ネオ・ブリザードの午後8時半劇場 ⑤
ここは、バレー強豪高として名高い『鬼神高校』
放課後の体育館では、今日も女子バレー部の激しい練習が行われている……
「ほらほらー! そのくらいのサーブ、取れなくてどうするのー!」
「すみません! 部長!!」
新入部員に大声を浴びせるのは、歴代部長の中でも、特に厳しいと有名な『芯強子』。彼女の激しい練習によって、バレー部を辞めて行った新入部員も数多い。
芯強子は、合間を入れずに次のサーブを打とうと、ボールを上に上げた……
……その時
「くちゅん!!」
小さいくしゃみをし、その反動でボールを床に落としてしまった。
瞬間、バレー部全員の視線が、一様に芯強子に集中する。
「……あ」
みるみる顔が真っ赤になる芯強子。
それを見た新入部員達は、駄目だと分かっていても、つい心の中で思ってしまう。
(……かわいい)
(かわいい……)
(……可愛い♪)
…………と…………
これが本当の『かっこかわいい』……
……おしまい。