超短編小説 鈴木太一の冒険 その6
僕の名前は鈴木太一、中学ニ年生だ。
中学生の間に十個の冒険をすることが目標だ。
7月7日、その一つを実行する時が来た。
今日のミッションは、自分で髪の毛を切る事だ!
切ると言っても、ちょっと1センチ切るのではなく2ブロックだ!
この時のためにホームセンターでバリカンを買った。梳ハサミもゲット。YouTubeでカットの仕方も勉強済み。
ゴミ袋、鏡、クシ、クリップ、水スプレーOK。
いざ、
いざ、
いざ…ブーン、バリバリバリ、バリバリバリ、
「手が逆だ〜」
「見えない〜」
「う〜ん、やばい」
「まずいぞ、こりゃ、」
「やめようかなぁ〜」
「ダメだよ、太一くん。君の冒険はまだ途中だよ!」
「だって、コーラの一気飲みとは訳が違うよ、前髪ならできるけど」
「頑張るんだ、太一くん。最後の目標はどうする!」
「解った。いくぞ!」
バリバリバリバリー
わぁ、わぁ、わぁ、わぁ、わぁ、
カチ、カチ、カチ、カチ、
わぁっー!
僕はビダル サッスーンになった!
ドーン
……
成功ーーーっ
冒険No.6セルフカット2ブロック、ミッションコンプリート!
学校では、誰も気づかない…