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サイコパス青年「よし、勇気を出して誘拐しよう」(800字)

おや? 目が覚めましたか?


おはようございます。


ここですか? ぼくの家ですよ。


ぼく? ぼくはあなたの彼氏です。


え?


ぼくはあなたの彼氏じゃない?


そうなんですか?


本当に?


ぼくがあなたの彼氏でないのなら、


それを証明してもらえませんか?


証明できないなら、


ぼくはあなたの彼氏でいいですよね。


え? あなたの彼氏は、べつの男性?


それがどうしたんです?


あなたに別の彼氏がいるからって


ぼくがあなたの彼氏じゃないとは、かぎらないでしょ?


どこかで会ったことがあるか?


いえ、初対面ですよ。


意味が分からない?


そうですか。


じゃあ、順番に説明しますね。


ぼく、ずっと悩んでいたんです。


世の中には、こんなにたくさんの女性がいるのに


なんでぼくには彼女がいないんだろうって。


それで、ふと思ったんです。


ぼくは勘違いしてるのかも。


彼女がいないんじゃなくて


彼女がいることを忘れてるだけなのかも。


きっとそうに違いない。


例えば、今、目の前を通ったあの女性が


ぼくの彼女かもしれない。


ほかの女性に比べて、ぼくの彼女っぽいわけじゃない。


だけど、ぼくの彼氏じゃないって証拠もない。


よし、勇気を出して、誘拐しよう。


そういう訳で、あなたはぼくの家にいます。


でも、あなたは、やっぱりぼくの彼女ではなかったのですね。


じゃあ、いらないので処分しますね。


処分するというのは、処分をすることです


そのあたりにも転がっているでしょう?


おや?


どうしたんです?


そんな風に慌てて。


え、ぼくの彼女になってくれる?


いえいえ、そんな風に気を遣っていただかなくても結構ですよ。


また別の女性を誘拐しますので。


え?


やっぱり、あなたはぼくの彼女だった?


そうだったんですか。


あなたも今、思い出したんですね。


思い出してもらえて良かったです。

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