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第二十三話 ツンデレ辛口巨乳「ローゼ」と母性辛口巨乳『マイラ』

『なっ、なんだクルサよ』


「べ・つ・に! プイッ!」


 我がせっかく気にして話しかけたというのに、まったくこやつは……。

 一か月間、クルサと接してきて、大体の癖は掴んできた。口を膨らませてそっぽを向くときは、大抵機嫌が悪い時である。

 だが、今回ばかりは理由が分からぬ。我は何もしておらんはずだが……?


{ 第一試験同様、質疑応答はなしだ。残り時間はチームで話し合うもよし、訓練場で特訓をしてもいい。自由に使ってくれ }


 教師・ハルクはそう言い残し、ムキムキの背中を揺らしながら廊下へと去っていった。

 現在は五、六限目の自習時間。本来ならば学問の授業が入る時間帯だが、今回は完全に自由行動が許されているようだ。


 教室内では、生徒たちがそれぞれのチームメイトと集まり始めている。

 そんな中、我のチーム――「マイラ」と『ローゼ』はというと、まずは二人で集まり、数秒間我の方を見つめてから、ひそひそと何かを話していた。


 ……ふむ。分かっていたことだが、やはり警戒されている。


 “災いの印”――黒髪。我の髪色を気にして近寄りづらいというところか。

 だが今回の試験、協力なしでの合格は面倒だ。仕方ない、我の方から近寄ってやるか。

 そう思った矢先、二人がよそよそしく我の席に足を運んできた。

 そして、「ローゼ」が一言。


「よっよろしく……」


 ローゼ――赤髪のミディアムヘア。色は深紅というよりも、ややオレンジがかった夕陽のような暖色。

 鋭い目つき。腕を組み、こちらを睨むような視線を送りつつも、どこか照れたようなそぶりも見え隠れしている。頬がうっすら赤い。「ツンツンと上から目線……プライドが高そうな女だ」。


 そして、隣で我を横目に見ながら、「ローゼ」の耳元でこそこそと囁いているのが――『マイラ』か。


『顔はカッコいいけど、やっぱり目つき鋭いね』


 マイラ――明るい金髪のショートボブ。髪の先端は鮮やかな黄緑色に染められており、草原のような柔らかいグラデーションを描く。

 青く丸い瞳に、ほんの少しつり上がった眉。『全体的に柔らかな雰囲気、母性を感じる』。


 二人の共通点としては、身長が平均的ということ。

 そして、もう一つ。目を引く“特徴”がある。

 クルサ級の豊かなおっぱいだ。特にマイラは見たところクルサよりも大きい。母性を感じる理由のひとつが、それかもしれない。

 日々クルサと過ごしている我は、最近、見ただけで大体のサイズを見抜けるようになっていた。……そう、これもまた、学園で得た成長のひとつである。


 我も日々進化している。


「さっきからどこ見てんの?」


『うん。エッチな人だね』


 おい、先ほどから「ローゼ」の耳元で囁いている『マイラ』とやら、しっかりと我の耳に聞こえておるからな。


【貴様たちの魔力を見ていた。若干ではあるが「ローゼ」の方が魔力(器)大きいな】


「へぇ~分かるんだ。特異体質ってやつなのかな?それとも魔法?」


【生まれつき、だから特異体質かもしれん】


 正確に言うと、我の魔眼なのだが、まだこいつらを信用できておらん。我の能力を教える気にもなれな。

 それはさて置き、問題に取り掛かるとするか。


【さっそくだが訓練場に行き、二人の実力を見せてもらう。それと、学生証を渡せ。成績も確認したい】


 二人は顔を見合わせ、少し険しい表情を浮かべる。


「なんでアンタが仕切ってんの?」


『うん。話し合いもなしに勝手に決めないでほしいよね。この人、絶対モテないタイプ』


 だから聞こえて……もうよい。


【あと一週間あるとはいえ、時間は限られている。貴様らの実力を早めに把握したいだけだ。勝ちたくはないのか?】


「ふぅーん。アンタに従えば勝てるってこと?」


【少なくとも貴様らよりは強い。それに、第一次試験を突破した実績もある。勝てるかは分からんが、作戦を考えよう】


 今はとにかく二人の実力を知らなければ話にならない。作戦を立てるのはそこからだ。この試験、二人の実力によっては、不合格も見えてくる。


『うん。やっぱり感じ悪いね』


「ねっ!すごく上から目線だし。でも、そこまで自信あるなら、一回くらい任せてみない?お手並み拝見ってことで!それにこのままアンタと喋っても時間の無駄っぽいしね〜」


 二人とも中々に口が悪いな。罵倒されたが、ここで仕返し、あるいは近い行為を行うとクルサの時のように後手に回ることもあると学んだ。ここは、我慢するとしよう。


 そうして我らは教室を後にし、訓練場へと向かった。


【まず、貴様たちの実力を見せてもらおう。好きな魔法を的に放て】


「はぁーい」


『うん。やっぱり私、この人のこと嫌い』


 はぁー。先行きが思いやられるな。


 我は、クルサに魔法を教えている。

 クルサは我の指示を忠実にこなし、日々努力を怠らぬ。

 魔力量こそ少ないものの、技術は確かで、魔法のコントロールも安定している。基礎はしっかりと身についていたため、あとは実践。ひたすら我との模擬戦を通じて鍛えてきた。

 一ヶ月――その成果は、着実に表れつつある。


 今回は、そのクルサを基準に、この二人の実力がどれほどのものかを見極めよう。同じGクラスなら、そこまで差はないはずだ。


 ――数分後、訓練場にて。


【……おい、嘘だろ】


「はっ!」


『ていやっ!』


 ヒューバン。   ピューポン。


 ほぉー  ふむ……我は負けたかもしれん。

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