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001 美少女降臨
「あんた達! いい加減にしなさいよっ!!」
学年随一の美少女の凜とした声が、クラス中に響き渡った。
誰もが予想だにしなかった突然の出来事に、クラス中の時が止まる。
彼女は左手を腰に当て、右手の人差し指を、リーダー格の男子に突きつけていた。
指を指された男子は固まって動けない。
ついでに言うと、わたしも開いた口をそのままに、周囲に醜態を晒した状態で硬直していた…………。
◇
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その日の放課後、その学年随一の美少女とわたしは、モノレールの駅から少し離れた大型複合施設内のブックカフェにいた。
彼女は店内のメニューが書かれた大きな黒板を背にして、オレンジ色のソファーにその身をゆったりと納めている。
少し緊張した面持ちを、わたしの方に向けながら。
何で、こんなことになった????
一刻も早くこの状況を理解し、解放されたいのだが……まずはその前に、自己紹介をさせて欲しい。