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吾輩は犬である

作者: inu

我輩は犬である。

名前はたかし。

ご主人の「たかし、たかし」

と呼ぶ声で目が覚めたばかりだ。


ご主人はいつも我輩を優しく抱き締めてくれた。

我輩がご主人の顔をペロペロなめると嬉しそうに笑ってくれて、我輩もすごく嬉しくなって、しっぽをたくさん振ったんだ。


 

ある日、いつものようにご主人の声で目が覚めた我輩がご主人に抱きつくと、ご主人は悲しそうな顔をして我輩を新しいおうちに入れてくれた。

そこは四角くて天井のないおうちで、我輩は新しいおうちが嬉しくてしっぽをたくさん振ったんだ。

 

するとご主人が我輩を新しいおうちごと抱き上げてそのまま歩き始めたんだ。

ご主人はどのくらい歩いたかな。空しか見えないけど、いつもの散歩道とは違う空気の匂いに我輩は何か新しいことがはじまる気がしてワクワクしていたんだ。

急にご主人が立ち止まって我輩と新しいおうちを地べたに置いてどこかに行ってしまったんだ。

きっとご主人は歩き疲れちゃったんだね。

我輩はご主人が帰ってくるまでいい子にしなくちゃって新しいおうちで静かにしてたんだ。

段々まわりが暗くなってきて、そのまま夜になったんだ。

ご主人、どこまでいったのかな。

ちょっと寒いな。お腹も空いたよ。

ご主人に会いたいな。

そんなことを考えてたんだけど、気がつくと我輩は寝ちゃってたんだ。

 

空が明るくなっていつもならご主人の声で目を覚ますのに、今日は勝手に目が覚めた。周りを見回しても、まだご主人はいなかったんだ。

それから我輩はずっとご主人が帰ってくるのを待っていた。

いい子にしてたらご主人にほめてもらえるし、また優しく抱きしめてもらえるとおもってちゃんと待ってたんだ。

それから朝と夜が繰り返しやってきて、我輩の体は段々力が入らなくなったんだ。

 

そんなとき、雨が振ってきた。

いつも散歩中に雨が降ってきた時は我輩を抱いて家まで走って帰ってくれたご主人だから、こんな雨の中外にいたらご主人が心配しているにちがいない。

早く帰らなきゃって思ったんだけど、我輩の体は動いてくれなかった。

我輩の体は勝手に、小刻みにカタカタ動いて、それを止めようとしたけど止まってくれなくて、だんだん眠くなってきたから目を閉じたんだ。

眠る直前、なんだか寂しくなってきて、涙が溢れてきて、

急にご主人との楽しかった毎日を思い出して、あったかい気持ちになったんだ。

気持ちはあったかいけど、体が冷たくなって、我輩はそのまま眠ったんだ。




そんなこんなで色々あって、我輩は悪魔に転生した。そんな我輩から一言、ペットを捨てる人間どもは蝋人形にしてやろうかー!!


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