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気高き氷刻、リランシェ

 向こうに氷山、足元に霜、そこらの建物に氷柱。カンナの町景色を端的に表現するとこうなります。

 いやもう凄いですよ!寒いのなんの、今は秋ですけど余裕の雪景色!実際さっきまで雪降ってましたし、私が乗っていた魔導列車も雪かきを付けて完全装備といった所、信じがたい光景です。


 目的地の山が結構遠いので、今日は途中のここで1晩過ごそうという訳です。勿論ただの中継地ではありません、何せ観光名所ですから驚くものが沢山ありますよ。


 まず駅を出ますと見えてくるのは巨大な氷の彫刻、あれは人間を背中に乗せたトナカイさん……でしょうか。晴れている時は必見です、全身きらきらに輝いて素敵!

 この町の伝承に出てくる、鹿に乗って家々を回り子供にお菓子をあげる人間を元にした像とのことです。


 それを過ぎれば、早速町の方に呼ばれます。ここの住人さんはみんなフレンドリーです、友達みたいに接してくれていくらでも仲良くなれそう。声を掛けてくれた彼女はイヴさん、角を見るに鹿の獣人でしょうか?

 雪合戦の大会があるから人数調整で参加してくれと言われました、折角なので行ってきたいと思います。


 正直全くコツとか知らないのでとりあえず適当に自分と違う色の方目掛けてぶん投げます。まあ全然当たらず全試合通して3ヒット。8チーム中で準優勝したので結果オーライです。いえい。

 思い返してみれば全チームに3人くらい私みたいな旅行者がいたような気がします。なんで?


 本題に戻ります。

 カンナと言えば外せない物がありまして、それがこのお菓子、ソリッドアイス。球体型のただのアイスですが超カチンコチンで到底噛めないので飴みたいにひたすら舐めます。アイスとは思えないほど味が濃いんですよ、餡子味を食べてみると直接餡子を頬張ってるみたいな味が溶けるまでずーっと続きます。

 氷関係の食べ物は全部美味しいです。ふわふわなかき氷に甘すぎシャーベット、さっぱりレモン味の冷麺……お腹が下りそうになったら白湯を飲みましょう、氷河由来の水からは薬草みたいな香りがしますよ。


 さらに楽しさは続きます。お風呂、雪滑り、氷彫刻体験……全部近場で巡り放題、何故かあるプールはこの寒さの中で泳ぐ気は無いのでスルーとしても十分なくらい揃っています。

 早速自分の彫刻を作りましょう。氷の凸凹に苦戦しますが、慣れると削る感覚が気持ちよくて、完成品は町の好きな場所に置けまして、なんだか自分が町の一員になったような感じで達成感を感じます。


 もう楽しいことで溢れてる場所なのですから、夜のお宿だって特別です。案内された所は建物どころか何も無く、雪が積もっているだだっ広い広場。何をするのか分かりますね!


 そう、かまくらを作りましょう。自分の手で作る特別な寝床です。手伝いの方と30分、カチコチで安心で、中でライトを照らしてみますと明るくも柔らかな光が灯って。不思議ですね、氷の中にいるというのにとっても安心してぽかぽか暖かい気持ちになりました。




 

 では寝袋に潜りまして、可笑しく楽しい町にお休みなさい。

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