Assy 1 , ヘンプ
ー誰かの回想ー
一人暮らしの周次の家で寄り添う2人、近くで鳴る救急車のサイレン
ある女性 「辛いよね、周次。私が、ここに居るからいっぱい泣いていいんだよ。」
周次 「.........ごめん。」
「そっちも今、辛いときなののにほんとごめんね。」
ある女性 「いいの、いいの。私なんてただ足怪我しちゃっただけだし。周次はお友達を亡くしてるんだからもっと辛いに決まってるよ。」
周次「.........、実はね、直前まで連絡取ってたんだよ。まだ思ってる、俺なら止められたのかなって。救えたかなって。」
ある女性 「……。周次のせいじゃないんだからそんなに責任感じちゃだめだよ。」
ー2021年 1月のある日ー
車の中での会話
敦 「え、マジで告ったのか?それで返事は?」
周次 「うん、okだった。もう付き合ってるよ」
敦 「えー、まさか周次に先越されるとはね〜、大学って意外と出会いないもんだよな。」
「まあ、幸せにしてやんなよ」
こいつは高校時代から友好がある田中敦。地元に帰るとよく一緒にドライブに行く。ドライブでは僕は運転をしない、敦に運転を強要させてる訳ではないのだが。敦は運転が好きなのだ。あと、それとは別の理由
流れるラジオの曲
周次「この曲ってなんだっけ?最近このアーティスト有名だよな」
敦「宿命だっけかな?」
周次「へー、そういや宿命って運命と意味違うんだっけか?」
敦「俺に聞くな。ggks」
周次「運命は巡ってくる吉凶のことで、宿命は前世から決められた運命のこと、なんだってさ。」
敦 「へー、ってあんま変わらないし、知らなくてもいい情報だったわ。人生は1度きりでいいものよ。」
敦 「てか、飯なに食べいく?」
周次「敦の好きなのでいいよ」
敦「んじゃ、ラーメン!」
周次「了解〜」
ーラーメン屋にてー
敦「ふ〜、おなかいっぱい! 周次ご馳走様〜」
周次「へいへい。」
敦とドライブにいくと何食わぬ顔で奢らされる。しかもあたかも当然のように、少しは遠慮というものを知れ。まあガソリン代だと思えば安いものだが。
ラーメン屋からの帰り道
敦 「そういや、この前切符きられた。」
周次 「またかよ、今度は何したんだよ。」
敦「スピード出してたら警察に追い回された。」
周次「お前、そんなことばっかだとそのうち事故るよ。危ない運転してお前が死ぬ分にはいいけど、もし誰かに迷惑かけたらその被害者にちゃんと責任とれるの?約束しろ。守れなかったら絶交だからな」
敦「……、お、おう。」
敦には一つだけ問題点がある。自分の運転技術を過信して危ない運転をするのだ。今回は少し言い過ぎたかなとも思うがこいつはこうでも言わないと治さないのだ。こういう運転を続けてれば彼はきっと事故を起こすだろう。僕には分かる、そういう宿命なのだ。敦が死ぬのはどうでもいいと言ったが本当は死なれては困るのだ。不器用ながらもその心配も言葉には含まれていた。