間があったっけ…。


あの時は遊びたい気持ちが強くて寝る気も起きなかったのに今じゃ寝たくてたまらない…


(子供は大人になりたくて、大人は子供になりたい…って言うもんな。)


 そして、目が覚めたらここにいたのだ。


目の前に子供部屋が大量にあるとこからインテリアショップだということは分かった。


プリンセスのお城みたいな部屋や、空色で虹のマットが敷かれた部屋。


どれも、可愛くて見ているだけでも癒される。


ゆっくり見回っているうちに、ふと思った。


…だけど、なんで子供部屋『しか』ないんだ?


とりあえず会社に戻って仕事をしなければ…

しかし、出口が見当たらない。

誰かに聞こうかと人を探す。


「あ、」

よく見ると子供部屋には1人ずつ子供がいた。


ぬいぐるみで遊ぶ子や、絵を描いている子、気持ちよさそうに眠っている子など、それぞれやっていることは違う。


俺は近くにいた男の子に声をかけた。


「ねぇ、キミ。ここの出入り口とか知らない?それか、お店の人見なかったかな?」


男の子は俺の声が聞こえていないみたいで楽しそうにヒヨコのぬいぐるみで遊んでいる。


近くで話したのに聞こえないのはおかしい…。


その時俺は、あることに気づいた。


子どもたちの遊んでいる声が聞こえないのだ。


自分の足音や息遣いは分かる。


しかし、ここにいる子供の人形遊びをしている声やミニカーを走らせる音などは何も聞こえない。


手を叩いてみた。


パンッ…!


あり得ないぐらい反響している。


どのくらい静かで、どのくらい広いのだろう。


部屋の中に入ってみたら会話出来るかと思い、宇宙をコンセプトに作ったような男の子の部屋に一歩近づいた。


入れない。


ゲームのバグが現実に起きたみたいに、先に進めないのだ。

目の前の部屋には壁も何もなく、ただの子供部屋のモデル展示に見える。


何度試しても、先には進めず子供達には話しかけられなかった。


(…なんで?)

気味悪さが倍増した俺は、どうすることも出来ずに通路を歩いた。 


(出口…出口…出口…) 

会社で仕事をしていた時が懐かしく思える。

夢なら早く覚めてくれと内心思っていると、目の前に初めて見る部屋があった。


森をコンセプトに作ったような緑の部屋。

どの部屋にも子供がいるのに、ここにだけは子供がいない。

テディベアのぬいぐるみや、木製のテーブルやタンス、オモチャが置いてある。


思わず近寄った。


テディベアが俺を手招きする。


おいで…ここは楽しいよ。


大人でいなくていいんだよ。


そう聞こえた気がした。


いけない。だって、俺は会社に戻らなきゃ稼いで生きていかなきゃ…


俺はもう、大人なんだから。


分かっているのに、足は止まらなかった。




 オレはいま、くまさんとあそんでいる。


「ね〜みて!ボクのひよこさん」


ちかくのへやから、おとこのこがでてきた。

オレは笑ってくまさんをみせる。


「いっしょにあそぼ〜!」


部屋の中には子供達の笑い声が溢れていた。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

インテリアショップにある子供部屋のモデルルームがとても好きで、「こんなコーナーがもっとあったらいいのにな」と考えた時に思いついた作品です。

他の作品も是非、読んでいただけると嬉しいですm(_ _)m

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― 新着の感想 ―
可愛らしい子供部屋の空間なのに対し、静かすぎる不気味さがじわじわ広がっていく描写がとても上手でした! 大人でいることに疲れた主人公が、最後には子供側へ取り込まれてしまう流れも切なくて心に残ります… 優…
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