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第八話 Gクラス……通称:ゴミクラス

【我の目的は、竜に戻ること、そして世界を破壊すること】


 優先すべきは、再び封印されないように強くなること。

 我は15年間、山で生き、独学で魔法を鍛えてきた。


 しかし、さすがに限界がきた。


 我はさらなる力を求め、山を離れた。

 異形たちの情報を基に、効率的に学び、力を得る手段を探した結果――

 人間の学び舎こそ、最適であると結論づけた。


 そこでは魔法の知識を深め、実践し、競い、成長できるという。

 実に楽しそうな場ではないか。


 かくして、聖都市という巨大な街に向かい、最も名高い「聖霊学園」の入学試験を受け――

 

 見事合格。我は G クラスだそうだ!


【きっと G という意味は……ゴット………神クラス!つまり一番上のクラス!ということだろう】


 天才の我が、山で努力をしたのだ。

 それに試験とやらでも、全てにおいて100点を収めた。

 当然の結果だな。


 

 聖霊学園………ここは魔法が絶対の世界。


 入学した生徒は、入学試験の成績に応じて、 A から G クラスに振り分けられる。

 魔力、知識、技術――などなど。

 入学試験において、これらが最も優秀な者たちが集うのは、Aクラス。


 そして、これらのいずれか、もしくは、何かしら問題を抱えている者たちが集められるクラス、それが G クラス。


 試験ごとに成績が評価され、優秀な者は上のクラスへと昇格する。


*しかし、この学園が創立されてから20年、

 一人たりとも G クラスから上のクラスへ上がった者はいない*


 Gクラスに配属された者は、そのまま三年間を過ごすと言われ、

 

 G  3


 ご  み


 故に、ゴミクラスと言われていた。


 オリオンはこのことを知らず、神クラスだと誤解している………。

 点数も………。



 今日が入学式。

 我は教室のドアを開ける。


【ここがゴミクラス!】


 我の席は窓側の一番後ろの席。

 教室中が一望できるいい席だ。


【ふむ、我の隣は女なのか】


 黒く長い髪。

 おっぱいは大きく、出るところはしっかり出ている。

 身長は我より低いが、女性の平均よりやや高め。

 絶世の美女と称してもよい容姿だ。


 観察していると、女は手に持っていた本を閉じ、ため息をついた。

 そして、冷ややかな視線を向け、一言。


「……何?さっきから」


【いや、強い者を探していたところだ。だが、この教室内には目ぼしい者が少ないな。我が強くなりすぎたか?】


 我は目で見た者の魔力量(器の大きさ)が分かる。

 各属性の魔力の大きさがオーラのように溢れて見えている。


 しかし、この教室にはそれなりの魔力量しか持ち合わせていない者ばかり……。

 おかしい……ここは神クラスのはず………。


「何を言うかと思えば……当たり前でしょ。ここは、最底辺のクラスなんだから」


【……ん?最底辺?どういうことだ?】


 神クラスが………最底辺?


「入学試験の成績が悪い人たちしか、この教室にはいないってこと。あなたも成績が悪かったから、このクラスにいるんでしょ」


【それはないな。我は全てにおいて100点だったぞ。これを見てみろ】


 我は自身の学生証を女に見せる。

 その裏には、我の素晴らしい成績がちゃんと記載されていた。


 魔力   60/100 

 知識   0/100 

 技術   60/100  

 発動速度 40 / 100

 応用力  10 / 100

 耐久力  100 / 100

 道徳   0/100   合計 270/700


【どうだ!我はどの分野に置いても100点を取っておるのだ!】


「はぁ〜あなたもしかして、点数の見方も分からないの?」


 女は点数の部分を左、右と指を指す。


「こっちが貴方の点数で、こっちがそのテストの最高点。って、何で私はこんな事を教えないといけないの?」


【……ん?……つっつまり、我の点数は左……というのか?】


「そう」


【魔力……60点満点中、100点ではなく?】


「そう」


【知識………0点満点中、100点ではなく?】


「そう、逆。というか、0点満点って何?」


【ごっ合計は270点……】


「つまり、あなたはザ・凡人ってこと」


【わっ我が……凡人……馬鹿なことを言うな。そっそう言う貴様はどうなのだ】


「はぁ~はい」


 女はすぐに学生証を渡す。そこに書いてあったのは………。


 魔力   20/100 

 知識   80/100 

 技術   70/100  

 発動速度 30/ 100

 応用力  50/ 100

 耐久力  30/ 100

 道徳   80/100   合計 380/700


 我は改めて女の魔力量を見る。

 確かに、我よりも少ない………。

 知性も高いと感じる………。

 左の点数が……自身の点数……。


【……本当、だと言うのか……】


「そういうこと。分かった?」


 くっ悔しいが、現状を受け入れるしかないようだ。

 だが、この女の上から目線な態度は受け入れられん!


 暴力で騙せるのは簡単だが、ここは一つ、敵の土俵、言葉によってねじ伏せてくれよう!


【貴様の話は分かった。それと同時に、貴様がGクラスにいる理由も分かったぞ】


「へぇ〜何よ?」


【貴様、魔力量が少ないな。その大きなおっぱいに、逆に吸われたのではないか!?】


「なっ!」


 女は少し赤面し、片手で胸を隠す。

 そうだ、いいぞ!


【だからそんなにおっぱいが成長……ん?何を】


 ドハッ!  パリンッ!


 我は魔法によって体を浮かせられ、放り投げられた。

 窓ガラスを破り、外の草むらへと頭から刺さる。


「変態」


ーーーーーー

次回:第九話 おっぱいが大きい女

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