ヤンデレ元カレ吸血鬼(約1000字)
久しぶりだな。
なんでそんなにびっくりしてるんだ?
お前のいる場所なんて、俺には簡単に分かるんだよ。
俺から逃げられるなんて思うなよ。
なんで急にいなくなったりした?
俺が、実は吸血鬼だったからか?
お前だったら、きっと分かってくれると思ってたんだけどな。
人間と吸血鬼。
たとえ異なる種族だとしても、お前とだったら、分かりあえると思って。
お前のことを信じて打ち明けたけど。
でも、お前は逃げたんだよな。
いいさ。
別に気にしてない。
お前のこと、勝手に信じた俺が悪いだけだから。
俺が馬鹿だったんだ。
はじめから、信じたりなんかしないで、
こうやって襲っておけば良かった。
おい、動くな。
牙が刺しにくいだろ。
(マイクに、ハァー、って感じ吐息)
おいしい。
お前の血、ほんと美味しいよ。
なんだよ? 今さら謝っても遅いんだけど。
もう分かりあうことなんて、できないんだって。
俺はもうお前のことなんて信じられない。
それに分かりあう必要もない。
俺が一方的にお前のこと、愛してやるからな。
おまえの血は、全部おれのものだ。
それが吸血鬼の愛し方だからな。
たとえ、それが人間のお前にとって、嫌なことだったとしても。
はははッ すっごくいい顔してるな。
お前の、その怯えた顔。
お前が逃げて、俺、すっごくショックだったけど。
本当はこれで良かったのかもな。
お前のことを信じていた頃は、
二人で笑って暮らせたらいいなって思ってたけど。
そんなのやっぱり楽しくなかったんだ。
こうやって、怯えるお前から血を吸うのが、本当に楽しいんだ。
ありがとうな、俺の信頼を裏切ってくれて。
お前のおかげで、本当に楽しいことに気付けたよ。
(マイクに、ハァー、って感じ吐息)
どうだ? 牙、痛いか?
もっと、悲鳴上げてもいいんだぞ。
痛い痛いって、泣き叫べよ。
もっと、お前の血、飲ませてくれよ。
残したりなんてしないからな。
最後の一滴まで、ちゃんと全部飲んでやるから。
お前の存在も記憶も、
これからは俺の中で生きるんだ。
ずっと一緒だ。幸せだよな?