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拡張する未来と時間遡行 ─advance─  作者: 清泪(せいな)


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ありふれたもしもの話

 

 ありふれたもしも話ではあるのだけど、幼稚でそれでいて夢の様な話を考える事がよくある。


 もう三十路も手前、二十八にもなる独身OLがこんな事を考えてるなんて男性陣にしてみれば笑い話なのかもしれないけど、女子会じゃたまに話題に出たりする。

 まぁそれ自体の話は盛り上がりには欠けるのだけど話の始めとしては割と使える話で、結局はそこから男の愚痴や女の愚痴やヒドイ時には単なる下ネタになっちゃったりして。

 何で盛り上がりに欠けるのかと言うと、それ自体についての仕組みをよく知らないからだ。


 これを男性陣が話し出したなら賛否両論に分かれたりして盛り上がったりするんだろうし、愚痴なんかに繋がらず幼稚で馬鹿らしいけど何だかんだ笑える話になっていくんだろう。

 かといって、男女揃う合コンで話してみてもお互いの話のツボみたいな場所を探し出そうとして消化不良に陥ってしまう。


 そんな話を今私一人で考えてしまっている。



 もしも、タイムマシーンがあったなら。



 タイムマシーン。


 机の引き出しから乗り込むタイプだろうと、特殊な眼鏡が無いと設計図が読めないタイプだろうと、小型な置き時計(手足付き)がスリップするタイプだろうと、燃料がゴミとエコカー先取りなタイプであろうと、それがどんな形状のものであろうといいし拘りは無くて。

 粒子がうんたらかんたら、パラドックスがうんたらかんたらなんて話は高卒出の私にはちんぷんかんぷんで。

 いや、高卒出とか関係ないか。

 SFだとかに深く興味がないし、大学出の理数系男子の話もしっかり聞いた覚えが無いからわからないのかもしれない。


 とにかく、ありえるありえないの話は置いといて、前提としてタイムマシーンがあったとして。

 過去に行きたいか、未来に行きたいか。

 どれ程の過去に行きたいか、どれ程の未来に行きたいか。


 これは話の始めとして、男女問わず議題としてできる話。

 平均二十八歳の女子会となると、結局どの男のもとに行くかという話題になってしまう。

 分岐点あるいは到達点はいつも男だ。


 今思えばあの男が良かった、今思えばあの男は悪かった。

 または未来の旦那様、彼氏様を知ることができればより良い現在を過ごそうと努力できるかもしれない。


 男なら、これはあくまで想像なんだけど、夢の話をするんじゃないかと思う。

 タイムマシーンだってもう夢の話なんだけど、それとはまた違う夢の話。

 立派な夢とか幼稚な夢とか色々あると思うけど、何となくだけど女子会みたいな話にはなりにくいんだろうなと私は思う。

 二十八年の人生で得た男というものの経験値からしてみて、男というのは別れた恋人に対して未練がましかったりするわりにこういう話題の時には恋人の話を出してきたりしない。

 未来のお嫁さんの話なんてしない。

 女性についての話なんて記憶持ったまま過去の少年姿になってちょっとしたエッチな事をしてみたい、って事ぐらいだ。


 そもそもそれはタイムマシーンって話じゃない気もするけど。

 いや、やり直す、って事なら一緒なのかな。

 過去に行きたいというのは、大体何かをやり直したいという話になることが多いし。

 私も今やり直したい事があるからこんな事を考えているわけだし。


 私の足もとには、死体。

 男の死体。

 後頭部から血を垂れ流し、俯せに横たわっている死体。

 私はやり直したいのだ、今すぐにでも過去に戻って。


 男の名前は、おぎわら、だか、はぎわら、だかわからない。

 出会ってから数ヵ月経つけど、まともに会話をしたのは今日で多分片手で数えれるぐらい。

 取引先合コン、なんてちょっと節操無い合コンに参加させられた時に出会った。


 後輩の女子が幹事で、私は数合わせに呼ばれた。

 彼女の事を、私を含め年上組が呼ぶことが多いのでそれの埋め合わせ。

 私は数合わせだが、彼女は釣りの餌みたいなもんなんで埋め合わせになっているかどうかはわからないけど。

 そんな数合わせの場だったので、わざわざ律儀に名刺までもらったのにこの男に対しての興味はあまりなく、ふりがなの書いてない荻原をどう読むのかは口頭で教えられたけれど憶えていなかった。


 そんな名前もはっきりしない様な男とこうして今ラブホテルの一室にいるのは、つまらない理由で付き合っていた男と別れた数日後に彼から連絡があって飲むことになったからだ。

 頭にろくに残らない会話をして、お酒を飲んだその流れでラブホテルに入った。

 ホテルのバーで飲んで番号の付いた鍵を見せられて意思を確認される様な甘い大人な駆け引きは数年前に体験したきり、今や安いラブホテルに一応の嫌々を言いながらついていく。

 やることもやられることも安い女になったと自嘲した。


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