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病気の彼女にさわる彼氏(500字)
大丈夫か?
まだしんどそうだな。
朝よりはだいぶ顔色がよくなったとは思うけど。
おい、おきるな、おきるな。
まだ寝とけ。
ごめんな。風邪うつしちゃって。
いや、絶対、おれのせいだよ。
おれが風邪ひいたとき、めっちゃ看病してくれただろ。
でも、あの時は、ほんとありがとうな。
おれ、病気のときとか、わりと心細くなるから、すげえ嬉しかった。
とりあえず、スポーツドリンクと、プリン買ってきたんだけど、なんか他に欲しいものとかあるか?
遠慮しないで言ってくれよ。
本当にないのか?
また、思いついたら言ってくれよ。
ちょっと、おでこ、さわるぞ。
……まだ熱いかな。
え?
おれの手、冷たくて、気持ちいい?
そう? よかった。
おれもな。
小学生くらいの時、こんな風に、おでこに手を当ててもらうの好きだったんだ。
なんだか、こうやって、手をおいてもらってると、安心するよな。
まだ、眠たそうだな。
もう一回ねたほうがいいよ。
おやすみ。