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オレ様の完璧な監禁計画が失敗する訳がない(1200字)


お、ご苦労だったな。


あんまり遅いから、まさかオレ様の招待状が届いてないのかと心配したぞ。


入口の門がどこか分からなかった?


ははは、それは申し訳なかった。オレ様の屋敷は、庶民からすると、ちょっと広すぎるからな。


ん? なぜ、お前を招待したのか理由が知りたいのか?


それはもちろん、お前とは一度ゆっくり、二人きりで話してみたいと思っていたからだ。


お前は庶民の中でなかなか見所のあるやつだからな。


お前はどうしてそんな風に斬新な発想をして、周りの者を驚かせることができるのか。


お前のことをもっと知りたかったのだが、なかなか二人きりで話せるチャンスというのが今までなかった。


じょ、情報収集と言われると、なんだか聞こえが悪いな。


だが、これは何もオレ様にだけメリットのある話ではないぞ。


お前もオレ様と話すことによって、天才的な頭脳とカリスマを持つこのオレ様のことを知ることができるのだ。どうだ、嬉しいだろう?


そうだろう、そうだろう、嬉しいだろう。


さて、じゃあ、小粋なトークで緊張もほぐれたところで、このなんの変哲もない紅茶でも飲まないか?


ノドが渇いていないのか?


本当か? 遠慮しなくていいんだぞ。


なんせ、お前のためにわざわざヨーロッパから取り寄せた高級茶葉だからな。


おおいに感謝して飲み干すといい。


な!? 隠し味なんて、何も入ってないぞ?


何を疑っているのやら。ははは、変な奴だなあ。


どうした? 急にオレ様の後ろなんか指さして?


UFO?


ど、どこだ? あっちか? こっちか?


おい、UFOはどこだ? オレ様には見えんぞ。


なにぃ? ジョークだったのか!?


このオレ様をからかったのか?


なんというヤツだ。このオレ様に嘘をつくなんて。


これは罰が必要だな。


地下牢で……ベートーベン聞きっぱなしの刑がいいか?


それとも、モーツァルト聞きっぱなしの刑がいいか?


なに!?


紅茶を飲んでくれるのか?


じゃあ、仕方ないな。許してやろう。


オレ様の心の広さに感謝しろよ。


そうだな、オレ様も驚いてノドが渇いたからな、紅茶でも飲むとするか。


あれ? なんだかオレ様のティーカップの位置が、少し移動している気がするんだが。


さっきオレ様が振り向いた時に、ティーカップが動いたのか?


そんなに勢いよく振り向いたつもりはなかったんだがな。


まあ、いいか。


ごくごく、ごくごく。


この紅茶はオレ様のお気に入りで、マカロンやクッキーとよく合うんだ。


ところで、お前、なんともないのか? 眠くなったりはしていないか?


おっかしいな。


いや、何でもない。こっちの話だ。


んん?


なんだか逆にオレ様のほうが眠いような。


ふわあ。


むにゃむにゃ。


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