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55話 ストア ピュアヒールに挑戦  冒険者養成所 58日目

 今日こそピュアヒールに挑戦するぞと意気込むストアは魔法の教室まで歩いて近づいてきたら、女の生徒達に呼び止められた。



「あの すいません」


「えっ 俺? 何か用?」


「もしかして いつも リック君といつも一緒の人ですか?」


「そうだけど?」周りでキャッキャと騒ぐ女生徒たち。


「リック君ってどんな女性が好きなんですか?」 


「う~ん わからないよ」


「え~嘘」と女生徒達。


「女友達が多いし 二人っきりの姿を見たことないし」周りでキャーと騒ぐ女生徒たち。


「そう なんですか?」


「気になるなら直接聞いてよ 俺 授業あるから」


 そういって教室に行くストア、目の前にはソフィーがいた。


「ストア君 何を話していたの?」


「リックの事を聞かれたんだよ」


「えっ 何それ?」とカトリーヌ


「どんな子が好きかって聞かれたんだよ」


「最近多いのよ ああいう子達が」とカトリーヌ。


 そのまま教室に入るストア達、ブロッサムやダコタもやってきた。


「ダコタ ピュアヒールできた?」


「部屋でも練習したけど出来なかった」


「そうなんだ」



 教官の声が聞こえてきた、いつも通りの説明があり、5人で教室を出ていつもの場所まで行くのだった。


 木陰で円陣を組む感じで集まるストア達。



 「ブロッサム まずはピュアヒールを見せてくれないか?」とストア。


 うなづくとコップに手を近づけてから少し目を閉じてすぐに魔法を唱えた。


 淡い光が右手に光り、コップにも包み込むように照らされると、中にあった黒い液体が透明に変わる。



 「速いし効果も十分だね」



 うれしいそうにストアの手を左右に振るブロッサム。



 「今度は俺にピュアヒールを掛けてくれないか?」

 


 うなづくとストアの手を握ったまますぐに呪文を唱えるブロッサム、ストアの手が淡い光に包まれる。


 気分的にはしこりがとれて血がサラサラになったように感じるストア。


 魔力を通して聖なる光が体を浄化しているようなイメージでいいかな?と思った。


 

「俺はダコタとブロッサムと練習したいんだけどいいかな?」


「私とするんじゃないの?」とカトリーヌ。


「昨日、ソフィーとゴタゴタしてたからこの組み合わせならいいかなと思って」


「私達はそれでいいわ」とダコタ


「しょうがないわね」とカトリーヌ


 

 それぞれに分かれて練習することになったストア達。



「ダコタはどんな感じで練習してたのか見せてくれる?」


「わかったわ ブロッサム やるわよ」



 そう言うとピッタリくっついて呪文を唱えるダコタ。



「聖なる光よ 悪しきものを除き 安らぎを与え給え ピュアヒール」



 後ろから抱き着くようにしてブロッサムは短い手で必死にダコタの手に手を合わるしかし魔法も発動しなかった。



「う~ん どんなイメージで魔法を唱えているの?」


「毒よ消えろよ」


「俺は違うと思うんだけど」


「ストア君 まだ 呪文も唱えてないじゃない」


「それもそうだね もし 俺の方が先に覚えたら その時に言うね」



 ストアはブロッサムの方を向き、話しかけた。



「それじゃー ブロッサム 頼むね」うなづくブロッサム。


 ブロッサムはコップの前に立ち、しばらくして呪文を唱える、ストアはブロッサムの小さい手に手を合わせる。



「聖なる光よ 悪しきものを除き 安らぎを与え給え ピュアヒール」



 淡い光が輝くと瞬く間に黒い液体が透明になっていく、ストアは自分が呪文を唱えている気分で魔力を通して聖なる光が浄化するイメージをしていた。



「ブロッサム この魔法って魔力をたくさん使うかな?」 首を横に振るブロッサム。


 

 今までで感じたことをイメージするストア、聖なる力が魔力を通して浄化していく、ピュア、純粋と連想しながらコップに右手を近づける、ブロッサムもストアの手と手を合わせてきた、そして魔法を唱えた。


「聖なる光よ 悪しきものを除き 安らぎを与え給え ピュアヒール」


 右手から淡い光が出て黒い液体が透明になっていくように見えたのだが発動しなかった。



「あら 残念ね でも初めてだからしょうがないわよ」


「いい感じだと思ったんだけどね」


「ブロッサム 今度こそ成功させるわよ」


「そうだね がんばろ」とブロッサム



 ストアはいつになったらブロッサムと普通に話せるようになるのかなと思ったのだった。


 それからも交互に魔法を唱えて工夫もした、魔力の量を増やしたり、集中化も試してみたりしたけれど光はでなかった。



「ちょっと休憩しようか?」と珍しい提案をするストア。


「そうね ブロッサムが一番大変だからね」


「ありがとう」とほほ笑むブロッサム。



 ストアは純粋とか浄化というイメージではだめなのかなと思い始めたときに母さんを思い出した、そういえば母さんは魔法じゃない魔法で痛みを忘れさせてくれたことを思い出す。


 痛い場所に手をあてて、痛みを飛ばしてくれてたな、大きくなってそんなこと恥ずかしくってしてもらわなくなったけど。


「そうか そうかもしれない」とつぶやくストア。


「みんなは休んでいて 俺は今思いついたことを試したいんだ」



 変な気迫に押されてうなづくダコタとブロッサム。



 ストアはコップの前に行き、これはコップじゃない体の一部で毒に侵され苦しんでいる状態なんだとイメージする、それをぬくもりと光で楽にしてあげるんだと思いを込めて呪文を唱えた。



「聖なる光よ 悪しきものを除き 安らぎを与え給え ピュアヒール」


 右手から淡い光が本物の淡い光が輝くそしてコップに近づけると黒い液体が透明に変わったのだった。


 ストアの手が光るとダコタとブロッサムは立ち上がりコップの中を覗きに来た。


「あっ 透明」とブロッサム。


「あっ 本当だ」とダコタ。


 ブロッサムはストアの手を取り周りを回った。


「やっぱり ストア君 覚えるのがはやいよね」


「ありがとう 試行錯誤してたんだけどね」


「どんなイメージで魔法を唱えたの?」


「コップを本物の体だとイメージして、ぬくもりと光で楽にさせてあげたいって」


「そうなんだ 毒よ消えろじゃ ダメなのね」


「人それぞれかもしれないけど イメージで変わると思うよ」


「そうね 私もそのイメージでやってみるわ」



 それからも交互に魔法を唱えたがダコタは発動せず、ストアは成功を繰り返した、ダコタは少し悔しそうだった。


 ストアはピュアヒールに自信がつくと、カトリーヌとソフィーの所へ行った。



「調子はどう?」


「全然ダメよ」とソフィー


「ストア君はできたの?」とカトリーヌ


「なんとか できるようになったよ」


「ダコタはできたの?」とソフィー


「まだ できてないんだ」


「そうなの」とちょっぴりうれしそうなソフィー。


「本当に覚えるのがはやいよね」とカトリーヌ。


「どんなイメージで魔法を唱えてるの?」とソフィー


「コップを本物の体だとイメージして、ぬくもりと光で楽にさせてあげたいって」


「人だと思ってすればいいのね」とソフィー。


「あはは それなら好きな人を助けてあげたいの方がリアルじゃない?」とカトリーヌ。


「そ そうね やってみるわ」とソフィー。



 そういうとコップに近づきイメージを膨らませるソフィー、真剣さが伝わってくる、そして呪文を唱えた。


「聖なる光よ 悪しきものを除き 安らぎを与え給え ピュアヒール」


 右手から淡い光が出る、ストアもカトリーヌも目を大きくさせた。


 光に照らされたコップの液体は黒から透明に変わったのだった。



「ソフィー できたじゃない」


「おめでとう ソフィー」


「ありがとう みんな」


「好きな人が効いたわね」


「もう カトリーヌ やめてよ」



などと騒いでいたらブロッサムとダコタも側に来たのだった。



「ソフィーもできたの?」とダコタ。


「アドバイスをもらったら できたのよ」


「え~~~ 私もストア君からアドバイスをもらったのに」


「好きな人にだと思って魔法を掛けたらと私もアドバイスしたのよ」


「そ そうなんだ」


「今までで一番気持が入ったよ」とソフィー。


「私も頑張るわ」



 そういうと慌ててコップを持ち思いを込めるダコタ、そして呪文を唱えた。



 「聖なる光よ 悪しきものを除き 安らぎを与え給え ピュアヒール」  


「あっ」一斉に声をあげた。



ダコタの右手からは淡い光が輝いていた、そしてコップの黒い液体は透明に変わったのだった。



「ウウウウウ」と涙ぐむダコタ。


「どうしたの? 大丈夫?」とみんながダコタに声をかける。


「私だけできなかったらどーしようとか色々考えて 輝く右手を観てたら なぜか涙が」


「最後だったもんね」とソフィー。


「みんなできるようになってよかったね」とストア。



 ブロッサムも涙をポロポロ流していた、そしてダコタと抱き合ったのだった。


 チョッピリセンチな気分になったストア達だったが教室に帰る頃にはみんな笑顔だった。


 こうしてストアはピュアヒールをクリアしたのだった。


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